36:そして、アラビアの動き
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
翌朝、ソフィアとガルシア、イメルダが打ち合わせをしているようだ。
「ガルシア、凄いわね!この短期間でここまでこの海上都市を完成させるなんて!ありがとう!!あなたをコンストラクション・ミニスター(建設大臣)に任命するわね!それとイメルダも早速入居者を募ってくれてありがとう!あなたはPRミニスター(広報大臣)ね!これからもよろしくお願いしますね!
それと、イメルダ!そろそろガーキンや浮き輪の中の商業施設になるテナントを募集したいの。それもジュリアと一緒に担当してもらえないかしら?」
「へーいいわよ!それ楽しそうだから!私好みの夜の街にしちゃってもいいのかなー」と冗談ぽく言って笑っていた。
「そういえば、ソフィア!ここに入植してきた俺の仲間が、この前対岸のアフリカに偵察に行ってきたんだが、なんか不穏な動きがあるらしいんだよ。トルコのイスタンブール界隈にトルコ・アラビア連合が集結しているみたいだぜ。」
「なるほど、あり得るわね!今スロバキア以南の東ヨーロッパエリアはユーラシア帝国崩壊後混沌とした情勢不安定な状況なのよ。それに付け込んで領土を拡張しようっていう魂胆なんだと思うわ。ここの海上都市には暫く影響はないとは思うけど、海賊擁護の国だからそれによって増殖していく可能性もあるわね。でも私達と連盟を結んでいるスロバキア王国は対イスラムの要所になっているから何かしらの影響があるでしょうからマルクには知らせておくわ。いずれはヨーロッパ連合はロンダの地下施設にいる軍人達をスロバキア近郊にも駐屯して、イスラム勢力に対峙しないと不利になってくるのかもしれないわね。」とソフィアが言った。
「ディフェンス・ミニスター(防衛大臣)のジュリアとうちの軍備に関しても打ち合わせしておくわ。ガルシア、情報ありがとう!」
ソフィアは早速ジュリアを連れて、マルクとヒデの部屋で打ち合わせ中だ。
ソフィアが、「・・・・と言うことなの。あなたの国に念のために伝えておいてほしいの。 で、ジュリア!ここの防衛はどう考える?」
ジュリアが、「予算が厳しいとは思うけど、まずはガーキンのルーフトップに少なくとも4門のレーザーキャノンが必須よね。ロンダの地下施設の防衛に使っていたようなレーザーキャノンはここでも使えるのかしら?」と聞いた。
ソフィアが、「それは、ガルシアに確認してみるわ。」
続けてジュリアが、「それと、あのEBSはどうなってるのかしら?あれがあれば他は必要ないと思うけど、ただ、問題は海賊ね。私達海で使える兵器はほぼないから。」と言った。
マルクが、「そうですね。我々も海がない国だから海上兵器に関しては開発がないんですよね。ただ、イスラム勢力がスロバキアに迫ってくると大変なので、諸侯に言って王国の南に公国を建国するように持っていきましょう。そうすれば我々の衛星国になるため、奴らも容易には攻め込めないでしょうから。」と彼の戦略を説明した。
ジュリアが、「マルク、その作戦いいわね!今は対ロシアの準備がいらないから南に注力したほうがいいわね。それと、それこそカナダの総司令にお願いしてサブマリーンを数隻回してもらえないかしら? そもそも対ユーラシアの戦力が今となってはほぼ必要がないわけだから。こちらとしては2、3隻あるだけでも牽制できると思うわ。」と提案した。
ソフィアが、「そうよね、ただサブマリーンの操縦は我々にはできないから連合の領土保全という名目でここにサブマリーン基地を造りましょうか? わかったわ。私がカナダにビデオコンファレンスの依頼をかけるわ。それと田辺女史にもEBSの進捗状況を確認しておくわね。」
ということで当座はまとまった。
早速ソフィアはガルシアと一緒にガーキンの底部にサブマリーン基地を増設するプランを考えているところだ。
「そうだな、3機はいけるかな。俺のカナダ支部の例のダチは潜水艦乗りだからこっちに移住してこないか聞いてみるよ。ああいう奴らがいると男どもは盛り上がるからな。」とガルシアは逆に仲間を増やす口実ができて嬉しそうでもある。
また、マルクはマルクで本国とビデオコンファレンスでミーティング中である。まずは第一王子との会話だ。
「兄上、そういう状況なんですよ。諸侯に号令してスロバキア以南の土地に公国を建ててもらうことはできませんか?」
