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8:オリエンテーリングゲーム

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


実はこのシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズン1が終わった後に公表したいと思います。

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。

翌朝は6時の集合だ。

オリエンテーリングと称し1人ずつ10分間隔で出発し、まずは森の奥深くにある古代からの神社に向かうのである。その神社の正面には薄い絹のように光る神秘的な滝が落ちていると言う。

それは壇鏡の滝と言われている。そして、神社においてあるブラスターガンと小型シールド(ブラスターガンで撃たれた時にその拡散効果があるいわゆる盾)を取得し、また別ルートで迂回するように山中を通ってこの合宿場に戻りゴールインとなるゲームをやることになった。ただ、帰りの山中には国防軍訓連用の仕掛けがある。ブラスターガンを装備したこの島のウルフ型ガードロボットが何台か偵察のために回遊しているのだ。それはガリオンをヒントに開発されたらしい。そしてそのロボットにやられないように、またそのロボットを壊さないようにして戻ってくる所要時間を競うサバイバルゲームとなるのだ。

サバイバルに強いサイボーグのアンドレイからスタートとなった。その後はイメルダ、ソフィア、ガルシア、ジュリア、そして最後にサーシャという順番だ。


要するに、このゲームは、縄張りを持ったウルフロボットが回遊している中、それに見つからないように行動し、見つかって向こうからブラスターガンで攻撃された場合は小型シールドでかわし逃げ切るという内容のものである。

もし危険な状態になってしまった場合のみブラスターガンで撃ちロボットを停止させる(ブラスターガンでの攻撃は一度当たるとロボットの場合一時的に動きが止まる)と言うことになる。

つまり、行動が早くいかに敵の攻撃をうまくかわせるか?がベストタイムを捻出できる肝となるのだ。


アンドレイは巨木の間を飛び移りながら、また気配を隠しながら走り、彼のお家芸のように難なくやりのけた。


そして、イメルダ、ソフィア、ジュリア、サーシャに関しては、4人とも同じように、

可能な限り素早く行動し、ロボットに遭遇してしまってブラスターガンを撃たれた場合もシールドで回避し遂行できた。

このゲームが始まる前からサーシャのジュリアに対するなんとも言えないライバル意識のようなものを他のメンバーも感じ取ることができた。

そのためタイムの結果として、サーシャがジュリアより若干早かったので彼女としては満足げな表情であった。


しかし、このミッションの問題はなんとガルシアだった。

確かに彼が走るのは見たことがない。森の中での行動は体も大きいせいか移動に時間がかかってしまったのだった。そのためウルフロボットにも見つかる可能性が高まり、相手にガンを撃たれた場合はシールドで回避はしたものの、逃げ足が遅いため距離がつまり、やむなくブラスターガンを使用してロボットを停止させなければならなくなってしまったのだった。

このサバイバルゲームの結果としては、本来の戦略では前衛に配置されるアンドレイ+サーシャ、ソフィア+ジュリアの俊敏性は確認された。そもそもガルシアはイメルダと共に

サッカーで言うところのミッドフィルダー的な役割であるため、今のところ攻め込んでの俊敏な接近戦とはなり得ない。逆に、日本の国防軍チームのスナイパーとイメルダのスナイパーを防御する役割でいわば盾となるロールなのでこのゲームではさほど問題にはならなかった。


「いやー ごめん、ごめん!俺 足が遅いから迷惑かけちゃったな〜」と言うことで笑って終わったのだった。


続いて翌日は射撃のテストとなった。

レーザーのスナイパーライフルを使用しての射撃内容となる。

この世界は核戦争後の地下物資の不足から銃弾等のアミニション類を製造できなくなった世界なのである。かろうじて数に限りがあるロケット的な兵器製造の物資は確保できるものの、銃弾のようなものは生産ができない世界になってしまったのだ。そのため実戦では再生エネルギーを使用するブラスターガンやレーザー砲などが主流となっている。

