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冥界王だって働きたくないでござる! ~ハーデス様の素敵な引き籠りライフ~  作者: 軌跡
第三章 女神に公共のルールを求めてはいけない
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迷惑千万な女神たち 7

「まったく、どういうことですか。一年の三分の一を自由に出来るのに、それを養育者である私に使わないなんて」


「うふふ、それだけ彼が私のことを気に入っていたのよー。普通の道義を無視するぐらいにねー」


「そこは叱ってくださいよ! アドニス君が貴女みたいになったらどうするんですか!?」


「なるわけないでしょー。あの子は、私のことが一番好きなの。――分かったかぁ? 小娘」


「むっきいいぃぃいい!」


 どうも、二柱の対立は収まりそうにない。

 しかしハーデスは、我関せずを貫いていた。どうせ目隠しされているし、黙っていれば大丈夫という魂胆だろう。


「だいたいー、ゼウス様が決めたことでしょ? アドニスは一年の三分の一を、それぞれ私、アナタ、自分の自由に使える、って」


「ええ、そりゃそうですよ! でも礼儀を教えないでどうするんですか!? 普通、最後の時間は育ての親である私のところで過すべきですっ! ――旦那様もそう思いますよね?」


「えっ」


 予想していなかった変化球。

 相変わらずペルセポネに密着されたまま、ハーデスはうろたえ始めた。


「わ、わわ、我に意見を求めるの!?」


「当然です! 旦那様、あの子と面識あるんですから! どっちが正しいのか言ってください! ま、もちろん私でしょうけど?」


「う、うう……」


 あまりにも恐ろしい選択である。

 ペルセポネを裏切るのはもちろん、アプロディテだって敵に回せばどうなるか。ギリシャの女神はしつこいのがお決まりとも言えるし。

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