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42:冒険者酒場にて

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。

3人は観音開きの大きなドアを開けてその酒場に入って行った。すでに中はほぼ満員状態でパーティーごとに、またはパーティー同士で大声で楽しそうに盛り上がっていた。彼らは奥の隅に小さな4人がけのテーブルが残っていたのでそこに腰を下ろした。


すると胸元を強調したセクシーなウェイトレスの女性が注文をとりに来た。いわゆるボンキュッボンだ。「お客さん、新入りかい?見ない顔だね〜 お酒は何がいいかね?」

「じゃ、とりあえずエールをパイントで3杯!」とマルクが注文し、ヒデが、「そこにベーコンとソーセージとチップスもつけてくださーい!」と付け足した。混み合っている時間帯は中々ウェイトレスが追加注文をとりに来てくれないのだという。


「ここすごいわね!まるでアニメで観る異世界の酒場って雰囲気ね!」と言いながらジュリアは目を輝かせている。そうそう体格がいい危なそうな荒くれ者という容姿の男女が溢れているからだ。すでにテーブルにはパンとチーズが乗っているので3人はまずそれをつまみながら他のテーブルの様子を伺っていた。


すると隣のテーブルから例の新しいクエストの話が聞こえてきた。

「あれ、やばいらしいぜ! なんかその見知らぬ男達っていう輩は3人が同じ顔で2人が同じ顔の兄弟みたいな奴ららしいぜ。で、物凄く凶暴で殴られると骨が折れるって噂だぜ!」と1人が言い、もう1人が「官憲が30人で取り押さえようとしたら全員ボコボコにされて殺されてしまったらしいぜ。」と。そしてもう1人も、「で、そいつらなんだけど、セバストポリに自分の国を作ろうとしているらしく、奴隷になるか?殺されるか?選べっていう感じで住民を脅して行っているんだってよ。やべえよな! 俺たちみたいな冒険者がやるクエストじゃねえと思うぜ! 報酬がやたらすごいから何か訳ありだとは思っていたよ。」というような会話であった。


ジュリアは彼らの話に聞き耳を立てていたのだが、そこで料理が運ばれてきた。

「これ、美味しそうね!」と思わずジュリアが反応し、

「そうなんですよ!この国の自慢の自然素材ですよ!」とヒデが嬉しそうに言った。

「じゃ、これからよろしくってことで!」とマルクが陽気に軽く音頭を取って乾杯した。「かんぱーい!!」


3人とも腹が空いていたのか?無言で食べている。

「やっぱり、この生ベーコンも生ソーセージも最高ね!! プロセスされていないところがいいのよね!私の世界でも、」とうっかり言いかけたが、他の2人はジュリアが異世界に住んでいたということは内密にしていたのを思い出し、すかさず「私の国でも好物なのよね!」と言い直した。

「ジュリアさんに喜んでいただけてよかったです!」とヒデも嬉しそうである。


食材の美味しさに夢中になって食べていると、先ほどの隣のパーティーが騒々しくなってきたのに気がついた。そもそもそのテーブルは5人のメンバーがいたのであるが、そこに今1人女性が加わって何やら押し問答になっているようだ。


「お願いだから、私も入るからそのクエストを受けて欲しいんだよね〜 あんたら男でしょ! あの報奨金が欲しいくないの??」と大声で仕掛けているようである。

「だから、あまりにも高すぎてやばいって!! 俺たちも命は欲しいからなー 他を当たってくれよ!」とパーティーのマスターが追い出そうとしているところのようだ。

「他の奴らも図体だけでかい意気地なしでダメなんだよ〜 あんたらもAランクだろ? 私もAだから働きには文句はないと思うよ。」としつこくしがみついているのだった。


見た目は身長170強ぐらいの若干ウエーブ気味のブロンドが目立つ目鼻立ちがハッキリとしたグラマーな威勢の良い女性戦士であった。

するとその中に1人が、「でも、おまえさん、なんで、Aランクなのにパーティーがないんだ?」と聞いた。確かにAランクであるのにパーティーがないというのは不思議である。


「それを聞くかい!? 私らあいつらと戦ったことがあるんだよ。私が一番槍で突っ込んで行ったら、見事に跳ね返されて気を失っている間に他のメンバー3人がやられちまったんだよ・・・だから、あいつらの・・仲間の仇も取りたいんだ。」といきなり暗い表情に変わりテーブルの上に塞ぎ込んでしまった。「5年も一緒にファミリーのように行動してきたのに・・・一瞬で失ってしまった・・・」と今度は泣き始めてしまったのだった。


「それに、あいつら絶対人間じゃないんだ!頑丈なロボットのような、でも見た目は人間そっくり。私の槍も全く歯が立たなかったから絶対に肉体じゃない!一体なんなんだ〜!!」と酔っ払って悔しそうに独り言を言っているのだった。


