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20:敵襲

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。

翌朝『ドンドンドンドン』とドアを激しく叩く音がして、2人は目を覚ました。シノがドアを開けると、そこに評議会のメンバーの1人の女性が焦った顔で立っていた。


シノが「どうしたんですか?」と聞くと、「大変です! とうとう来たんです。」と口が震えている。「何が?」と聞くと、「あいつらです! あいつら・・・」ジュリアも来て、

「一体誰が来たんです?」と冷静に聞くと、「あなた方が言っていたロボットたちですよ。」と言った。


シノも「メイルアンドロイド達が来たんですか? 一体どこに?」と驚いて確認した。「見張り役のものが平地の民から聞いたということなんですが、クスコより東に行くと平地になります。リオ・ブランコというところがあって、そのあたりに空から物凄い数のロボット達がパラシュートで降りて来たっていうのです。今ジャイロで現地を確認に行かせました。」という状況がわかった。


ジュリアは考えている。『ということは・・・メイルのBSと無数のバグロボット達がここに来るということか!? 猶予もあまりなさそうだ。ここのオートジャイロだとせいぜいバグをやれるかどうか・・・だけど、生身の私達2人では対応ができないだろう。』


そして「ここからそこまでの距離は?」と聞いた。

「およそ1000Kmぐらいでしょうか?」

『ということは通常歩行であれば20時間猶予があるか・・・湯沢からEBSを持ってくると6時間いや7時間みよう。我々2人のEBSとガリオン機があれば奴らを撃退できるだろう。』というシミュレーションになった。「シノ、湯沢に連絡取れる?」

「はい、ジャイロジェットを経由して私の子機でできますよ。連絡しますね。」と言いバトルアーマーの袖の部分に触れてレイを呼び出した。


ジュリアが、「レイ、今ペルーのマチュ・ピチュのレジスタンスにいるんだけど、ついにここにもメイルが降りてきたの。まだ1000km先だから、そこからEBSを至急送ってほしいの。私のとシノの。そしてガリオンも。ソフィア達は湯沢の警備にあたってもらって大丈夫だから。」 レイが、「わかりました。フライングエンジェルとシノのホバーボードも出来上がりましたので装備しますね。お気をつけて!」ということで急遽EBSをここに送ってもらうことになった。


メイルアンドロイドたちは着陸後、やはりこちらに向けて突進してきていた。平地に広がるカルテルのコカ畑を荒らしながら点在するギャング達の拠点やカルテル傘下の農村を破壊しながら進んでいる。そしてミランダ達はその付近に無人のドローンを送り込み随時位置確認と状況確認をしているのだ。するとギャング達の拠点を破壊した時点で動きに変化があった。


バグロボットの一団を先遣隊としてこっちにスピードを上げて迫ってきているのだった。その一団は半分の50機である。このままでは10時間足らずで到着することになってしまうのだった。そこで、ジュリアは考えた。『まあ、予定通りに湯沢を出発して問題なく航行できれば、その先遣隊が来るまでにこちらの装備は完了するであろう。 ただ、やはりこのマチュ・ピチュで戦闘状態となると敵の攻撃で要塞に被害が出ることになる。となるとアンデス山脈の手前で食い止めるのが得策だろう。』と。


「シノ!  アンデス山脈の手前で奴らを迎撃することにするわ! すぐにレイに座標を送って! 私達もジャイロジェットでそこに向かいましょう!」と言い、ミランダに事の始終を説明し急遽現地に向かって飛び立って行ったのだった。そしてミランダ達は一応敵の攻撃があった場合に備えて警戒体制に入っていた。


ジュリア達はアンデス山脈の裾野を過ぎて丁度敵とマチュ・ピチュを結ぶ直線上にある座標に着陸した。しばらく静かな田園風景を眺めていると、徐々に地響きが聞こえるようになってきたので遠方を高倍率ビノキュラスで確認してみると物凄い砂埃の中にバグロボットの形が見え隠れしていた。この距離だと30分ぐらいで遭遇してしまう距離である。そろそろソニックスーパージェットが来てもらわないとまずい状況になってきた。


この状況を把握したシノが焦りながらレーダーでソニックジェットの位置を確認するとまだ上空にいる状態であった。一刻を争う状況となってきたため連絡をとり上空で合流することになった。ジャイロジェットの限界まで上がり空中で待機していると、ソニックジェットが近づき後部ハッチが開いた。『やった!間に合った!!』と安堵しながら中に入った。


