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色ボケジジイのダンジョン散歩  作者: BANG☆
撃って撃って撃ちまくれ

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第拾伍話 じいさん、特訓に付き合う

明日は分かりませんが今日は投稿出来ました


お暇つぶしにどうぞ

 なんだかんだと揉めはしましたが儂の方針に基づいて(ようや)く特訓は再開ですねぇ・・・いやぁ、自分のスケベ心がまさかこんなに厄介だなんて思っても見ませんでしたよ。


 人生には三つの坂がある。上り坂、下り坂、そしてまさか、なんてね。


 そんなくだらない事を考えていても、こころなしか、二人が儂から距離を置いている様に見えるのが物悲しいと言うかものの(あわ)れと言うか・・・正直な話、自業自得ですねぇ・・・とほほ。


 スパン!むきゅっ。『その調子よ!』 スパン!ぽよん。『頑張って』 スパン!ぽよん。『左手を少し絞ってみましょうか』 スパン!ぽよん。『もう少し右に狙いを定めて』 スパン!むきゅぅ。『あっ、これで倒せたわね!その調子で頑張りましょう!ポチちゃん、次を探してきてくれる?』あぅあぉわぁふ!


 まぁざっとこんな感じで侑花ちゃんは、弓で一歩半のところから的中率四割って的中スキルの重要性が身に沁みますねぇ。それはいいとしてポチは何を嬉しそうにアカリちゃんに顎で使われているのかな?


 幸先よくスキルを三つも貰いながら肝心の的中スキルを持っていなかったってのは、侑花ちゃんも不運だったとしか言えませんねぇ。


 もしかしたらアーチャーが不人気なのって(しょ)(ぱな)に的中スキルが(もら)えないからじゃないのかねぇ。


 (あた)らなければモンスターを倒した時の経験値の分配は起きないでしょうし、モンスターに中らないって事は前衛として働く仲間に対してフレンドリーファイヤーをぶちかましまくるって事を意味してますからねぇ。


 という事は、周りと比べてスキルの上昇が遅れまくり、仲間からのヘイトが溜まりまくって追放まっしぐらってのがアーチャー不遇の正体だってぇのが儂にだって解っちゃいますよねぇ。


「なんで中らないのかなぁ・・・やっぱり才能無いのかなぁ」

「まだ始めたばかりなんだから上手くいかないのは当たり前なのよ?

 こうやって練習をしていけばその内的中スキルも芽生えるだろうからそれまで頑張るだけよ!」

「練習ならいつでもいつまでも付き合えるから気にしなくていいよねぇ。

 こう見えてもダンジョンの中じゃ丈夫なんだからケガするリスクも無いんだし」


 侑花ちゃんが完全に自信を喪失してますねぇ。それをフォローするアカリちゃんも通り一遍の慰めしか出来ないし。


 とはいえ、儂以外じゃこのやり方で育成しようとしても矢傷で死人が出かねないから天職だねぇ。だって儂の防御力は33だからねぇ。あのアホウ(花田)なんて6しかなかったんだからこの距離だとハチの巣、いやこの場合はハリネズミになってても驚きませんからねぇ。


 あとは矢がタダじゃない事と弓を強力にしていく事の困難さをクリアしないとアーチャーから上級職と言われてるスナイパーへの道は厳しい事になるんだろうねぇ。



 一応儂のスペックってぇのは、


  体力 123

  魔力  81

  腕力  65

  防御力 33

  瞬発力 32

  運   13


 という事で体力は即スタミナで常人の12・3倍、魔力は飛ばして腕力なら6・5倍、防御力は3・3倍に瞬発力は3・2倍と言う中々なフィジカルエリートだったりするんですよねぇ。


 侑花ちゃんがレベル1で


  体力   7

  魔力   2

  腕力   4

  防御力  3

  瞬発力  6

  運   11


 でしたからねぇ。単純計算で儂がケガするのは、侑花ちゃんの腕力が武器込みで34にならない限りありえない(ジャージが破れるかは別問題だけどねぇ)から弓が+5だったとしても、もうしばらくはツボ押しの効果しか無いんですよねぇ。


「こう見えてもまだまだお嬢ちゃん(侑花ちゃん)(の攻撃力)よりは丈夫ですからねぇ、どんどん外して儂に中ったところでまだまだ痛くはないですからねぇ。

 もっと練習してアーチャーを無能扱いにする(めくら)どもに目に物を見せてあげましょうかねぇ」

「でもこんな近くで撃ってるのにこんなに中らないのっておかしいんじゃないかな?侑花、抗議しに行く!」


 どこに?突っ込みたいけどアカリちゃんが(にら)むので黙っときましょうかねぇ。


「あら、ジョークが出る位調子が上がってきたみたいね。でもただ根を詰めるだけじゃ身体が持たないんじゃないかな?あなたはちゃんと休憩を取る事も集中力を維持する為には必要だと思うの。

 という事で侑花ちゃん、イチじいさん、そろそろお昼にしませんか?」


 おぉ、もうそういう時間になりましたかねぇ。という事は3時間打ちっぱなしだった訳ですかねぇ?


 って言いますかねぇ、その距離感は何ですか?


 儂の眼を避けるかのようにささっと散らばる矢を搔き集め、尊い犠牲となったスライムたちの魔石(石と言うより砂)を詰めた小瓶をひったくるように拾い上げるとそそくさと足早にゲートへと向かう二人。


 そこに儂を待つという選択肢は無いんですかねぇ?


 確かに鼻の下を伸ばしていたのは儂の方ですから文句は言えないんですけどねぇ・・・もうちょっと年寄りに優しくしようとか思いませんかねぇ?


 それにしても、置いてきぼりを喰わされてもどこに文句を言える当てもなく年寄り一人とぼとぼとゲートへと戻る儂をよそに、ポチは何かと落ち込む侑花ちゃんにぴったりと寄り添ってモフモフされながら最大限に尻尾を振ってご機嫌を取ってますねぇ・・・そりゃあまぁフォローはしなきゃいけませんけどねぇ、この裏切り者め。


 タマ、お前だけは!と思っているのにお前ときたら儂の腕を振り解きその辺のスライムに(たわむ)れに狩りを仕掛けながらまだ欠伸をするんですねぇ・・・儂と何十年付き合いがあるか解ってますかねぇ?


 ポチもタマも儂の眷属と言うか相棒と言うかそう言う立場なのは解ってますよねぇ?


「お前たち、儂を(ないがし)ろにしてていいんですかねぇ?」


 遥か向こうに行っているポチの背中がビクッと跳ねあがり尻尾が一瞬股間に巻き込んでましたねぇ、ほんの一瞬だけだったですけど。


 タマはと言うと儂の方をチラッと見て大欠伸(あくび)をしてそっぽを向いて終わりですか・・・舐めてますねぇ。

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