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32:ロイヤルファミリー

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。

いきなりマルティン王子が2人に話しかけてきた。「ソフィアさん、ジュリアさん、僕はあなた方のユーラシア帝国戦を観ていましたよ!! かっこよかった〜 僕もあなた方のように強くなりたいと思っています。兄を守らなければならないし。ヒデからパーティー登録の話を聞きましたよ。是非是非参加させてください!」といきなり熱心であった。


彼は身長が175cmぐらいの細マッチョでブラウンの天然ウェーブの髪を真ん中から分けて耳がかぶるぐらいの髪型でいかにもプリンスという雰囲気が醸し出されていた。目はグレーで目鼻立ちが整ったいわゆるイケメンでもある。まずソフィアが反応し「わかりましたが、命の保証は出来かねますよ。王子としてはそれでもいいのですか?」と一旦牽制した。「もちろんです。自分の命は自分で守ります。僕には第二王子として武者修行が必要なんです。それとお二人の剣術も学びたいと思っています。」と答えた。


ジュリアはいつものようにそんな光景を黙って見ている。王子が続けて「では、早速明日朝に街中の冒険者ギルドへ登録に行きましょう。僕は仮名を使ってマルクにしますが、登録が済んだら僕たちはパーティーになるわけなので是非お手合わせをお願いしたいと思っています。」


するとそこに王妃のエヴァが入ってきた。「ソフィアさんジュリアさんお会いできて光栄です。私も強い女性の大ファンなのです。憧れます。ただ立場的にお父様から剣術を習うお許しが出ないので代わりにヨガをやっている次第です。」と彼女も笑顔でフランクに話し始めた。ジュリアが反応し、「私もヨガが好きですよ。心が落ち着いていいですよね。」と反応すると、「えー、ジュリアさんもですか?嬉しい!では、精神が統一できるようにヨガの部屋があるので、ここに滞在中ご一緒に如何ですか?」とお誘いを受けた。近くにいたヒデが寄ってきて、「ジュリアさん、エヴァ姫は本当に良い方なんですよ。私のような一般の外国人でも話相手になってくれたりと好奇心旺盛な姫君なのです。」と会話に割って入ってきた。ジュリアは女性の直観とでもいうのか?ヒデはこの姫に好意があることを感じ取った。


ずっとヒデを観察していたジュリアは、今ではこの世界のヒデはジュリアが愛しているヒデとはちょっと違うように感じ初めていたのだった。最初に会った時に高鳴った心臓の鼓動は『またあのヒデに会えた!』というかつての感動の瞬間の再生であり、ここの世界のヒデから受けるものとは違う虚像だったのだと今では区別ができたるのである。また同時に、同じヒデという器の人間であるにも関わらず、生まれと境遇が変わると、こうも恋愛対象としての印象も違うのかと不思議な心境にもなっていた。でも、まあ、とは言っても嫌いではない好きな範疇に入る男性でもあるし、これから同じパーティーにもなることだしこのままの関係でいることにして心境の変化はソフィアには黙っていたのだった。


そしてふと気がつくと周りはすでにダンスタイムとなっていた。いわゆる中世風の社交ダンスで弦楽四重奏の調べに合わせて貴族達は優雅に踊っている。色々な貴族が2人目掛けて挨拶に来ていたが、なんと、驚くことにヴラディミル王子がジュリアの前に現れダンスに誘ったのであった。「ジュリアさん、一緒に踊っていただけませんか?」 ジュリアは、まさか第一王子が誘いに来るとは露にも思っていなかったため驚きの表情が隠せなかったようだ。「そんなに驚かれなくても」、「いえいえ、私、ダンスをしたことがないのです。」と動揺を隠すために正直に答えた。「では、私が誘導しますので付いてきていただければ大丈夫ですよ。」と笑顔でホールに連れ出し、王子はジュリアの腰に腕を回して踊り始めた。


ジュリアも王子の声に合わせて動き、側から見ていると初心者には見えないような雰囲気となっていた。ジュリアもようやく動きに慣れて音楽に合わせて自然に踊れるようになり時折笑顔が溢れていた。


王子が、「ジュリアさん、私もあの戦いを観ていましたよ。本当にお強いんですね!私も王になるために剣術の修行をしていますが、一度手解きをお願いしたいと思っています。如何ですか?」と言った。ジュリアは、『やっぱり、そうきたか!』と思ったのだが、次期この国の王になる方なので断ることは得策ではないし、逆に懐に入るのもありだと思い「わかりました。その時にお声がけください。」と返事をしておいたのだった。ふと周りを見ると、ソフィアはマルティン王子とヒデはエヴァ姫と踊っている。ソフィアも楽しそうな表情で積極的に踊っているように見える。ヒデとエヴァも嬉しそうは表情で踊っており、やはりジュリアから見ると2人は相思相愛であるが立場の違いが邪魔をしてそれ以上進めない禁じられた状況に思えた。