するとその格納庫には、ジュリアとシノのEBSの他にもう一体あった。だが、ガリオンの機体はない。中から女性兵士が近づいてきて敬礼した。ジュリアが叫んだ「マチルダ! ? あなたマチルダじゃない!!」そして走って彼女に飛び込んでハグした。

「えっ あなたは、アンドロイドなの?」と驚いて聞いた。


「ジュリアさん、久しぶりです。そうです、私はマチルダ大佐のDNA情報とメモリーやスキルをスキャンして作られたサイボーグです。だからあなたの記憶もインプットされているのです。マチルダの生前はお世話になりました。私はお陰様であなたから教わった剣術のスキルを引き継いているのです。マチルダJr.と申します。また宜しくお願い致します! そうそう、ガリオンはジュリアさんの指令がないと全く動かず連れてくることができませんでした。その代わりの穴埋めとして私がきたというわけです。共にあいつらをやっつけましょう!」と言った。


ジュリアが、「わかったわ! しかし、あなたほんとマチルダそっくりね。懐かしいわ。じゃ、準備しましょう!」3人はEスーツを着てBSに乗り込んだ。マチルダ機は量産機のためカーキカラーのノーマル機ではあるがフライングエンジェルを装備していた。シノ機はホバーボードが間に合ったようだ。ジュリア機とマチルダ機はシノ機を抱えて降り立った。


丁度敵のバグロボット先遣隊がアンデス山脈の麓まで来ていた。2人はシノ機をその最後部に降ろして、再度飛び立ち最前線へと向かった。

降ろされたシノ機はホバーボードにサーフィンのように乗りながら、新開発の大鎌を構えて奴らを背後から襲いかかった。


ジュリア機とマチルダ機は最前線に降り立ち、シールドとロングソードを構えて突進していった。バグ達はブラスターマシンガンで応戦してくるのだが彼女らに全く歯が立たない。ジュリア達に簡単に前後から狩りに狩られて暫くすると全滅してしまった。すると後方に本体が見えてきた。


「シノ!あなたは残りのバグを全部やっつけて! 私達はメイルBSを殺るから!」とジュリアが叫んだ。「わかりました!」と返答しホバーボードで迂回しながら敵背後に回り込む作戦に入った。


ジュリア達は、怒涛となって攻めてくる残り50機のバグを目の前にして、まずは上空に飛び立った。そして左肩に装備されているレーザーキャノンで敵最前列を攻撃し勢いを止めた。そして、勢いが弱まったバグ達目掛けて空からロングソードを構えて降り立ちまず前列の一陣を切り払った。上空から丁度中心部分に敵BSが5機確認できた。最後部からはシノが新兵器の大鎌を振り回しバグの足を払っているのが見える。敵BSがジュリア達目掛けて一斉にレーザーキャノンを発射した。それを彼女らはブレードで防ぎながら回避し左右に分かれた。


そして、左右から挟み込むように5機のBSにロングソードで降りかかりすかさず両端2機の首を刎ねた。驚くことにジュリアの動きをまるでミラーリングでもしているようにマチルダ機が動いているのだった。そう意識上主従関係が成り立つ個体同士はシンクロが可能なのである。だから驚くことにジュリアと一緒に戦う場面においてはマチルダはジュリアと同格レベルの戦士となるのだ。敵BSはあと3機となった。両脇が槍兵で真ん中がアックスを構えている。


2人はまず槍兵に撃ちかかりフライングエンジェルを利用し空中で回転しながら槍を避けながら2機の首を刎ねた。そしてバグ達を平らげてシノも後ろから接近してきていたのを確認し、最後に残った1機を彼女らが左右から囲む状態となっているところに、シノ機が背後から突入し大鎌で敵BSの足を払った。そして、鎌を捨てたシノ機は忍者刀を抜きBSの首を綺麗に刎ねたのだった。


この緑の田園風景の中に切り捨てられたロボット達の残骸が散らばり至る所に火煙が立ち込めている光景である。かろうじて間一髪で今回は敵の奇襲を封じ込めることができたが、こういった奇襲は今後この地球上の至る所で起き得ることがこれを持って確認できたのだった。そして、このソニックスーパージェットにミランダを収容し一行は湯沢に戻って行った。  


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