それを黙って聞いていたジュリアが、「ねえ!そこのあなた!よかったら私達のパーティーに入らない?ちょうど今は1人かけているから。」と驚くことに声をかけたのだった。


「えっ あなた何者? ここらで見ない顔ね!」と少し厳しい視線でジュリアを睨み付けている。「そうよ!私達はスペインから来たのよ。そのロボットみたいな奴らの情報が欲しいわ。あなたはそれ以上何か知っているの?」と彼女の威嚇した視線にも構わずに本題に入っているようだ。この動じない態度のジュリアを見てその女性戦士は表情が変わってきていた。「あっ そう!」と言ってジュリア達のテーブルに近寄ってきて空いているジュリアの横の席に座って、「私はリンダよ。よろしくね!」と軽く挨拶した。


「私はジュリア、そしてマルクにヒデ。もう1人メンバーがいるんだけど、今日はクエストを受けるわけじゃないので欠席。で、あなたが持っているそのロボットとかいう奴らの他の情報はあるの?」とジュリアらしく無駄を省いた内容で話を進めている。


「そうね、まずは私が気を失っているわずか3分ぐらいの間にAランクの冒険者3人の男が殺されてしまったということと・・・私は二刀流の剣で戦うスタイルなんで、それで切り掛かったんだけど、全く奴の腕はびくともしなかったわ。普通の人間じゃありえないことよ! それと、奴らは少なくとも男5人がいて3人の顔がそっくりであと2人の顔もそっくり、だから2種類の顔ってこと。動きがまるで不自然でロボットのようだから私はロボットだと思ったの。」と知っている情報を話し始めた。「それで現地に行けば状況が掴めるんだけど、セバストポリの旧ロシアの領事館に奴らは住んでいてというか占拠していて、付近の人間を襲っては殺すか?奴隷か?の2択の選択をさせているの。だから、今ではそもそもその領事館にいた役人と軍人も含めて50人ぐらいは捕虜でいると思うわ。」


ジュリアが「奴らの武器は?」と聞いたのに対して、

「いろいろだわ。ロングソード、ブラスターマシンガン、レーザーライフルってとこかな? あなた方はこのクエストを受けてくれるの?」と『本当かよ!?』と思いながら確認しているのだった。


ジュリアが他のテーブルに聞こえないように小声になり、

「みんな、よく聞いて欲しいの。ここだけの話なので口外しちゃダメよ!絶対に!約束できるかしら?」と真剣な表情で言っている。

「ええ、いいわよ。」他の2人も「わかりました、ジュリアさん」と答えたため、ジュリアはゆっくりと話し始めた。


「実は、私の役割はそいつらを抹殺することなの。それが私のミッションなのよ。驚かないで欲しいんだけど、奴らはサイボーグなの。実際半年ぐらい前に日本で1体破壊して、スペインで10体破壊したわ。人間の通常兵器では抹殺できない奴らなのよ。」とこの驚くべき事実を説明したところ、リンダは意外にも納得していたのだが、マルクは驚きの表情をしていた。そこでヒデが、「あっ それ、知っていますよ。僕が仕事で日本の湯沢に行く前の出来事で日本政府から聞きました。そしたらその場所で偶然ジュリアさんとお会いしたんですよね!?」とジュリアに目配せしている。


ジュリアはそれを受けて、「そうね、あの時ね! そのアンドロイドが送られてきた場所だったから、後で確認しに行ったのよ。困ったことに神出鬼没なのでどこからやってくるのかが予想がつかないの。しかも奴らは頑強な体でパワーバトルタイプだから、どうにかして首を切断しないと復活してしまうの。」と淡々と説明している。

「なるほど!だから私の剣が全く歯が立たなかったわけね!」とそれを聞いて納得したようであった。


「私のロングソードもそうなんだけど、斬鉄剣がないと奴らは破壊ができないの。そうそうマルク、この街って確かそういった斬鉄剣を作れる技を持っている匠がいるんじゃないかしら? 金属が切断できるものだったらいいのよ。」

「匠ですね!? そうですね。いそうな気がしますね。調べてみましょう。」とマルクが答えた。

「私がメインで戦うから、あなた達には1体でも破壊してもらえると助かるわ。今のところ5体いるのよね?」


この会話を聞いていたマルクも、「わかりました!ジュリアさん!! ジュリアさんのミッションであれば僕も同行します。リンダさんを入れてこの4人でパーティーを組んでクレストを受けましょう!」と力強い決心をしてくれたのだった。

「ヒデは大丈夫なの?」と一般人のヒデに対して命が関わることになることを確認している。

「いや、僕はマルクさんとダチですから、お役に立てるかはわかりませんが同行しますよ!」と言ってくれたのだ。


続けて、ジュリアが、「あいつらはブラスターマシンガンを数発喰らうと一瞬フリーズするから、その瞬間が狙い目なの。だから、ヒデはブラスターマシンガンを撃ってくれさせすればいいわ。」と言うと、ヒデは一応慣れている武器なので少しは安心したような表情に変わっていた。


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