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ようこそタルタロスへ! 11
宴会は進んでいく。いや、良い方向に歯止めが効かなくなっていく。
隣りにいたクロノスは、大勢のティターン神族と共に飲み比べをしていた。いずれもとんでもない酒豪っぷり。
ハーデス一行は完全に傍観者である。まあ無力で食事にありついている以上、文句は言うまい。
「……しかし、どのタイミングで帰ろうか。我、そろそろゲームがしたくなってきたよ」
「ていうか、ペルセポネ様も地上に返さないとまずいッスよね」
「うん……」
やっぱりハーデスは意気消沈。想定外の再会は、彼も手放したくないらしい。
主人のため、ケルベロスは思案する。なにか良い方法はないだろうか? ペルセポネの母であるデメテルが、きちんと仕事をしてくれればいいのだが……。
しかし、そこには神々の取り決めが関わってくる。変更するにはオリュンポスへ赴き、ゼウスへ直談判するべきなんだろう。
「旦那様、ここは私たちから行動を起こしましょう!」
ケルベロスの考えを代弁するように、ペルセポネが握りこぶしを作って言う。