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23:そして X - DAY!

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。

そうこうしているうちに、ついに手に汗握る『Xデイ』となってしまった。まず、ソフィアはゲットした極秘情報データをガリオンの体内に格納しておいた。そして、ガリオンは今タイムトラベルユニットがあるラボにスリープモードでいる。2人はフル装備して部屋にいるのだが、これからの打ち合わせをしていた。


ソフィアが、「ラボに着いたら、まずガリオンをタイムトラベルユニットに入れて送りましょう。ただ、一旦使用するとアラームが館内に響き渡る設定になっているからすぐバレるわ。ただ、誰かが駆けつけるまでに1分はあるから、その1分で私達はタイムトラベルユニットに入って出発しないといけないの。ただ行き先を来たばかりの1980年代に事前に設定しなくちゃいけないのと、追跡不可能にしないとまた召喚されてしまうから、まずは私が先に行ってそれインプットしておくわね。だから、あなたは私が行って10分経ったら来てガリオンを起こしてほしいの。」


「段取りわかったわ!ソフィアよろしくね!!」とジュリアがソフィアを抱きながら言った。2人はよっぽど元の世界に戻りたいようである。


ついに始まった。ソフィアが部屋を出て、ジュリアが10分計っている。ソフィアは何ごともなくラボに侵入できた。ただ、管理者のリズにラボの手前で会ったが、今やっているプロジェクトの関係で立ち入ると何気なく説明したところ、彼女はそのまま立ち去ってしまったのだった。そして今ソフィアはラボのコントロールパネルのスイッチを入れて高速でインプットしている。まずは1986年12月23日に行き先をインプットした。そしてそれと紐づいている追尾システムをオフにした。時間空間の中での命綱的存在であるこのシステムをオフにするということは、もうこれでどこにもタイムトリップができないことを意味するワンウェイチケットとなったのだ。


そして予定通り10分後にジュリアが入ってきた。ソフィアの顔を見て瞬時に順調に進んでいることを確認し、ガリオンをスリープモードから目覚めさせタイムトラベルユニットへと誘い込んだ。


「さあ、戻るわよ!!準備いい?」とソフィアが言って、まずガリオンを出発させた。

2人は各々のタイムトラベルユニットのコントロールパネルにあるGOボタンを押して、ユニットに入り込みフードを閉めた。タイムトラベルユニットは音と光そして振動を発しながら稼働しているのを体感できるようになった時に館内にアラームが鳴り響いていることも確認できた。『間に合うか?』と2人は同時に思った。


その後の記憶はなく、気がつくと2人は湯沢のタワーマンションのジュリアの部屋のベッドに横になっていた。


ジュリアが目を覚まし、「ソフィア! やったわね!!私達これでフリーよ!!」と感激のあまり涙していた。部屋の時計を見てみるとセットした通り1986年12月23日の夜であった。ソフィアも目を覚ましガリオンもここにいる。


「やったわね! 大成功ね!!」とソフィアも感激し、「ねえ、ジュリア、ガリオンにしまったデータを取り出してくれる?」と言って、お宝となった未来のデータをすぐに確認したいようであった。ジュリアが、ガリオンの口の中に手を入れてデータを取り出した。そして、ソフィアはすぐに室内のコンピュータに繋いで内蔵データを確認している。


「あー良かったわー!! タイムトリップしてもデータの破損はなかったわ。これで全て完璧よ!」とやっとソフィアも笑顔になり帰国を喜んでいる様子である。


その後、2人は1ヶ月以上も消えていた理由を湯沢の人達に説明したのは言うまでもないが、残念ながら、イメルダとガルシアはすでにスペインのロンダ地下要塞に戻っており、サーシャとアンドレイも1週間前にロシアのモスクワに戻ってしまったのだった。ことの始終を属代表に説明し予定通りの交渉にも成功もした。


「やあー本当に驚きましたよ、いきなり姿を消したのだから。一体どこに行ったのか?我々全く見当もつかなかったので、とりあえずここで待っていても仕方がないから、イメルダさんとガルシアさんは故郷のロンダに戻り、ユーラシア帝国を併合する動きを見せるかもしれない連合のカナダエリアの出方を待つことにして、一方ロシアの内政に混乱を招かないようにサーシャ姫とアンドレイさんはクレムリンに入って議会を招集し、今後の処理と復興の検討をすることになったのですよ。皆さん、いきなりだったので本当に心配していましたよ。しかし、今更ですが、ユーラシア帝国崩壊にご尽力頂きまして本当に有り難うございました。お陰様でこの国としても新たなマーケットが造られたので更にお役に立とうと思っております。」とビジネスマンのように珍しく属代表に笑顔が見えた。「それに、今ジュリアさんから聞いた新案件、とても魅力的ですよ!」と付け加えていた。


ということで、こうして思い切って冒険した結果、全てがうまく運ぶことになったのだ。そして2人はやっとお気に入りの部屋の柔らかいベッドで寝ることができるのだ。2人とも『やっぱりこの時代が最高!』と思いながら久々に熟睡したのであった。


翌朝2人はあたかも未来社会に行っていたことが夢であったかの如く眠りから覚めたのだ。

「ジュリア、やるわよ〜 早速EBSのデータを田辺女史に渡して開発してもらって、私はまずスペインで使える工作ロボットを設計するわ。あなたはどうする?」とジュリアに聞いた。「うーん、そうね〜 どうしようかしら・・・私、疲れたから今日はフラフラしてていいかしら?」、「あなた、南米から戻ったばかりだから疲れてるんでしょ?いいわよ、準備は私に任せて!」と、ソフィアはやたら元気でやる気に満ち溢れていた。ジュリアは、「ソフィア、有り難う!」と言いながらとりあえずバトルアーマーを着て、念の為ブラスターガンを持って出て行った。


ソフィアはラボのコンピューターで設計に取り掛かっている中、ジュリアはルーフトップにあるジャイロを借りて気分転換に飛び立って行った。今日はクリスマスイブであるが晴天である。しかし12月なので湯沢を見下ろすとうっすらと雪景色となっていた。ジャイロで青空の中ソアリングしながらジュリアは何故か鳥のような自由を感じていた。もうどこにも駆り出されることはないからだ。そして、とりあえずここはヒデがいる世界とも繋がっている。 


『こうやって眺めてみると湯沢のスカイスクレイパーは凄いな』と実感しながら、上空を旋回したあとあの思い出の南魚沼の上空を飛んでいた。広い田園地帯も薄らと白化粧をしている。悪い思い出ではあるが、ヒデと過ごした1つの重要な記憶として残っているこの田園地帯のアグリカルチャーセンターの管理棟に降り立ったのだった。


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