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ようこそタルタロスへ! 12
「こ、行動って?」
「つまり、地上を永遠の冬にするんです! そして人間を全滅寸前に追い込めば、ゼウス様も焦るに違いありません。そして冥界は人口が増えて豊かに! めでたしめでたしです!」
「いや、それは駄目でしょ!?」
まっとう過ぎる意見だった。
しかしペルセポネは不服のようで、えー、と皺を作っている。
「むむぅ、他に方法はありませんよ? 大丈夫ですっ、人間なんてそのうち増えますから!」
「ひどい発言だなあ……」
「ひ、ひどくないですっ! もし私を批難するなら、旦那様の意見をお聞かせくださいっ!」
「そ、それは……」
オロオロするだけで、何も言えないハーデス。
そんな時だった。
「伯父貴ィ!」
「伯父上ェ!!」
などと。
面倒な甥たちが――軍神アレスと鍛冶神ヘパイストスが、宴会の席を駆け抜けていた。