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31:ボールダンスパーティー

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。

2人にはもちろん初耳ではあったがパーティーメンバー獲得には面白そうなのでパーティー参加を受けることにした。と言っても強制なのではあるが。ヒデが言うには中世ヨーロッパ風のドレス衣装を着てボールルームでパーティーを催すらしいのだ。もちろん2人にもドレスが用意されているとかという内容までで話が終わり、部屋に戻ると可愛いブラック&ホワイトのメイド服を着た若いメイド2名が現れた。2人は『この人達はリアルなメイドさんなのね!?」と思い驚いた。


「ソフィア様、ジュリア様、晩餐会のドレス着用のために寸法を測りにお邪魔しました。よろしいでしょうか? 王からは、ソフィア様がピンク系、ジュリア様はブルー系と言われております。申し訳ないのですが、そのお召しになられているアーマーを抜いていただけますでしょうか?」と言われ、2人は『仰せのままに』という感じでしょうがなく脱ぎ始めた。


下着になった時点でメイド達は無言で色々な身体パーツの採寸をしているのだが、持っている採寸表のドレス写真がチラリと見えた。

ソフィアが、「可愛いドレスなのね!」と期待以上のようで驚き、ピンクと言っても大人っぽいコーラルピンクとホワイトレースのコンビネーションであることに安心した。ジュリアもなんとなく覗いているようで、こちらもブルーと言ってもコーンフラワーブルーとホワイトレースのコンビネーションであることに安心しているようだ。

メイド達は、「これからドレスを修正し3時間後の夕方5時にお持ち致します。それまでお寛ぎください。」と丁寧に言って出ていった。


ジュリアが、「なるほど〜 結構本格的なのね・・・私踊れないからまずいかも。」とボソッと言った。

ソフィアも、「私もそうよ。だってそんな社交ダンスなんか教わったこともないし、今までそんな機会もなかったでしょ!? まあ、これから少しでも役に立ちそうな貴族の殿方にはご挨拶はするものの、あとは食べて呑んで壁の花になっていましょうよ。」と珍しく消極的である。


ボールルームは夜6時に開場し、城内と市内から正装をした男女200人が次々と現れていた。晩餐会の会場はダンスホールの外周に立食用の丸テーブルがここかしこと並べられ、壁面だけに椅子が備え付けられている。中央の雛壇には荘厳な玉座とその両枠に王族の席が用意されていた。


ソフィアとジュリアはメイドに着付けを手伝ってもらいコルセットを着用しているところだ。

ジュリアが、「これ、やばいわね!息が詰まりそうよ!」と騒いでいたが、ソフィアも口に出さなかっただけで同じ境遇である。2人は死ぬ思いをしてドレスを着用し、ウイッグも被りしかも慣れないヒールを履いてボールルームへと歩き出した。


ソフィアが、「このドレスってバトルアーマーより大変ね〜 昔の女性って物凄く大変だったのね。」としみじみと言っているが、意外に2人のドレス姿は決まっておりまるでどこかの公爵令嬢かのようにも見える。


もうすでに此処彼処で貴族達のグループが歓談で盛り上がっているようだ。この世界では珍しく弦楽4重奏のしらべも聴こえている。そんな場面にドレス姿のツインズが入場して行ったのだった。まず2人の明るいトーンのサテンドレスはドレスだけでも目立っている。そして用意されたウイッグも綺麗にコーディネートされており一際目立つ存在となっていた。世間話に花が咲いていた貴族達も彼女らが入場した途端、男性達の目が釘付けとなった。


2人は重いドレスを引きずりながらやっとの思いで歩いているのだが、その苦しい表情を表に出さないようにしているだけで限界のようである。まずは慣れない広い会場を見回していたが、運よく貴族風の衣装に身を包んだヒデを発見した。日本人であるが意外にその衣装が合っているようだ。そして今2人はヒデ目掛けてゆっくりと移動中である。


「これはこれは、ご婦人方。あまりにもお綺麗なのでついつい声を掛けてしまいました。どこからお越しなのでしょうか?」と綺麗な衣装を纏った紳士が声を掛けてきた。

もう1人の紳士が、「あなた方は、もしかしたらあの有名なBLANCツインズの方々ではないですか?」と言いながら、いかにもツインズを知っているような素振りでもう1人の紳士との間に割って入ってきた。


ソフィアが、「はい。そうですか?ご存知なのですか?」と少々驚いている。

「もちろんですよ!あの忌まわしいユーラシア帝国に天誅を与えた有名人ですからね。」と言いながら、有名人に会えた嬉しさを大袈裟な仕草に表していた。


もう片方の紳士も「あっ、あのツインズの方々なんですね!あまりにもお綺麗なので、まさか戦闘をされる方とは思いもよらず失礼致しました。いやー、私もあの日の放映をリアルタイムで観ていましたよ! あれは手に汗を握る戦いで本当に興奮しました。女性であるのにあんなにお強いとは、あれで国中の男どもがあなた方のファンになりましたよ!ハッハッハ」と笑いながら彼女達を知っている理由を説明した。

『そうか、ここの人々は私たちのことはすでに知っているんだ。このドレス姿で見分けがつかないだけなんだ。』と気がついたのだった。


2人の入場に気がついたヒデがニコニコしながら近づいてきた。「ソフィアさん、ジュリアさん、物凄くお似合いで綺麗ですね! この侯爵のおふたり以外にも取り合いになるかと思いますよ。お気をつけてくださいね!」とイタズラぽく言った。「とりあえず騒ぎになる前に、王の側の席にご案内しますね。」と言いながら、申し訳ないというそぶりを侯爵に見せて2人を誘導した。そして2人はヒデについて行き玉座の並びの列の端に座らせられた。


暫くすると、ファンファーレが鳴り響きロイヤルファミリーの入場となった。会場の全員が総立ちとなりファミリーに向けて拍手を送っている。貴族達には心から慕われているロイヤルファミリーであることが彼女達にも伝わってきた。

王が玉座につき手で合図をすると、今まで通りに音楽が鳴り人々も元に戻っていった。


王の両脇には第一王子のヴラディミル、第二王子のマルティン、そして一番下の王妃のエヴァが座っておりツインズの2人がそれぞれ紹介された。やはり長男のヴラディミル王子はアラサーであるが次期王にあたるため若くしくも貫禄が備わっている。180cm強の長身で体型もがっちりとしており何処からみても非の打ち所がない世継ぎに見えた。次男のマルティン王子は兄がしっかりしている分逆に自由奔放な環境で育てられたようだ。王が甘やかしている面もあるが、25歳となった今も冒険者気取りで人懐っこいところもあるが興味本位で行動し王家の一員という責任感が少し不足しているようではある。そしてエヴァ姫は才色兼備の人気者だ。この国ではサーシャ演じるルージュ姫と同格で庶民から慕われているのだが、ただそれは表面だけで内面を知るものはあまりいなかった。


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