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第5話 美少女奴隷? うちには置いてないよ

 結論から言ってしまえば、鈴木次郎は英雄であったとしても、ヒーロー足りえなかったのだ。例え、その身を犠牲にして故郷の世界を守り切ったとしても。


 次郎が召喚されてから三か月ほど経ったある日の事だった。

 その時、次郎は世界最大の軍事国家に追われていたのだが、同時に、その軍事国家の要人を何人か生け捕りにすることが出来ていた。当初は、指名手配を解除させる口実に過ぎなかったのだが、要人の口を割らせると、驚くべき真実が出て来た。

 それが、異世界侵略の計画。

 とある儀式場に、多くの奴隷――戦敗国の人々を生贄に捧げて巨大な『門』を作る計画。肥大し、膨張し過ぎてしまった帝国が、果て無き欲を満たすための計画だった。


 この世界で最大の軍事国家は、その巨大さ故にもう自重に耐えきれず、瓦解するしかない。それを避けるために、異世界へと戦火の矛先を向けたのだった。荒唐無稽な計画だったのかもしれない。だが、次郎の母に、その姪と、二人も同じ世界に『門』を繋げてしまったのだから、作戦に成功確率を生み出してしまった。

 成功する確率が僅かながらにあるのなら、後はそれを成功するまで繰り返すのみ。


 そうして都合百二十二回目の虐殺の末、その軍事国家はやっと巨大な『門』を安定させることが出来たのだった。


「生憎、ここは貴様らの通る場所じゃない――――疾く帰れ」


 そこに立ちふさがったのが、鈴木次郎である。

 次郎は三か月の時間と研鑽を経て、元の男子中学生とは比べ物にならないほどの殺戮者に変貌していた。


 上手く肉を切り、骨を断つ切り方はもうとっくに覚えていた。

 魔法と呼ばれる殺戮手段も、見様見真似で身に着けた。

 体の再生力は既に、怪物と呼ばれても過言では無いほどに。


 だが、人外の戦闘力を持とうとも、次郎は一人。

 見てくれは、まだ成長しきっていないただの子供である。英雄譚の如く、精悍な顔つきか、あるいは恐ろしい三白眼でもあれば別だっただろうが、立ちふさがったのは冴えない顔つきの少年。


 だから、軍隊は止まるわけが無かったし、止められるわけが無かった。

 冴えない顔つきの中に埋め込まれた、淀んだ両眼に気付ければ……あるいは、被害は半分ほどで済んでいたかもしれないのに。


「貴様らの考えは分かった。ならば、仕方ない。殺戮を始めよう」


 こうして、七日七晩続いた戦争が幕を開けた。

 否、七日七晩で終わらせてしまう、戦争が始まってしまったのである。

 きっと、その軍隊を指揮していた者は信じられなかったに違いない。

 最初はただ、ちょっと手ごわい程度の相手だった。時間はかかるが、百人程度囲んで殺してやれば、問題ない程度の。


 だが、その百人が全て殺されてしまったあたりで、何かがおかしくなっていく。

 指揮者は苛立ち交じりに次々と雑兵を次郎に当てた。こんなところで、名のある武人を消費するわけには行かないからだった。

 千人を切り殺されたところで、その指揮官は部下によって殺された。珍しくも無い。偶然、上官に当たる流れ弾など、戦場にとっては珍しくもなんともない。


 その異世界の軍隊は、王道的な、中世ヨーロッパに似た世界観の装備だった。けれど、一部は次郎の元居た世界を凌駕するほどの、高度な技術力を持っていた。

 それが、魔法。

 科学とは異なる原理で稼働させる世界補足にして、人類の発展手段。

 その魔法の中には、いわゆる銃器に値する武器を製造する技術も含まれており……詰まるところ、軍隊は次郎相手に本気を出したのである。

 数での圧殺ではなく、遠距離からの最新鋭兵器による銃殺。

 これが、新しい指揮官の出した結論だった。


 そしてそれは間違いでは無かった。遠距離から無数に放たれた銃弾は、容赦なく次郎の体を食い破り、膝を着かせることに成功したのだから。


「ああ、そういうのもあるのか。なら、手加減は無用だったな」


 間違いでは無かった。

 だが、不死身に近い再生能力を得た次郎を殺すには、まるで足りなかった。

 ライフルや自動小銃に似た兵器の登場に、次郎はついに最後の倫理感を外す。そう、魔法による広域殺戮を開始したのだ。


 と言っても、ド派手な大魔法によって一帯を薙ぎ払うような真似は出来ない。いくら万能であろうとも、そんなことをしてしまったら、まったく間に魔力不足で気絶すること確定だ。


