迷惑千万な女神たち 3
「ど、どうしたのアプロディテ。我に何の用?」
「んーとですねえ、つまらないことなんですけど、ちょっとお尋ねしたいことがあってー」
柔らかな口調で、アプロディテは唇に手を当てる。
そんな小さな動作なのに、彼女は男を誘う小悪魔に見えた。
まあそれは然るべき感想だろう。美の女神アプロディテ。ローマ神話では、ヴィーナスの名でも呼ばれる女神だ。
その美貌、および男の扱いについては、彼女の右に出る者などいない。
神々の間でも、彼女の人気ぶりは目を見張る。その魅力に抗えるのは、三大処女神と呼ばれるごく一部の神だけだとか何とか。
「ちょっとアプロディテ様? 旦那様に変なことは吹き込まないでくださいね?」
「あらあら、どうしたのペルセポネちゃん。そんなに怒って」
「自分の胸に聞いてください」
「私の胸ー? 女神の中でも一番大きくて、一番形のいい私の巨乳に聞くの?」
「……」
疲れ切ったというか、あきれ果てた表情をペルセポネは浮かべていた。
一方のアプロディテは本気で受け取っているらしく、自分の胸を触ったり揉んでみたりしている。図面としてはかなり卑猥であり、健全な青少年にとっては目の毒だろう。
「……」
「ちょ、ちょっと旦那様!? 何見惚れちゃってるんですか!?」