26:初の住民現わる!
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
そして、2人だけで今までにないぐらいに頑張って1週間が経った。すでにゲートウェイとしてのビーチ上の建物に連結する巨大なチューブ構造の浮き輪のような施設を3Dプリンターとオートパイロットの建設ロボット達で建築中である。その施設が浮島として付け足されていく定住居住空間のセンターハウス的な役割を果たすのである。
ジュリアが、「来週、イメルダ達がきてくれるそうよ。どこに住んでもらう?」とソフィアに聞いた。
「まあ、とりあえずは、ビーチの私達の部屋の隣にしてもらって、浮島ができてきたらその時どっちがいいか聞いてみましょうよ。」
「わかったわ。じゃ部屋の家具類や備品の準備をしておくわね。」とジュリアは久々に会えるBFFを頭に浮かべて嬉しそうな表情になっていた。「あっ そうそう、さっきアンドレイからも連絡があって、とりあえずロシアも落ち着いてきたらしく、もう少し経ったらこっちに遊びにきたいと言ってたわよ!」とも付け加えた。
そして、また1週間が経ち、巨大な浮き輪構造のセンターハウスの基盤が出来上がってきた。これはそもそも未来社会でのスペースステーション建造の技術を応用したものであった。
その中にはクリニックやオペルームなどの病院施設、海上都市のコントロールセンター、太陽光・風力・波力発電装置・防衛管理設備などがあり、生活のためのインフラが用意されることになる。陸から順次説明していくと、ビーチにはバブルで覆われたゲイトウェイ施設があり、管理棟と迎撃システムそして海上への交通をコントロールするピアがある。そして、それに繋げてビーチと地中海との狭間にこれもまたバブルで覆われた浮島があり、そこから巨大な円形の浮き輪が連結されて沖に突き出している状態となっているのだ。後は各施設の設備を入れ込んで物理的には完成するのだ。もちろんゲイトウェイの管理施設内には2人の部屋の隣にイメルダ・ガルシアの部屋もすでに用意されていた。
ソフィアが、「今日は、イメルダ達が来る日ね? 久しぶりだから楽しみね!」と久々に人と会うのを本当に楽しみにしているといった風である。
すると、ジュリアは、「あの浮島には人口ビーチを作ったからそこでみんなで久々にバーベキューキャンプでもしない?」と以前を懐かしんでいるかのような提案した。
「いいわね〜 まだ食料の自給自足はできてないけど、まあ、湯沢から持ってきた食材でもできるでしょう?ビールやワインのストックもまだあるから、久々にパーティーね!」と今夜は疲れを飛ばして盛り上がりましょう!という雰囲気であった。そして彼らがロンダの地下施設から到着したのは午後4時頃であった。
ビーチから繋がる砂漠の砂丘にイメルダ達のホバージェットの砂煙が見えてきた。2人は久々にバトルアーマーを着用しゲートウェイの外で出迎えているところだ。ホバージェットは彼女達のギリギリまでつけて止まった。そしてバックのカーゴゲートが開きイメルダとガルシアが出てきた。
「ソフィア・ジュリア!会いたかったわ〜 一体どこで何してたわけ〜」といきなりイメルダのいつもの元気がいい大声がこだました。
「ごめん、ごめん、無線では詳しく説明できなかったから、今日のビーチパーティーで細かく説明するわよ。」とジュリアはBFFに抱きつきながら言った。
ガルシアが、「これものすごいな! これ、もしかしたら2人だけで造ったわけ?」と本当に驚いている。
ソフィアが、「そうよ!ちょっと未来の技術を拝借できたんで2人でもこんなことができるのよ。あなた達にもここに住んでもらおうと思っているから頑張って造ったんだからね!」と驚いてもらったのがとても嬉しそうである。そして、続けてソフィアの解説の元 2人はこの施設内をくまなく観察していった。そして、これからの構想も聞いた後、彼女らの部屋に入って行った。
「ソフィア、ここ最高ね!私たち間違いなくここに住むわよ! そして設備ができてきたらロンダの友人達や移住を希望する人達を募るようにするわね。」とイメルダが感激しながら言った。ガルシアも同意見のようである。彼はソフィアが見せた図面とそれからすでに出来上がった実際の建築物に非常に興味を持ったようで、ソフィアに建設の方法やら、どんな素材を使うのやら、また配電などの細かい仕様なども詳しく聞いていた。
「ソフィア、俺、ここの建築にとっても興味があるみたいだよ。」と半ば興奮しながら、「俺もこの街を造るの手伝ってもいいかな?」と真剣にソフィアに打診してきた。
「あら、ガルシア、あなた、建築に興味あるのね? 見かけと違って細かい性格みたいだから、こういったことに向いているのかもね!」と若干の驚きと助っ人ができる嬉しさを含めて答えた。
「もしかしたら、前世がそう言う仕事だったのかな?図面から実際のものが出来上がっていくのが、すごく楽しそうというか、やり甲斐がある仕事に思えるぜ!」
「わかったわ!じゃ明日から工程を詳しく説明するから、この浮き輪の真ん中に浮かぶメインの建物に取り掛かりましょう! アシスタントができてほんとよかったわ!」と言ってジュリアも喜んでいるようであった。