 故に、次郎は、オリジナルの殺戮魔法を使うことにしたのである。

 かつて、次郎の居た世界では使用を禁止された――――『毒ガスによる虐殺兵器』の再現魔法を。

 風を操る魔法により、発生させた毒ガスを瞬く間に軍隊へと行き渡らせる次郎。もちろん、毒ガスは透明かつ、無臭だ。だから、異世界に派遣するはずだった第一陣はこの一撃を持って、全滅してしまったのである。


 文字通りの全滅。

 誰一人生かさない、悪意の毒風によって。


「さぁ、後は時間まで繰り返せばいいだけだ」


 形成された巨大な門は、その巨大さ故に、安定させる術者が居なければ霧散する。

 しかし、完全に霧散しきるには七日間かかってしまった。生憎、門を都合よくどうにかする魔法なんて次郎は知らず、また、その門から故郷に帰ることも出来なかった。


 帰ろうと思えば、帰れたかもしれないが…………大量虐殺した身の上で、どの顔を下げて家に戻れば良かったのだろう?

 だから、次郎は最後まで逃げることなく戦ってしまったのである。

 毒風の魔法が対策されようとも。

 国家戦略級の兵器である『ドラゴン』が現れようとも。

 無類の強さを誇る武人が現れようとも。

 その全てを、己の圧倒的な才能と性能で砕き、誰一人とも門を潜らせることは無かった。

 七日七晩を、たった一人で戦い抜いた。

 次郎が殺した数は、約五万人程度。


 結果、異世界侵略の起点となるはずだった門は完全に消え去った。ついでに、たった一人の人間も退けることのできなかった軍事国家は、その隙を狙った反乱軍によってめでたく革命。もう二度と、異世界侵略などできなくなった。

 ただ、次郎の指名手配は国家を飛び越え、世界全土に広がってしまったのだが。



●●●



 遠い故郷にとっては世界を救った大英雄。

 しかし、誰も知らない。

 近い異郷にとっては、五万人を殺した大虐殺者。


 いや、『魔王』などと、世界の奥地に隠れ住む魔族の教団を差し置いて、そんな称号さえ貰ってしまう始末。もれなく世界全土の指名手配。見つかったら、確実に磔にされ、投石されながらの焼死だろう。


「まぁ、その程度今更俺が死ねるとは思わんが」


 大虐殺の戦争から、さらに三か月が経っていた。

 世界全土で指名手配されていることを知った次郎は、隠者のように暮らすことを選んだ。

 魔物と呼ばれる害獣が多い森に隠れ住み、時々、姿を隠して村に赴く日々。

 それでも、一か月に一度は大移動して、住居を変える。さすがにもう一度、大量虐殺をするのは御免だったからだ。


 己が死ぬぐらいだったら他者を殺すが。

 他者を殺したところで、特別な忌避感を抱かないが。

 それでも、心は疲労してしまう物だと知っていたから。


「しかし、我ながらサバイバルが上手くなったなぁ、うん」


 最初の三か月で、次郎は人の殺し方や自衛手段を覚えた。

 そして、その次の三か月で覚えたのは、原始的なサバイバルだった。

 ろ過機を使えない場所での、水の作り方。

 食べられる野草の見分け方。

 獣の獲り方。

 警戒したまま熟睡する方法。

 現地民との物資の交渉方法。

 次郎は厳しい自然と寄り添い、様々なことを覚えた。

 

 もっとも、次郎の規格外な性能であるならば、適当に野草や生肉を齧っても生き延びられるわけだが、それはガチで獣に堕ちる生き方なのでさすがにやっていない。


「あぁ……腹が減ったな」


 そんな隠者の如き生活をしていたある日の出来事だった。


 次郎はいつも通り、辺境の村で必要とされている物資を、危険な森や山から調達。足元を見られた値段で商人たちと、金銭や物資のやり取りをした後だった。


 足元を見られるのは仕方ない。全身を若草色の外套で纏い、顔を包帯で隠した子供相手に商売してくるだけありがたい物だ。商売とは本来、信頼が重視される物ではあるが、提供する物資が規格外に上等であれば、このように何とか多少の金銭を得ること程度はできるのだった。


「久しぶりに、美味い飯でも、食うか」


 基本的に食事は自炊な次郎であったが、時々、無性に誰かの作った料理を食べたくなる衝動が生まれていた。それは、どれだけ押し殺しても隠し切れない寂しさだったのかもしれない。


