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13:要塞ブラン城

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason3ー余燼(よじん)が燻る編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。


エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!

城下町からブラン城方面へ石畳をしばらく上っていくと砂利の山道に変わる。そしてブラン城が聳えている山の麓に目立たない検問所のように見える兵士の詰め所があるのだ。どう見てもその詰め所はその先の城への山道の検問所であり他の機能があるようには見えない。


そんな見え方の中で3人は検問所を通過し建物の奥に入っていくと洞窟があった。その暗い洞窟をさらに歩いていくと突き当たりにエレベーターが一機あり、そのエレベーターに乗るとブラン城の城門前まで上がれるのだ。


トランシルバニア山脈のモルドヴィアヌ山頂付近に建立されたこの城は、中世時代に作られた城址の上に20世紀の技術の推を集めて建設された荘厳な名城である。そのため4方面を急な斜面の城壁で構成し敵攻撃を防ぐシールドが敷かれている。よってこの城を登ることは不可能であった。


それにプラスし城壁の10階層には相当数のパワードマシンガンが配置されている。また城の天守閣のテラスには4方向に対空砲を兼ねたレーザーキャノンの台座も設置されていた。また、未確認ではあるが、昔々から使用されていた古風な投石器も随所にありいざという時には使用できる状態にあるという。


そういった城壁に囲まれた中庭は見た目鑑賞用のシンプルなガーデンではあるものの、ドローン用ポートもあり彼女らのEBS6体は目立たないようにその場所に格納されているのだ。さらに未だ使用されたことはないようであるが、山腹には5基のスカッドミサイルが隠されているというような鉄壁の守りである。


リンダが、「しかし城下町からブラン城までは意外と近かったわね!やっぱりあのエレベーターの存在は凄いわね!しかもこの城の防御も完璧じゃない?」と感心していると、シノは「中世の歴史でかつてここの城主は攻めてくる膨大な数のトルコ兵から命がけで守ったと学びましたよ。なんか彼の霊がここに鎮座しているような気がしますわ。なぜか城の外では怒りを城の内部では逆に安心感を覚える不思議な場所ですね。」とスピリチュアルな感想を述べた。


その頃ヨーロッパ側のイスタンブールはアラブ連合に包囲され無条件降伏を迫られたが、それに反対する武闘派達が抵抗を試みていた。しかしながら圧倒的な兵力の差で武闘派は一掃され完全にアラブ連合の占領下となってしまっていた。そして、この裕福な国際都市を手中に収めたアラブ連合はヨーロッパへの足がかりができたことにより浮き足だっていた。


街中では兵士や冒険者達が店を強奪したり婦女暴行を行ったりとやりたい放題であり、軍部はそれを見てみぬふりをしている。逆にこれから占領す他の都市への見せしめになると考えているからだ。しかしこんな悲惨なことは地球の長い歴史上戦争の常套手段となっているのだ。いつの時代でのどの場所でも人間の強欲は凄まじいものである。


現在アラブ連合はこの都市を掌握するためにエブラヒム将軍配下の士官を数名置き対処している最中である。BS以外のアラブ連合通常兵器は、ガンバギー100台、レーザーキャノンタンク100台、ガンドローン100機を誇り、その操縦に必要な兵士は総勢500人はいるのであるが、この場所に駐屯する兵士はガンバギー・レーザーキャノンタンク・ガンドローンそれぞれ20を置くことになった。残された兵力としては100人規模である。


一方アラブ軍本隊一行は国土の大半を占める山がちの地形を避けブルガリアの海沿いの平地を進行している。ブルガス黒海沿岸を通過してからバルカン山脈の東端を通る街道を北上し、ルーマニア公国国境沿いのルーセに向けて進軍していた。


そして、その情報がヴラディミル王子にも入ってきていた。その頃彼はドナウ川付近にあるこの界隈での大都市であり東のパリとも謳われているブカレストに滞在中であった。そして斥候からはアラブ連合の兵力は、EBS30、ES50、ガンバギー80、レーザーキャノンタンク80、ガンドローン80と報告された。日本からのレーザーキャノンタンクは今週到着する予定だが、それが遅れると致命傷となるため王子はヤキモキしながら待っている状態なのである。


彼は15世紀後半にブラド公が建てたと言われる市内の質素ではあるが歴史的に有名な王宮に滞在している。ブカレスト自体はルーマニア公国の首都として栄えており、新古典主義やアール・ヌーヴォー様式の建築物が混在する小パリとも言われている都市である。


ここは彼の縁戚であるルーマニア伯が統治しており手勢の軍隊で市内の軍備を固めてはいるものの、アラブ連合の攻撃に遭えば抵抗できる術はない状態であった。町を見渡すとアイコニックで綺麗な建築物も多く存在し様々な歴史が詰まっている。また都市としてもとても活気がある国際都市の1つであるため、散策していても興味が尽きないのである。そのため、彼は『この町は奴らにあげるわけにはいかない!!』と強く思っていた。


『奴らはルーセから川を渡り、まずはこのブカレスト目掛けて攻めてくるだろう!その手前で何がなんでも食い止めなければならぬ!!』と。 実際ブカレストを取られるとワラキアは敵の手中に落ちウクライナにも侵攻可能となるのだった。つまりレーザーキャノンタンクはこの街の守護神となるのである。


そして、アラブ連合軍はバルカン山脈を超えて緑の大地であるドナウ平原を疾走中である。広大でなだらかな美しい緑の大地を汚しながら我が物顔で進行しているのだ。 そんな中、車中で味方の斥候からエブラヒム将軍は連絡を受けていた。


「そうか!敵の姿がまだ見えないか!? スロバキア王国は何をやっているのだろうか?怖気付いて早くも降伏か? とりあえずまずはドナウを渡ってあの美しいブカレストを占領するぞ!」と意気込んでいた。


「しかし、このドナウ平原は夏はものすごく暑いのう! 景色的には素晴らしいところだが、あまり長居はしたくないところだのう。」と将軍が呑気に独り言を言っていると、隣に乗車している大佐が、「将軍、我々とあのアンドロイド達の主従関係は今後どのようになるのでしょうか?」と聞いてきた。


「あいつらは、アンドロイドのくせに交渉が上手で最高指導者に取り入っておるのだ。今や国は奴らの言いなりじゃ。我々の社会はいわば男尊女卑。その価値観が奴らと合ったとか!? 我々はあいつらが攻め落としていく都市をただただ掌握していけばいいのだ。あまり複雑なことは考えるな! まあ最前線に出ずに済むからよかろう。」と諌めていた。


こんな将軍のような“寄らば大樹の影”的な役職の奴らが多数を占める中、『メイルアンドロイド達はアラブ連合の最高指導者と繋がり、奴らが戦うことにより領土を広げていった最大国土を最終的には乗っ取ろうと言うことなのか?』という危機感を持っている指導者も中には存在するようだ。


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