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2:2人のスパイミッション

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason3ー余燼(よじん)が燻る編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。


エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!

そして、陸地での移動用にハナのオフロードバイクも積んで、2人は早速ブライアンらの海賊船で旅だった。


「リンダとハナのコンビっておもしれーな! まあ、なんか不思議と冒険者に見えるぜ!」と言ってブライアン達がおちょくりながら笑っている。

「そりゃそうだろ!私ら正真正銘の冒険者だったんだからな。ほんとジュリアに拾われてよかったわ。あのままだったら自暴自棄になって今頃お陀仏だったかもだね。」とリンダが言った。


「私はリンダ姉さんと一緒に冒険ができると思うと興奮しまくりですよ〜」といつものように能天気な様子である。

こんな風に2人はどうでもいい世間話をしながら海賊のおじさん達と快適に1泊この豪華船であーだこーだお笑いネタを言いながら過ごしていた。


海賊のボス、ブライアン的にはこの男まさりのリンダが気に入ったようだ。

「リンダ、俺はお前みたいなイキがいい女が結構好きだぜ!気が向いたらいつでも相手してやるぜ!」と笑いながら言っている。

「あんたみたいなオッサンには私はハードすぎるわよ!」と言いながら、リンダ的にもブライアンのラギッドな風貌とキャラクターは嫌いではない様子であった。この後2人はブライアンのキャプテンルームに消えて行った。

 

翌朝、エーゲ海を抜けてトルコ領内のイズミルに到着した。イズミルは深い歴史があり、紀元前8世紀にはイオニア連盟の主要都市となっておりヘレニズム・ローマ・ビザンチン時代の歴史や文化にも触れられる今に残る歴史スポットなのである。船はイズミルのランドマークとしての時計台があるコナック広場に隣接した桟橋に、今回は商業船にカモフラージュして到着した。かつては素晴らしいビーチリゾートだったのだが今でもその面影は少し残っていた。


2人は海賊のおじさん達に一旦お別れを言い早速ハナのバイクで上陸した。しかし運転しているのはリンダだ。ハナの後ろに乗るのは彼女の美学的に許されないのだとか。広場を抜けて行くと16世紀にできたヒサールモスクが見えてきた。『そうだ、ここはギリシャのように見えるがトルコなんだ!』と今更ながら気づいた。


そして2人はコナック広場からアゴラ遺跡方面に広がる活気ある下町に入ってきた。そこには17世紀から始まった大きなバザールがあるのだ。

「ここら辺で降りてブランチでもする?」とリンダが言うと、

「わかりました!姉様 なんか美味しそうなものいっぱいありますね〜 いい匂いがしていますよ〜」とバイクを停めて路上のカフェに入った。


メニューを見たが言葉が全くわからないため周りを見渡している。オーダーをとりに来たのでアレとコレと指差しでオーダーしたのだった。暫くすると料理が運ばれてきた。トルコ風のミニハンバーグとムール貝のピラフ詰めそしてデザートにドライイチジクである。それにトルコと言えばという感じで特産物のワインもついてきたのだった。 


「へえーうまそうじゃない!トルコってやっぱり地中海の国だからメディテレニアンフードてことなんだね。私こういうの大好きだわ!」とリンダが言った。

特産物のワインは白なのか赤なのかわからないような薄い琥珀色で味も中間のため意外と料理にマッチしているのである。周りは賑やかで色々な言葉と会話が聞こえて来ているのだが、彼女らがわかる言葉でも会話が聞こえてきた。


「ブルサに行くのかい?すごいぜ!アラブ連合軍が集結していてものすごいことになってるらしいぜ!俺はコレからいくんだけどよ。冒険者でも戦力になれればすげえ報酬で雇われるんだぜ!ただ、模擬戦で軍の士官と戦って勝たないとダメらしいんだけどな。お前も行くか?」という会話が聞こえてきたのだ。その会話に耳をそばだてていたリンダが割って入った。


「それって、ブルサのどこに行けばいいんだい?」

「おー 姉ちゃんたちもやるのかい?」

「だって、金いいんだろ!?」

「ああ。でも戦争だぜ。雇われたとしても俺らは歩兵だから命の保障がないらしいぜ。だから報酬がいいのさ!生き残って戻れればだけどな。」

「承知の上だ!」と答えると、

「ブルサ付近にいくと、どでかいロボットがいくつも並んでるのが見えてくるから、そのあたりに冒険者用登録のテントがあるらしいぜ。そこで登録すればあとは軍が仕切るとのことだよ。」