 その寂しさを紛らわすために、次郎はコツコツ貯めた金銭で食事を楽しむのだ。

 と言っても、このファンタジー世界の基礎は中世ヨーロッパチックである。つまり、現代日本と比べると、食事がまずい。非常にまずい。まともな水さえ確保するのにも一苦労なレベルで、食事事情が悪かったのだ。魔法を惜しみなく使って作る料理などは、まだいくらかまともな味がしたが、それでも、基本的には『焼く』『煮る』『切る』だけだった。出汁など、旨み成分を使った料理などは、ほとんどない。


 けれど、ほとんどないということは、探せばあるかもしれないということである。辺境の村でも、次郎が『美味しい料理を出す店』を見つけられたように。


「…………鳥の串焼きセット一つと、エールを頼む」

「あいよ」


 次郎が金銭と共に注文すると、不愛想な男の声が返ってくる。

 そこはいわゆる屋台のような場所だった。

 簡素な屋根と調理場の付いた所で、不愛想な中年親父が鳥の肉を焼いている。一応椅子はあるが、基本、足りなくなるので立ち食いになる。料金は割高。冷却魔法なんて使える者はいないので、エールは生温い。

 けれど、


「ああ、うめぇ! 親父ぃ! あんたの串焼きは最高だ!」

「ガチでうめぇ!」

「なんでこんな辺境にいるんだか!」

「もうちょっと行った街で店を出せば、絶対成功するってーのに!」


 それを差し引きして有り余るほどの美味さが、その串焼きにはあった。

 シンプルな岩塩とハーブの味付けは、素朴ながらも力強い味わい。

 加えて、醤油を連想させる光沢のある黒いソース。これをかけられた串焼きは、まさに絶品。現代日本からやって来た次郎の舌を唸らせるほどの美味さなのだ。


 間違いなく、この不愛想で禿げた頭を持つ中年親父は、『旨み』という概念を理解し、扱える料理人だったのだ。


「ごくっ…………はらへった」


 生唾を飲んで、料理を待つ次郎。

 喜色一面にはしゃぐ男どもに、目の前で焼かれる香ばしい肉の匂い。これらが、枯れ果てた次郎の美食感情を呼び覚まし、すきっ腹に効くのである。


「ぐぐぐ…………」


 このままじっと肉を待っていたら、気が狂ってしまいそうなので、仕方なく次郎は周りの談笑に耳を傾けて、時間を潰すことに。


「いやぁ、今年の小麦は豊作で良かった」

「革命したってあの国どうなった?」

「どうにも、こうにも、絶賛内乱中」

「怖いねぇ……アンタもそう思わないかい?」

「うぅ……放っておいてくれ。くそ、どうして僕がこんな目に」

「がつがつがつ……かかかっ! おおい、おかわりをもってくれぇい!」


 ふと、会話の中に次郎の興味を引く物があった。

 それはかつて次郎が戦った国の末路――――ではなく、次郎と似たような不憫オーラ全開の青年の愚痴だった。


「くそ、くそ……オーガ族で一番の猛者を手に入れたはずなのに。大金叩いて手に入れて、これを元に、高級奴隷を扱う良い感じの商人になるはずだったのに」

「うめーなぁ、この串焼き。おう、アンタのそれも寄越せよ、買い主」

「…………はは、まさか、従属の首輪すら聞かない化物だとは思わなかった」


 それは奴隷商人と、その奴隷であるオーガの少年の会話だった。

 どうやら、奴隷商人は大金を使って強力な奴隷を手に入れたのだとか。

 主に戦争に負けた国や、蛮族と呼ばれる者たちは、軍隊によって『奴隷』といて接収され、労働力として扱われることが多い。少なくとも、この世界では。オーガ族という蛮族も、その内の一つであり、巨体と怪力が持ち味の種族だ。特徴としては、ヒューマン……一般的な人間よりも体格が良く、角が生えている。

ただ、それだけなのだが、それだけでも充分差別の対象であり、亜人扱い。主に、奴隷となったオーガ族は下級兵士となって敵軍に突撃させられたり、鉱山などの貴重な労働力として扱われるわけなのだが。


 ごくたまに、並大抵の魔法など受け付けない、強力な魔法耐性を持った個体もいる。そういった個体は、腕力も強く、集落の中ではリーダー的な存在として扱われることが多い。そういったオーガを奴隷すれば、強力な兵士として軍に売ったりできるのだが、


