表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

最悪の日、ふたたび?


 放課後、あたしは教壇のうえに仁王立ちにたっていた。


 目のまえには、クラスメイトの人だかり。

 その全員が、あたしに視線をそそいでいた。


 以下、略……。


 三週間、やれることはやったと思う。


 自分ではいちおう納得いくものができた。ニセ柏木くんのお墨付きもある。


 ほかの人からどう見えるかはわからないけど、もし認めてもらえなくても、後悔はない。


 ……いや、後悔だらけだよ!


 また失敗したら、今度こそクラスのみんなに合わせる顔がない。

 

 かわりに描いてもらえそうな人も、まだ見つけてないし。


 おねがい、おねがい、いいって言ってください……。


 さいしょに口をひらいたのは、やっぱり谷口さんだった。


「……いいんじゃない?」


 それをきっかけに、みんながざわめきだした。


「かっこいい! しかもちゃんと柏木くんてわかるし」

「たった三週間でここまで変わるもんなんだ」


「正直、こんなにうまくなると思わなかったよ」


 そう言ってくれたのは、このあいだ悪口を言ってたあの子だった。


 聞こえてくるのはほめ言葉ばかり。

 みんなの表情もこのあいだとは全然ちがって、それがお世辞じゃないってわかる。


 うれしい……。努力すれば報われるって、本当なんだ。

 

 あたしは、教室を見渡した。無意識にコウの姿を探していた。


 コウは、自分の席で、関心なさそうにかばんに教科書をつめてた。

 けど、あたしと目が合うと、にこっと笑ってくれた。


 あたしは笑いかえしてから、自分の肩にかけてあるかばんを見た。なかから、


「よかったな」


 と小さく声が聞こえた。家に帰ったら、思いっきりほめてもらわなくちゃ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