表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冥界王だって働きたくないでござる! ~ハーデス様の素敵な引き籠りライフ~  作者: 軌跡
第三章 女神に公共のルールを求めてはいけない
66/79

取り戻せアンケート! 1

 アンケートの話を出してから、一週間後。

 城の中でヘラとアプロディテが口論し続けるため、ハーデスの精神は限界に達しつつあった。


「うう、どうして二人とも我の家に滞在するんだ……落ち着いてご飯も食べれないよ……」


「まあまあ、いいじゃないですか。奥さんの手料理が食べれるんですから」


「そうだね……って、セポネはいつまでここにいるのさ? 地上は大変なことになってるのに」


「うふふ、ずーっと一緒ですよ。ずぅっと、ね」


 冗談なのか本気なのか、ペルセポネは影の指した笑顔で、ハーデスを睨んでいる。


「――まあともかく、私はもう少し冥界に残りますから。旦那様だってそっちの方がいいでしょう?」


「そりゃあ、本音を言えばね」


「だったら問題なしですねっ。新婚さんみたいにイチャイチャしましょう、イチャイチャ!」


「は、恥かしいってば……!」


 抱きつきてくるペルセポネを躱そうとするが、彼女も素直には退かない。じゃれ合う猫のように、夫の傍から離れなかった。

 しかしそれを見て、露骨に機嫌の悪そうな方が一人。


「おいアンタら……」


「う、うわあっ! ヘラ様ごめんなさーい!」


「分かればいいのよ、分かりゃあね。ったく、こっちは旦那と会ってすらいないってのに……」


「ゼウス、どこか行ったの?」


「地上の可愛い女の子を探す、って出てったわよ。時代は純愛じゃな! とか何とか」


「前は浮気と不倫って言ってなかったけ?」


「あ?」


 ヘラが怖い目をしたので、これ以上の追及はお察しください。

 と、そんなタイミングでアイアコスが部屋へと訪れる。前回と同じように、ヘラとは微妙な雰囲気だ。まあお互い喧嘩腰ってわけでもないので、最悪の展開までは至っていないが。


「ハーデス様、一大事です」


「へ?」


「集めたアンケートが、何者かによって奪われてしまいました……! 申し訳ない!」


「う、奪われた!?」


 皆の視線が、一斉にヘラへと集中した。

 しかし彼女に覚えはないらしく、必死に首を振っている。


「じゃあアプロディテだね。さすがにセポネはやらないだろうし……」


「当たり前ですっ。そもそも私が調べたところ、一位は私だそうですよ? 私の名前欄に、デカデカと『冥界の女王』って書いておきましたし! 私を支持すれば冥界での安全は保証します、とも書きました!」


「もう汚職レベルだなあ……」


 彼女も自覚はあるらしく、笑って過ごすだけだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