47:変な娘登場〈Season2 ラストエピソード〉
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
エッセイも始めました!!
その他 カテゴリー の エッセイに不定期に投稿していきます!
和やかな雰囲気で今夜も焚き火を囲んで雑談をしていると、彼らが出てきたセバストポリの方角からエンジン音と共にバイクのヘッドライトが近づいてくるのが見えた。
「なんだ、あれは?」とリンダが最初に気がついたのだった。
ジュリアが、「何かの追っ手かもしれないから、みんな武器を持って装甲車の影に隠れましょう!」と号令した。そして暗闇にそのオフロードバイクがエンジン音と共に現れた。ライダーが一人バイクを降りてヘルメットを脱ぎ、焚き火の炎に照らされた細身の女性のシルエットが浮かんだ。
「あれ、みなさん!どこですか〜 私は怪しいものではありませんよ〜 出てきてくださーい!みなさんを追ってここまでやってきました。ギルドであなた方のことを聞いたのでーす。」と声をかけている。
まず、リンダが姿を現して、「お前は何者だ?」と聞いた。
「私はガンマン、いや、ガンガールです。皆さんの素晴らしいご活躍をお聞きして、是非ともあなた方のパーティーに入れてもらえないかと思い馳せ参じました。」
「はあ、厚かましいやつだな!」とリンダが答え、「武器に手を触れずに顔がよく見えるように焚き火の前に出てこい!」と指示を出した。彼女は言われたように焚き火に近づいたところで、ヒデがパワーライトで彼女を照らした。
細身の黒髪のボブでライダースーツのようなブラックアーマーを着用している。よく見ると身長160強ぐらいの東洋系の女性であった。ライトで顔もよく見ることができたのだが、エモな丸顔の可愛い女の子であった。
「私は今まで、ソロでやっておりましたが、あなた方のパーティーにはガンマンが居てもいいのかな!?と勝手に思って押しかけてしまいましたー!どうか、お許しを!」と平常心で言っている。このジュリアのパーティーに単身乗り込んで直訴するなんて度胸が座っているに違いない。
「私〜 あの〜アニメファンでして、この前のユーラシア戦をアニメ放送で観ていたのです。そしたら、めっぽう強い綺麗なお姉様が出てきて、私、エモなんで早々にノックアウトされてしまいました〜 もうジュリアさんLOVEなのです!!それからはずっと心の中で推しとしてお慕い続けて、たまたまここのギルドにいたところ、なんとそのジュリア姫本人がギルドから出て行く神々しいいお姿を拝見しまったじゃないですか!?おったまげです!! ギルドマスターにことの始終をお話しして、こちらに向かった次第であります。」
リンダが、「あんた、面白い子ね!子供ぽく見えるけど歳はいくつ?」
「よくそう言われますが、れっきとした20歳なのです。ここでもお・と・なですよ!」
ジュリアが姿を現して、「わかったわ。あなたお名前は?」と聞いた。
「わー ジュリア姫!!実物ですね!? 感激〜 ついにお会いできましたよ〜 私 LOVE,LOVE ,LOVEなのです!」と言いながら聞かれたことはそっちのけで、体をドタバタさせて、まるでアイドルの追っかけのようなポーズで彼女の瞳はキラキラと輝いていた。
「で、お名前は?」
「あっ すいません!ついつい取り乱してしまいまして・・・名前ですね、ハナと申します!源氏名のように思われますが、これ本名なのです。よろしくお願い致します!」
敵ではないと判断し、全員姿を現した。
アドラーが早速、「お嬢ちゃん、面白い娘だね〜!どこからきたの?」とまるで子供に話しかけるが如く聞いている。
「はっ、おじさま! どこからきたのか・・・セバストポリからきたのでありますが、その前はロシアにおりました、その前は南アメリカを放浪しておりました。出身はそこになります。母が日系なのです。」と逆時系列的に説明しているようだ。
マルクが、「まあ、敵ではなさそうですし、折角僕らを追ってきてくれたことでもありますし、我々の宴に招待しましょうよ!」と持ち前の優しさを発揮してみんなに提案した。
すると、「正確に申しますとジュリア姫を追ってきましたが、まあそれがそう言うことなんだと思います。えっ 宴? 夕食にご招待いただけるのでしょうか?? いや、食事を取る前にギルドを出てきてしまったので、ここまでくるのにお腹が鳴りまくって困っていたところなんです。皆様、本当にありがとうございます!」という感じで真面目な子なのか?ふざけた子なのか判断がつかない様子ではあった。
この一件で焼いていたバーベキューの素材はこげこげになってしまっていた。
ヒデが、「新しい野菜と肉を乗せますね。沢山乗せますのでみんなで摘みましょう!」と初めて口を開いた。そしてセバストポリで仕入れてきた赤ワインをみんなに注いで、「じゃ、なんか不思議なお客さんが来ましたが、カンパーイ!」と言って全員が乾杯した。そしてハナは一気にワインを飲み干し肉をつまんでいる。全く遠慮はしないようだ。
「いやー本当に美味しいです!! 一人でやっていますとこんなもの滅多に食べられません。」と言いながらガッついでいる。不思議な子で、ジュリアが話すと動きが止まり不動となるので緊張しているのだろうか?