「なんで、従属の首輪……しかも、一等強力な奴が効かないんだ、こいつ!」


 さらに稀なことに、わざと奴隷を装って、食い扶持を得る賢い個体も存在する。

 嘆く奴隷商人の隣で、存分に串焼きとエールを味わっているオーガの少年もそれだ。


「かかかっ! 俺にテメェらヒューマンのなまっちょろい術なんて効くかよ。俺を従属させたかったら、王宮魔術師でも呼ぶんだな」

「だったら何で、最初は僕の命令に従ってたの!?」

「そりゃお前…………上手いこと騙して、俺の食い扶持にするために決まってんだろ? やぁ、ちょっと地元で暴れすぎて追放されていたところだったんでな。ちょうどいいから、奴隷になって、飯でも食おうかと!」

「最低だ! 奴隷商人の僕が言うのも何だけど、最低だ、こいつぅ!」


 奴隷商人の嘆きを聞きながら、次郎は暗い喜びを満たした。

 自業自得で破産する奴隷商人。これ以上、心置きなく愉悦して、不幸を味わえる存在は中々いない。

 どうやら、大量虐殺を経て、次郎の性格は結構歪んでしまったようである。


「くくくく…………」

「おまち」

「おっと、感謝する」


 喉を震わせて含み笑う次郎に、待望の串焼きが差し出される。

 ジュウジュウと、肉汁が染み出る音を掻き鳴らす串焼きは合計六本。三本は塩。三本は特製ソース。これが、基本となる串焼きセットの一人前だ。


「へへへへ……」


 空腹に加えて、極上の料理が目の前に。

 もう支払いは済ませているのだし、遠慮する必要はない。さぁ、存分とこの時だけは、在りし日の美食を思い出して、楽しもう。


「おっと、滑ったぜ。かかかっ!」


 がっしゃん。

 鈍い衝撃と破砕音が、次郎のすぐ左から聞こえた。それと同時に、顔全体にかけられる生温い液体。


「わりぃ、わりぃ! いやぁ、手が滑っちまってよぅ!」


 エールの入ったグラスが、頭部に投げつけられた。投げつけた犯人は、にやにやと人相の顔に笑みで笑みを作ったオーガの少年。

 もちろん、わざとだった。

 このオーガの少年は賢しく、頑強な体を持つ上に、喧嘩好きなのだ。どうにも、

強そうな気配を纏った奴を見かけると、喧嘩を売らずに済めないのである。


「ああ、お前はまたぁ! いいか!? 僕には、僕にだけは迷惑を掛けるなよ!」


 奴隷商人は頭を下げて、へこへこと安全圏まで逃走。

 食事を楽しんでいた男たちは、「喧嘩か? おお? 喧嘩か?」と野次馬根性丸出しだ。当事者二人を囲み、観戦気分。


「…………」


 何時もの事だった。この手の挑発はそれなりに受けるので、次郎は相手にしない方法を良く知っている。適当にあしらって、さっさとその場から立ち去ればいいだけだ。変に悪目立ちして、住居を変えるよりはずっとマシなのだから。


 だが、この時に限り、次郎は本気でブチ切れていた。

 グラスを投げつけられたのはいい。服が汚されたのも、全然気にしない。

 しかし、しかしだ。


「…………ふぅー」


 ぶちまけられたエールと、ガラスの破片によって、折角の串焼きが台無しになったのは別だった。それだけは、美食感情を思い出した次郎にとって、許せるものでは無かった。


「おう? やる気になってくれたか、アンタ! いやいや、最近は腰抜けが多くてよぉ! なかんか俺と戦ってくれる奴が居なかったんだ! やぁ、さっきは悪いことをしたなぁ! でも、仕方ねぇ! オーガの戦士は戦ってこそ、なんだからよぉ!」

「…………」


 なので、次郎は無言かつ無表情でオーガの少年に歩み寄り。


「さぁさぁさぁ! これから血沸き肉躍る戦いを――――」

「うるせぇよ」


 己の怒りに従って、その隙だらけの顎下にアッパーを叩きこんだ。

 ただ、その拳は次郎の思っていた以上に力が籠っていたらしく。オーガの少年はまるで反応も出来ないまま、拳の衝撃によって、真上に弾け飛ぶ。

 そう、垂直方向に二十メートル以上。

 まるで、打ち上げロケットを背中に取り付けられたかのように。


 この時のことを当事者たちは後に、こう語る。


「ついかっとなってやった。後悔も反省もしていない」

「あの時は、ガチで死んで天に召されたかと思ったぜぇ」


 これが、鈴木次郎と茨木羅刹、初めての邂逅だった。


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