-reiga*ⅱ-
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ピピピッと音を立てた目覚まし用のアラーム。現代は本当に凄いと思う。
時を何時までも感じているのは余計に苦しい。
……あぁ、いつの間にか寝てたのか。
ゆっくり体を起こし、ググッと背を伸ばす。窓側からは涼しげな風が入り、カーテンが揺れていた。
キラキラと太陽の光が入り、ガラスの置物が輝く。
綺麗だなぁ、なんて思っていると「零雅ぁ!!」と私の名を呼ぶ声が耳に響いた。
「煩いな……何よ光」
「……テンション低い~っ、みつるくん泣いちゃう~」
そう、この馬鹿が光。極度の“馬鹿”だと思う。でもこれは自他共に認めているわけであって、今更誰も気にしない。
「泣け泣け」
そんな風に光を弄るのは結構楽しい。誰もが思うことな、筈。
私は首を捻りながら光に問うた。
「ねぇ、何の用事なの?態々勝手に女の部屋に入ってきたんだから、それなりの話よね? じゃなかったら……殴る」
「……零雅…怖っ」
「何よ?光」
光は「へ?」と間抜けな声を出す。私はそんな光を睨んだ。全く、自分の言葉にくらい責任を持ってほしいものだ、と思う。
「俺、俺。俺だよ?光じゃなくって俺だから」
「俺俺詐欺かっ!」
……言ってて恥ずかしいとか思わないんだろうか。何言かの台詞に何回“俺”という単語を使うんだか。
そんな私の代わりに突っ込んでくれた初。唯一私が味方につけたい奴である。
「――初かよ~つか魅早うぜぇし」
さっきの俺俺な奴が魅早。
光と初と魅早。大事な私の仲間、皆男だけど…あの頃の私が出会ったのは男ばっかりだったからだ。
こいつ等もまた、私と同じ。背中に大きな傷を…呪いを持っている。
「で、何の用事?皆揃って可笑しいじゃないの」
「……実はよう…」
――何よ、畏まって…。