こうしてこのボールも無事お開きとなり、ソフィアとジュリアも王族にご挨拶をして部屋に戻った。すると例のメイド達がまた待ち構えておりドレスを脱ぐのを手伝ってくれた。ソフィアがついでにという感じで、「ちょっと聞いてもいいですか?」とメイド達に尋ねた。「はい、何なりと。」、「2人の王子とエヴァ姫はどういう方なんですか?人々の評判とか?」と幅広い質問を投げかけてメイド達がどう答えるのか様子をみている。


彼女達は主人である方々に対するコメントはおこがましいという顔をしたのだが、お客様に訊かれているので、「ヴラディミル様は立派はお方です。文武に秀でてらっしゃいまして、民には尊敬されておりまさに次の王と言ったお方です。ただ女性の噂を全く聞かないのです。マルティン様は子供のように明るく活発なお方です。正直な方で民に対しても分け隔てなく付き合ってくださるので特に若い層に人気ですね。エヴァ姫はお綺麗で慎ましいお方なのでまたまた民に大人気です。好奇心旺盛な方なのですが、女性だということもあり王からの縛りも強く自由に活動ができないでストレスが溜まっているようです。」とかろうじて当たり障りがないように答えたようである。


「なるほど、ありがとう。私もそんな感じがしたわ。」とソフィアが反応し、「ところで、あのマルティン王子は女性関係はどうなんですか? 同じパーティーを組むことになるので聞いておきたいとも思って。」と言い訳なのか、本当に必要なのか?が曖昧な質問をした。「マルティン様も女性のお噂が立たないお方ですね。多分まだご興味がおありではないのでは?とメイド達の間では言っております。ただ武芸に関してはお兄様のヴラディミル様と同様に秀でたお方で主に槍と剣を使われます。ヴラディミル様は剣と弓なのです。」


ソフィアが、「なるほど、わかったわ。ありがとう!とても参考になったわ。」と笑顔で感謝している。ツインズは元通りになりやっと生きた心地がしてきた。仕事が終わったメイド達は退出していったが、彼女らはこの一件で疲れ果ててしまったようだ。


「しかし、今日は疲れたわね〜 私、あの第一王子から剣の手合わせをお願いされたのよ。」とジュリアがボソッと言った。

「やっぱり! だっていきなりジュリアをダンスに誘ってたから訳ありだとは

思ったわ。いいんじゃない!第一王子よ!付き合ってみて損はないんじゃないかしら!?」とソフィアが異様に羨ましそうに反応した。


「そういうソフィアも第二王子と楽しそうに踊っているのを私は見たわよ!それにさっきの質問は何?男いるのって聞いているようなもんじゃない!?」

「まあまあ、だって、私は可愛い男が好きじゃない!彼年下で子供ぽくて純粋で可愛いわよ。」とまたいつもの年下可愛い系男子好きな症状が出ていた。


「でも、私は、今のところあの第一王子には興味は湧かないわ。でも繋がっていたほうがいいとは思うの。」とジュリアも正直に答えた。

ソフィアが、「あなたが第二王子に興味がなければ、私はただ普通に仲良くさせてもらうけど!?これからパーティーメンバーにもなるわけだしね。」とジュリアをからかうような視線で仕掛けているようだ。「いいわよ。私は第二王子にも興味なさそうだから。」とソフィアが本当に第二王子に興味があるのか?はわからないがとりあえず許可を与えた形になった。


「それじゃ、やっぱりあなたはこの世界でもヒデがいいのね?」と少し呆れ顔で言った。するとジュリアが「いや、それがね〜 実はここのヒデもちょっと違うかもと思っているの・・・やっぱり世界が違うと同じ人間でも違ってきちゃうのよねって思っていたところよ。ちょっと残念ね〜」とその気持ちをソフィアには隠しておこうと思っていたのだが何故かうっかり漏らしてしまったのだった。


「あなたって、本当に難しい女ね〜 こんなにより取り緑なのにじゃやっぱりあくまでもあのオリジナルのヒデがいいわけね?」と呆れ顔で聞いた。「そうね、今のところそうなるわね〜」と整理しきれてはいないのではあるが少し残念そうな表情でもあった。


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