「ねえ、ハナちゃん、南アメリカってどこにいたの?」とジュリアが聞くと、畏まった姿勢になり、「はい、ジュリア姫、私を姫のメイドだと思ってくださると幸せです!」と全く聞かれたことと関係ないこと言いながら、「ブラジルというエリアが多かったです。親が殺されてしまったので、母が残してくれたナイフを使いながら生きる為に放浪をしていました。ある時冒険者のパーティーに拾ってもらったので、そこでガンの使い方を練習してパーティーのお役に立てるように頑張ってきました。何年かそのパーティーでファミリーのように一緒に暮らしていたのですが、他のパーティーの不意打ちなのか?私以外は全員殺されてしまったのです・・・私はその時川に水を汲みに行っていたので、幸運にもその不意打ちを免れたのです。戻るとパーティーが持っていた金貨や宝石は盗まれた後で他のメンバー4人はすでに息絶えておりました。復讐しようにも相手がわからず・・・」とどこかでも聞いたような話を言いながら涙が込み上げてきてしまったようだ。
それを真剣に聞いていたマルクが、「へえー南米のブラジルってそんなに物騒なところなんだね!? 冒険者が多いってことはクエストも沢山あるのかな?」と少し話をずらそうとしている。
「はい、無法地帯の土地なので何があっても自己責任なわけです。警察も軍隊もありませんから・・・」
そして「なるほど、大変だったのね〜」とだけ言った。
「ありがとうございます!ジュリア姫!!勿体無いお言葉! 私は姫の双子のソフィア様ほどは強くはありませんが、姫をお守りできる力はあると思っています。ソフィア様と似ている戦闘スタイルですので、マシンガンとナイフ技になります。ナイフ技はもっぱら投げになりますが。スナイパーもソフィア様ほど飛距離はありませんが得意な範疇になります。」と自分の戦闘スタイルを説明し売り込んでいるようだ。
するとリンダが、「とりあえずわかったわ。今日はもう遅いから食べたらここで野宿よ。いいかしら?」と本日のクロージングに持っていった。
朝となり、皆が『この子は信用できるのか?できないのか?もしかしたらジュリアの刺客なのか?』と色々な角度から観察していたのだが夜間は何も起こらなかった。そして、とりあえずポジョニまで連れて行くことにしたのだった。
リンダが「ハナのバイクはこの車の後部ハッチに乗せるね。私達と一緒に乗ろう!」と言って2号車の後部座席に座らせた。そして、一行はポジョニの城に向かったのだった。ハナは疲れていたのだろうか車内ではイビキをかきながら一人爆睡であった。
城に戻った後は、アドラーは王家のお抱え鍛治師となりマルクとヒデは王国の通常業務に戻っていった。そして、リンダはパーティーがやられたためソロ状態になっていたのだが、今回の活躍が評価されてジュリアと共に行動することになったのだった。
二人とも『ハナはどうしようか??』と思っているのだが・・・ リンダに名案があった。
「ねえ!ハナ、私達二人は二人乗りなんでこのモーターグライダーでスペインの海上都市に向かうんだけど、あなたはあのバイクで単独で海上都市にたどり着けるかしら? これが私たちのパーティーに入るための第一関門になるんだけど。やってみる??」と軽く聞いてみた。
「えっ、場所がわかればお安い御用でございます!」と言って興奮している。
「途中、山賊とかも出るけど?」
「全くもって問題ございません!」
ジュリアが、「わかったわ。じゃ、これが地図ね。気をつけてきてね!」ということになり、ジュリアとリンダはモーグラで一足早く戻ることにしたのだった。
そして、彼女らは海上都市に戻ってきた。
ジュリアがソフィアにアンドロイド20体撃破の報告をし、それに貢献してくれたリンダも紹介した。
するとソフィアが、「あら、リンダ、協力してくれて有り難う!ジュリアが認めるんじゃ、早速あなたは私達のファミリーね!今日から私達の部屋の隣を使ってもらっていいわよ。これからジュリアは忙しくなると思うからサポートしてあげてね!」とすんなりファミリーとなってしまった。ジュリアのみならずソフィアのおメガネにもかなったのだろう。