「それってトルコ軍なのか?」

「聞くところによるとトルコ・アラビア連合のアラブ連合軍らしいんだがイスタンブールを奪還するとか言ってたぜ。」


この世界ではイスタンブールは中立都市国家となっており独自に自治を行っている中立地帯なのである。という情報をゲットしたので、2人は急ぎオフロードバイクでブルサに向かうことにした。内陸に向かって砂塵を上げながら猛スピードで砂漠を突っ切っている。ここまま行けば夕暮れ前につけるであろう。


そろそろお尻が痛くなってきた頃でもあり、やっと全方にバトルスーツが壮観に並んでいるの姿が見えてきた。アラブ連合のBS軍団だ。するとあの男が言ったようにテントがあり冒険者らしき者達が列を作って並んでいるので、2人もバイクを停めてその列に加わった。


「君たち女性だが冒険者ギルドの会員証はあるか?」と官憲が聞いてきたので、無言でそそくさと見せたところ、「命の保障はないし、報酬も終わった後になるがそれでも承諾するか?」と聞かれた。一応確認のために「どことどう戦うんだ?」と聞いたところ、「我々はイスタンブールを奪還して異教徒との聖戦を行うのだ!お前らは歩兵もしくはバギーに乗っての戦闘になる予定だ。それでよければここにサインして、帰還するまでギルドのメンバー証を預かる。」ということなのだが、ギルドのメンバー証もまあどうにか再発行は可能だろうと思い偵察任務のために2人は手続きをしたのだった。


「よし!では、よろしく頼むぞ!あっちのテントが女性用冒険者テントだから今日はそこに泊まってくれ!明日の朝資格模擬戦があるから。」と言って指を差した。


2人はバイクと荷物を持ってアラブ風テントに向かい中に入って行った。砂漠用のかなり広い頑丈なテントであったが、中は女性冒険者で溢れており思い思いに場所を取ってシュラフを広げている光景が飛び込んできた。ここは不思議と賑やかで活気に溢れていた。


リンダはその光景を見て自分の冒険者時代と重ね合わせて懐かしさが込み上げてきたのだった。そして、同時にこいつらを殺したくないとも思った。2人は簡単な夜食をもらって空いているスペースに場所を取りシュラフを広げてくつろぐことにした。


「姉様、ここはここですごいですね。こんなに女の冒険者がいたんですね!?驚きです!」と 珍しくハナが圧倒されながら言った。

「まあそうだが、こいつらと戦いたくはないよな・・・どうにかできないものかな・・・」

「そうですね、私も何か考えてみます。」とハナも感じているようだ。

とは言いながら、バイクの移動で疲れたのか2人はそのままの状態で寝入ってしまった。


翌朝になり一同が集められた。どうやら今から武術レベルの確認のための軍士官との模擬戦があるようだ。


まず、ハナの番が来た。彼女はガンタイプなので、彼女の手持ちの小型シールドとブラスターマシンガンの威力をミニマムにして、相手の士官はプロテクトボディを着用しての模擬戦となった。相手はサーベルとシールドを持っている。


『ピー!』と言う笛が鳴った。距離は10mぐらいの位置から士官の男は『なんだ小娘が!』と言う感じでサーベルを振り上げながら突進してきている。ハナはそれをシールドで受けて、同時にガンを数発撃った。それを士官が大きめのシールドで防いでいる。二人はお互い後方に飛んでそれぞれ体勢を立て直した。また士官はサーベルを大きく振り上げナハめがけて突進してきたところ、ハナはその攻撃をシールドで防ぐ素振りを見せながら急遽機敏にそのサーベルを避けて素早く右に回り込んでいた。彼は力一杯サーベルを振り下ろしたため、避けられたことにより空振りで前にのめりこむ状態になってバランスを崩してしまった。そこを左に旋回していたハナがブラスターガンを数発お見舞して勝負はあった。彼女は機敏性と戦闘での駆け引きに秀でているようだ。続いてベテランのリンダであるが、言うまでもなく2刀流の双剣で戦い難なく勝利した。


こうして結果約半分が脱落しもちろんリンダとハナは採用されたのだ。するとその士官のところに他の軍人とは違ったアーマーを着用している体格がいい男が現れた。どうやら彼の上司のようである。その士官は採用人数を報告しているようであるが、リンダはその上官の何となくぎこちない不自然な動きに気がついた。そう、この前のメイルアンドロイド戦で奴らの動作は記憶済みなのである。


「ちょっと、ハナ!あの偉そうな男の動きどう思う?」と第三者の意見を聞いて確かめようと思い聞いてみた。

ハナは、「うーん、動きがなんとなく変ですね。なんでですか?」と。

「あれが、アンドロイドなんだよ。てことは、この軍隊はアンドロイド達に牛耳られているのか?それとも国家自体が奴らに何かしらの策で奪われしまったのかってとこだな。」と思った。


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