その頃、ジュリアとイメルダは日没前に人工ビーチでバーバキューパーティーをする準備を始めていた。2人は旧知の仲なので、もちろん、この前偶然会ってしまったここの世界のヒデのことが話題となっているのだ。
「えっ と言うことは? あの私が知っているヒデって他のパラレルワールドから来てたわけ??」と驚愕の表情に変わっている。「もう、本当にあなたの周りってどうなっているの? 未来から来たとか 実はエンハンスドだとか 、えっ何何?? あれから未来に行ってきたの?? もうわけわからない!と思って聞いてたら、今度はパラレルワールドがあるんだって?? 頭がおかしくなっちゃうわよー!!」とイメルダがパニクっている。
「そうだよね〜 普通はどれも体験しないことだろうしね。ほんと、ごめん!! まあ、そんなこともあったけど今夜は楽しみねー!」
イメルダが、「わかったわ。今夜はまた前みたいに盛り上がりましょう!!」と表情が変わり一気にノリノリとなっていた。
ちょうど地中海に日が沈む時刻となっていた。ジュリアの連日の献身的な海上クリーン作戦のためこの付近の地中海にはゴミの浮遊物は全く無しと言っていいほどになっていたのだった。つまり海上はかつてのようにビーチで綺麗な夕陽を愛でることができる環境となっていたのだ。
そうそう、彼らは以前の旅のキャンプ(プロローグ編)のように飾りでタープも貼ってキャンプファイアーを起こしているのだ。そこにやっとソフィアとガルシアも今日の作業を終えて合流したところだ。
ガルシアが、「なんか、ここ本当にいいよな!明るい未来を感じるぜ!俺が言うのも変だけど。」イメルダも「わかる、わかる、ガルシア!あんたが言いたいことは!なんか足枷がないっていうのか・・・とってもフリーなのよね!?」と相槌を打った。
ソフィアも「そう言ってもらえるとすごく嬉しいわ!!ジュリアと2人で用意したものだから。ロンダの地下街の人達もそう思ってもらえるといいんだけどね。」と微笑みながら言っている。
ガルシアから、「俺がいいと思うんだから、あいつらもそう思うと思うぜ!なんせ地下では息が詰まる時があるからな。そろそろ限界かもな。ユーラシア帝国が潰れてからは敵と言えるのは山賊ぐらいだから、もう俺たちは地上に出てもいいころじゃないのかな? ある程度の形ができてきたら、俺がまず親しい奴らを誘ってみるよ。」と建設的な発言があった。
イメルダは、「そうよね。戦時中だったら、地下街でも我慢できたけど、やっぱり私らも人間だからお日様の下で過ごしたいとは思うわよね。でも、地中海の対岸はアフリカだから、地中海の海賊やらアラビアの山賊やらはここを襲ってはこないのかしらね?」と少し不思議に思っているようである。
ジュリアが、「今の所のここの装備はこの前ユーラシア帝国戦で使ったラップアラウンド・スーツを私らの2体を持ってきてるわ。もちろんガリオンもいるわよ。あなたたちのも持ってきた方がいいかしら?いざとなったら役立つものね。それと今開発中のEBSというエンハンスト・バトル・スーツというもの凄いものもあって、あれができると無敵だと思うわ。」と警備状況の説明をした。
「できれば、俺たちの分も頼むよ。何かあったら助っ人できるからな。それとそのEBSとかいうものはそんなに凄いものなのか?」とガルシアが性能を聞いてきた。
ジュリアは待ってましたと言わんばかりに、「未来の技術を使っているいわゆるロボットなんだけど、私達の脳波と連動しているから手足で操縦はするんだけど、脳でイメージした通りに素早くタイムラグを感じずに動くのよ。エネルギーはクリーンな循環エネルギーを使っているし、宇宙にも行けるのよ!」と本当に凄いんだと言う表情で自慢げに早口で説明している。
続けてソフィアも、「私のはスナイパーモデルでジュリアのはフライングモデルなの。あれはやっぱり未来ならではの技術ね。」と付け足した。
ガルシアも、「すげえな!できたら見てみてえな。そのロボットはあんた達みたいなエンハンストじゃないとダメなのかい?」と興味津々に聞いてきた。
ソフィアが、「エンハンストの機能が使えないだけで、普通の人類でも操縦は可能よ。ガルシアも乗りたいんだったら、イメルダとのと2人分も追加でお願いしてみるけどね。」と。
イメルダも、「それがあるとここの防衛が強化されるんだったら私もやるわよ!やっぱり住人全員で守らないとね!」と力強い返答があったのでソフィアが付け足した。
「あともう一つのタイプがあって、ローラースケートを履いているように地上を走れるタイプなの。おふたりはどれがお好みかしら?」と。
するとイメルダが、「そのローラースケートって面白そうね!ガルシア、あんたローラースケートってイケる?」 ガルシアが、「ローラースケートか?若い頃にやったきりだな。でも、それがあると俺的には空を飛ぶよりはいいからバトルも有利になるような気がするな。」
「わかった!私らのはそのローラースケートモデルってやつをお願いしたいわ。2人でペアを組んで戦いやすそうだからね。」とまるで出前を頼むようなノリで言っている。
ソフィアが、「そうね!未来の世界ではツインズがそのモデルに乗ってコンビネーションがよくて強かったから、あなた達に合うかもね!わかったわ。それでお願いしてみるわね。時間はかかると思うけど。」という話に落ち着いたのだった。