「そうだな、イスラム勢力がこぞってかかってくるといくら精鋭揃いのスロバキアでも重い戦になってしまうな。まあ、それよりも、いくつかの国に分かれて連携を取った方が得策かもな。拠点が増えるので敵の戦力も分散するだろうから。わかった!まずは王に承認してもらい公爵達に動いてもらおう!」ということでまとまったのだった。
またヒデも、ジュリアからの依頼でガーキンのカジノやナイトクラブなどのコマーシャルエリアのコンテンツを揃えるべくして色々なIMIのメンバーと交渉中である。座組としては、コンテンツとして箱に入れ、儲けを売り上げ歩合と家賃そして税金として吸い上げる仕組みにしている。また内装費もある程度自由である代わりに先方持ちである。この地中海エリアにはこんなアミューズメント施設がないため幸いIMIのメンバーも珍しく積極的であった。ここの施設の役割的にはあくまでも中立にして、アフリカ・トルコ・アラビア方面のミリオネアー達を顧客にするのが得策であろう。そこでソフィアに相談である。
「ソフィアさん、色々とIMIのメンバーと交渉していますが商売的にはいい状況です。ただ想定する優良顧客ですが、やはり地理的特性からアフリカ・トルコ・アラビアの富豪がイメージ的に必要になってきます。なので見せかけだけでも中立を保った方が得策なのですがいかがでしょうか?」
「なるほど、そうよね。あくまでも地中海の平和を維持するっていう名目で防衛の軍備を進めましょうか? ヒデ、いいところに気がついたわね!ありがとう!」
と、一気にこのモナキーの方向性も決まっていったのだった。
ソフィアはまた田辺女史とも交信中である。
「EBSの材料で月面や火星でしか手に入らないものがあって、それを0から合成して作っているから時間がかかっているのよ。でも、あと1ヶ月ぐらいでできると思うわ。でも、まずはあなた達ツインズの2機でもいいかしら?他の2機はずっと後になってしまうわね・・・」
あれから時は過ぎ、今は2月、ロンダ地下街からは日に日に移住者が増殖中である。それに比例して浮島の住宅がどんどん増えていっているのが確認できる。様々なマーケットが設置されている浮き輪の中は活性化されメージ通りの街の機能が構築されてきているためツインズは喜んでいる。あとは、将来的にはガーキンの完成を待って盛大なプロモーションを仕掛けることも必要であった。
ソフィアが、「プロモーションね〜 どうしたらいいかしら?」と悩んでいるのだが、ジュリアが、面白いことを言い出した。
「ねえ、ソフィア、折角だからマーケット拡大を視野に入れてもらってサーシャに頼んでみるのはどうなの?正確に言うとルージュ姫だけどね。」
「なるほど!!それ名案ね!プロモーションをかけて貰えれば、ユーラシアから中国以南のアジアにPRが可能ね! それで彼女のマーケットが動けばガーキンがある程度満タンになるだろうし、それがバズれば目的の中東エリアへのPRにもなるわね!さっすがジュリア!! いつもいつも的確ね!!早速サーシャに頼んでみるわ!」
すると、頼まれたサーシャもノリノリであった。
「へー、ソフィアさん、私一度 その海上都市にも行ってみたかったですし、お邪魔して、その劇場とやらでコンサートライブでもやりましょうか?」といった具合だった。
カナダの総司令との交渉も成功した。と言ってもユーラシア帝国を降伏に持っていけたのはソフィアとジュリアのおかげなので断られることはないとは思っていたのだが。ガルシアの根回しもあって彼の友達達も志願してくれたのだった。それも表向きは連合軍ではなく平和維持としての活動となる。1週間後にサブマリーン3隻が到着することになるため、ガーキンの底部の発着ファシリティの増設を急がせた。
また、スロバキア王国の動きとしても、公爵家に領土拡張のチャンスを与えて1ヶ月かけて順調に南下し混沌としているハンガリー・スロベニア・クロアチア・ボスニア・セルビアを統制し幾つかの公国として着々と拡張していっているようである。また国王がアンドレイにも声をかけてロシア圏自治区の増設もウクライナ、ルーマニア、ブルガリアあたりのスラブ民族の土地に建立していっていた。これでユーラシア帝国亡き後に無法地帯となっていた東ヨーロッパの土地に秩序が回復しつつあった。これが安定すればトルコからの勢力の拡張はある程度は封じ込めることができるのだ。
アップ遅れてすいませーん!