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ヴェルディア  作者: KY
6/7

第5話 距離

大変遅くなりました!!!

とある個人的な都合により、今になってしまいました。

愁と夏紀は帰宅途中だった。茜色に染まった空を、夕日に輝く川をみて、秋を感じる。彼らは河川敷にある子供たちが遊びまわる公園のベンチに座り、目の前に見える大きな夕日をじっと眺めていた。

「きっと淋しがりやなんだね」

先に口を開いたのは夏紀だった。

「え?」

その言葉に思わず横を見る。すると夕日を見つめたままの彼女が口角をさりげなく上げていた。顔が赤く見える。夕日のせいだろうか。愁が彼女に見とれていることを自覚するには時間が短すぎた。

「笠倉くんのこと。あんなふうに草薙くんに突っかかるなんて思ってもみなかったもの」

クスクスと笑いながら愁をみた。彼は豆鉄砲をくらったような顔をしていた。それが夏紀には妙に面白かった。

「如月さんにとっては笑いごとでも、俺には一大事だったんだからね」

頬を膨らませて言う愁の顔を見て夏紀は赤面していた。夕日のせいではないことが分かった。緊張したようにもぞもぞしている。

「……う」

「……!?」

愁は夏紀が不意に呟いた言葉が聞き取れてしまった。そして愁も同じく赤面する。

「わ……私のこと夏紀って呼んで!私も……愁って呼ぶから!!」

「……うん」

“愁”と呼ばれるのはいつ以来だろうか。しかし考えるだけ無駄だ。周りは苗字で呼び合う人ばかりだったから。

「夏紀」

彼にもそれなりの戸惑いはあるものの、抵抗は感じなかった。2人は一緒になって笑った。お互いの距離がつまっていくのを感じる。そして同時に愁はあることに気が付いてしまった。

「それを言うためだけに笠倉君の話を出したのか!!」

「え!?どうしてわかったの!!?」

「内緒だよ」

「なんでよ。教えてくれたっていいじゃない」

そう言い合いながら、再び小さくなった夕日を見つめる。

「夏紀。ありがとう」

「愁?」

夏紀は愁の顔が真剣なことに気が付いた。

「俺……1週間前にこの河川敷で倒れていたんだって。そこを助けられたらしいんだ」

「え……」

彼は深呼吸をした。

「俺、その日は初めての任務だったんだ。でも、この仲間たちがいれば勝てる。俺にもやれるって思ったんだ。でもね……」

彼女の息をのむ音がした。言葉が出てこない。それでも続けるしかなかった。だって今更やめたっていつかは話すと決めていたことだから、結果は変わらない。話すことを拒絶するのどにそう言い聞かせて、言葉を続ける。


「仲間が消えたのは一瞬だったんだ――」

全然進まなくてすみません……

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