表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冥界王だって働きたくないでござる! ~ハーデス様の素敵な引き籠りライフ~  作者: 軌跡
第三章 女神に公共のルールを求めてはいけない
56/79

迷惑千万な女神たち 8

「……えっと、このことについては忘れるってことで、どう?」


「駄目です!」


「そうよー」


 開いた口が塞がらないとはこのことで、ハーデスさらなる絶望の底に沈んでいく。

 ケルベロスは静かに欠伸をするだけだ。女神同士の争い、首を突っ込む気は毛頭ない。自殺行為だし。


「――でもちょっと待って。ハーデスちゃんが審査員なのは、私に不利じゃない?」


「っ!」


 ハーデスの表情が一変する。

 そう確かにその通りだ、考えるまでもない。


「じゃ、じゃあ誰に審査を頼むんです?」


「んー、そうねえ、ここはヘパイストス様かアレスちゃんに――」


「旦那と愛人ですよね、それ! 何をどう考えたってイカサマなんですが!?」


「えー、いいじゃない。私の美貌に免じて許してー」


「許しませんっ!」


 火花を散らしながら、いっそう強く睨みあう二人。

 もう仲裁は諦めた方がいいんじゃないだろうか? どっちも譲る気配はないし。


「仕方ありません、こうなったら腕っ節で勝負です。それだったら私が絶対勝てます」


「私が絶対に負けるじゃないー。だからここは公平に、美しさで勝負しましょう。女神だったら、当然ノってくれるわよねー?」


「う、うぐぅ……また断り辛い条件ですね」


「でしょでしょ? そうと決まれば始めましょ。審査員は――」


「ちょーっと待ちやがりなさーい!」


 爆音を鳴り響かせ、言い訳の余地もない勢いで扉を粉砕する某女神。


「アプロディテと勝負ですって!? このヘラ様を混ぜないたぁ、いい度胸じゃない!」


「うわぁ……」


 今すぐにでも逃げ出したい男性勢二名。

 諦めを含めた声が、揃って口から漏れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