そして、続けてジュリアが、「それと、ソフィア、なんか私の追っかけとかいう変な女の子が後からバイクでくると思うんだけど、今のところよくわからないからスロバキアからここまで一人で来る入門課題を与えたの。もし予定通りにきた場合は評価してあげて!」と追記の話をした。
ジュリアは、早速ファミリーメンバーを紹介した。イメルダ、ガルシア達だ。リンダはもちろん似たようなタイプなので彼らにいきなり意気投合しているようだ。
リンダが、「ジュリア、ここって本当にいいところね!!私、仲間を失ったと思ったら、今度は新しい仲間ができて本当に幸せだわ!これもあなたのお陰ね!! 一生感謝するわ。あたなが行くところにどこにでも私はついて行くからね!」とすでに主従関係が出来上がっていた。かくしてリンダはここではジュリアの副官として防衛と公安を担当することになった。ジュリアより体格が良く押し出しが強いブロンドなので見た目の迫力がある。対男性にも効果が高いと予想されるのだ。
すでにこのビーチは放射能除去装置により空気と海水が浄化されており、浮島のビーチでは泳げるようになっていた。ジュリアとリンダは遠征の疲れを癒すために水着になってしばしの休息を楽しんでいた。ジュリアはいつものコバルトブルーのワンピースにリンダはブラウンのビキニだ。そして二人はビーチベッドを2つ並べパラソルを立てて地中海を眺めながらカクテルを飲んでいたのだが・・・すでに意識は遠くの世界に行っているようだ。
そんなゆったりとした時間の流れの中、『バタバタバタ』という音が近づいてくるのに二人は気がついた。顔をあげてその音の方向を見てみると・・・なんとあのハナが走って近づいてきているのだった。
「ジュリア姫〜 到着いたしました〜!!浮島のビーチにいらっしゃるとお聞きしましたので馳せ参じました!」と言ってジュリアの正面に正座をした。
「おっ ハナね! ついたのね? 第一関門突破ね! おめでとう!!」
「じゃ、次は第二関門があるのよ。私の親友のリンダはあなたの先輩というかお姉さんに当たるから、まずはしばらくリンダの言うことに従って欲しいの。次もできるかしら?」とリンダに投げた。
するとハナは、「わかりました!リンダさんもカッコいいので姫様の次に大好きです。では、ご命令の通り、今からリンダさんをお姉様と仰ぐように致します。リンダ姉さんこれからよろしくお願いします!」という感じでまんまと振られてしまったのだった。
困ったリンダは、しばらく考えてから、
「ハナ、疲れているだろうから、まずはリーダーのソフィアを探して挨拶してから、荷物をどこかに置かせてもらって・・・その後に水着を買ってここに戻ってきなよ!」と笑顔でオーダーした。
「はい、姉様!わかりました!」と言い走って消えていった。二人はなんとなく面白いキャラクターにクスクスと笑っているようだった。そして末っ子としては悪くない設定だと思っているように見えた。
なんとシーズン2が終わってしまいました。
ここまで読んでいただいた方々有難う御座います!!
そして、「いいね」、「ブックマーク」、評価をしていただいた方々!
本当に有難う御座います!!!
続けていく気力がブーストされます! 感謝 感謝です!!
本来は、ここでプロローグに行くつもりだったのですが…
毎日読んで頂いている方々が週ごとに増えてきていますので、
明日から、まず
シーズン3に行ってみようかと思います!
プロローグは純文学的になるので、しかも上下がありますので、
シーズン4に行く前に
投稿しようかと思います。
また、一昨日から、その他カテゴリーにて、
エッセイも始めました。
エッセイなんて誰も読まないだろうと思い
まずラノベを投稿して行きましたが、
なんと、意外に読んで頂いていて
感激です!
エッセイは僕の呟きみたいなもので、そもそも何か思うと
SNSにアップしていたのですが、
どうせなら文章好きなこのサイトの読者の方のほうがいいか?
と思って始めてみました。
その呟きを小説の中に盛り込んでいます。
是非そちらもお立ち寄り下さい!