そもそもレーザー砲は実弾とは違い風の影響も受けないし、若干弧を描くような軌道で撃つわけではないため、正確に狙いを定められれば当たることになる。

やはり慣れているイメルダとソフィア満点で同点、続いてサーシャ、ジュリア、アンドレイ、ガルシアの順であった。と言うことは、やはりスナイパーはイメルダで良いという検証となった。また、この競技でもサーシャがジュリアに若干リードしたため得意顔になっていた。


そして次のテストは武器を使用しての格闘テストだ。

これはあくまでも練習試合として完全防備の防具を着用し、武器も気に入ったアイテムの訓練用のものを使用する。つまりフェンシングの試合のように武器が相手の防具に触れると1本となり勝負がつくというルールである。


アンドレイは、ロングソードとシールドの装備

サーシャは、ダガーとシールドの装備

ソフィアは、短剣2つの両手での装備のためシールドはなし

ジュリアは、ロングソードのみの装備

イメルダはアックス(両オノ)とシールドの装備

ガルシアは長槍のみの装備


を選んだ。

ルールとしては殴る蹴るの格闘はありだが、武器で接触をしないと勝負がつかないことになる。

さて、全員が真ん中の緑の草原に集まり生き残りゲームが始まった!

これは見応えがある。


まず最初の脱落者はイメルダで合った。

次はなんとサイボーグであるサーシャが脱落してしまった。

それは同じ戦闘タイプのソフィアと戦って、俊敏さで遅れを取ってしまい短剣で触れられてしまったのだった。サーシャは涙顔である。

そのソフィアも同じサイボーグであるアンドレイのパワーで突かれ脱落してしまった。


残るは、アンドレイとジュリアそしてガルシアの重戦士達である。

これは三つ巴の長期戦となる気配がある。

そうなるとスタミナがものを言ってくるのだが、エンハンストの場合は人間よりも力があり俊敏性がある代償として長時間の継続が難しいのだ。ジュリアとしては早めに決着を付けたいところだ。

そこで彼女は考えた。まず交戦経験のあるガルシアをやっつけてからアンドレイを打つと言う順番だ。


ジュリアは、まずはガルシアにロングソードで挑み、ガルシアも長槍を振り回して応戦してきた。そこに案の定アンドレイも参戦し、ガルシアが気が散ったところを体を前転しながら踏み込みガルシアの胴にロングソードを刺した。そして、間髪をいれずにそのままアンドレイに接近しソードを差し込んだ。アンドレイは、シールドでそれを防ぎ、その盾のせいで視界が塞がれたのであった。

その瞬間である。ジュリアは踏み込んだ逆側に体をスピンさせてロングソードを横方向に振り回しあっと言う間にアンドレイの脇に切り込んだのだった。


これもいつもの如くあっと言う間の瞬間の出来事でみんなが呆気に取られてゲームが終了したのであった。


アンドレイが、「いやー!ジュリア!お見事!!完璧に1本取られたわ。君のスピードには流石の僕でもついていけなかったよ。またお手合わせ願いたいわ。」と言って、悔しいと言うよりは感激の言葉であった。

「今回ので、君がBAになった経緯がよーくわかったよ。このスピードじゃロボットなんかおもちゃ同然だよね・・・」と笑いながら付け加えた。

この光景を見ながらサーシャは怪訝な表情をしている。


またガルシアも「ジュリア、いつもいつも完璧だわ。凄いの一言だよ。完敗完敗。」と負けを素直に認めていた。


続いて、イメルダが、「だから言ったでしょ!彼女は特別だから。でも君らも強かったよ。ジュリアが規格外だと思っていいと思うよ。」と敗北した男2人を慰めていた。


サーシャも「本当にすごかったですわ。目でもついていけなかったわ・・・」と言葉では漏らしていた。


最後にソフィアも、「ジュリアは私の守護神だからね、そう簡単に負けないわよ。」と妹のことながら自慢げの発言であった。


というような諸々の実戦メニューをこなしながら夜は宴会を開き、そうした訓練の3週間があっという間に過ぎていった。そしてこの6人の仲間も徐々に打ち解けていき、今では中の良いグループとなってきたようではあるが、言葉には出さないがサーシャのジュリアに対する感情だけはまだ据え置きのようだ。



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