表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/129

18:ペルーレジスタンス

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。

その頃、ジュリア達は数日滞在し、シノと共に座禅を組んでピニアルボディを活性化させていたのだった。ジュリアは以前よりも進歩があったようであるが、この短い期間ではシノの方は開発途上となってしまったようだ。あまりゆっくりもしていられないため2人はマヤとの再会を約束しこの楽園を後にした。


ジャイロジェットに戻り、残りのレジスタンスがあるペルー・クスコのマチュ・ピチュを目的地として座標をセットした。そこは15世紀のインカ帝国の首都があった遺跡で標高3400メートルに位置する。すでに廃墟であったため何世紀もの間、単なる観光目的の場所であったのだが、標高が高い影響で比較的気温が低く、また空気も浄化されており、地形的にギャング達がなかなか到達できないという地理的要因を逆手に取ってレジスタンス達は遺跡をベースに現代風な街に再開発していったのであった。


ここのギャング達はそもそも麻薬カルテルから発生した輩で、コロンビアからのコカ栽培に侵食されてしまったのと、医療用から始まった大麻を嗜好用へ転用したことにより、ペルーもカルテルの傘下に入ってしまったためであった。そのためかつてのスペインレコンキスタのフランシスコ・ピサロの私兵団により滅亡されられたインカ帝国の歴史の轍を踏まないために、ここの住民達はいち早く高地に逃げたのであった。


3000メートル以上になる高地は、ギャング達を高山病にさせ征服への熱意を削いだのと、そこまでの道のりが細い山道のためマチュ・ピチュから狙い撃ちされる危険性が高かった理由から今では自然の要塞と化していた。


連なる山脈の上に建立された現代版マチュ・ピチュの勇姿が2人が乗るジャイロ・ジェットから見えてきた。サントスからはここのリーダーへのアクセスを聞いていたため、すでに先方には今日の訪問の連絡は入れてあった。リーダーはミランダという女性らしい。


この時代は航空時代のため駐機場にはジャイロが数台見えている。街の見た目はステートグレーのコンクリート城壁に囲まれた鉄壁の要塞に見えた。空輸にてその建築資材を賄ったのであろう。要塞の付近に来ても攻撃の気配がないのを確認しそのまま駐機場への着陸体制に入った。すると無線にてアナウンスが機内に入ってきたのだった。


「その機体の者、日本からの外交施設のものか?登録者名を答えてくれ!」とのことであった。ジュリアはそれに答えて、指定された駐機場番号にジェット・ジャイロを停めると城門が開き武装した数名の兵士が出てきて近づいてきた。5名中のリーダー格の兵士が「貴官がジュリア殿か?」とジュリアに向かって確認した。


ジュリアが「そうだ、日本からきたものだ。あなた方のリーダーのミランダに事前にアポイントは入れてある。」と答えた。すると先方も「承知している。我々についてきてくれ!」と言って戻り始めた。2人は一応フルアームドにして機を降りて彼らについて行った。


彼らのマチュピチュは緑の山頂に建てられたまさにコンクリートの天空の城ともいうべき威圧感があった。城門は観音開きの門で閉じた場合はその継ぎ目が分かりにくい設定になっている。総じて地上からは難攻不落であることが理解できる構造であった。


そして2人は城壁の中に入って驚いた。『なんだ、ここは!』 緑の木々が繁り段々で構成された石造りのマチュ・ピチュ遺跡の上に木材でスマートなまるで夢のようなエコ集合住宅が作られているのだ。中世風広場に露天商がマーケットを造り、住民が楽しそうに行き交っている光景を目にした。『これはある意味未来の理想郷なのでは!?』とジュリアは思った。集合住宅の屋上全面はソーラーパネルが張り巡らされ、至る所に風力発電が設置されている。賑わうメインストリートを通り集合住宅の管理棟らしき中央施設に入って行った。内部は木造建築で調光や風の取り入れ方も自然エネルギーの循環を考えて作られているようだ。まさに自然と共に生きる環境で人間が住みやすい空間になっていたのだった。


そして、2人は会議室らしきところに通された。ここも街中が見渡せる大きなパネル窓があり室内も全てウッドな自然を満喫できる空間である。大きな楕円の円卓があり椅子がいくつも並んでいる。彼女らはその中の奥に座らされた。しばし待つこと10分ぐらい、上座のドアがいきなり開いて1人の女性が出てきた。そして上座の議長席の前に立ち自己紹介を始めたのだった。


「私はここのコロニーの議長を務めるミランダだ。其方たちはジュリアさんとシノ

さんだな。サンパウロのサントスからは聞いている。」と男口調で話す声に力がある女性であった。風貌はやはりインディオとスペインの混血のようで褐色の肌にワンレンストレートの黒髪に細身で身長は165cmあるだろうか。顔のつくりは鼻筋が通った黒い瞳の大きな目が輝いている。インディオの遺伝子よりもスペインの遺伝子が強い顔立ちのアラサーの女性である。服装はカーキのカーゴパンツに麻のベージュシャツを着ており軍用のレザーブーツを履いていた。


ジュリアが、彼女に合わせて同じように男性ぽい口調で、「私がジュリア、こちらがシノだ。君たちと友好を深めにきたのだが、一番の理由としては宇宙からアンドロイド軍団のロボットが来たときに君たちで対応できるようにサポートするのが目的だ。」と簡潔に説明した。続けて、「君たちが独自に対応できるのか確認させて頂きたい。もし足りないものがあれば日本から送ってサポートしたいと思っている。」とミランダに選択させるような言い方にした。


すると、ミランダは、「うちの装備はレーザーキャノンを城壁に4門備えているし、たいていのカルテルのギャング達の攻撃はそれで撃退している。それと武装したジャイロが30機ばかりだ。兵士達の標準武装としてはレーザーライフルとブラスターマシンガンを装備させている。それで対応は可能だろうか?」と逆に正直に聞いてきたのだった。


シノが、「ここの住民はどのぐらいいるんですか?」と聞いた。

「今は200人ぐらいで大人50人は戦闘可能だ。」と簡潔に答えた。

少し考えていたジュリアが、「ここは自然の要塞に見えるから、ロボット達が空から落ちてくるにも着陸場所が山腹のためあまりその着陸面積がない。射程距離内に降りてきた場合もレーザーキャノン4門で撃退できるから、もしかしたらこのままでも大丈夫なのかもしれない。」という評価をした。


ミランダが、「だが、しかし、接近戦になった場合はジャイロが30機だけなので、それで撃退できるのだろうか? そのロボットとやらを?」と逆に積極的に聞いてきたので現実的で驚いている。


百聞は一見に如かずということで、シノがスマートフォンのような役割のインターフェイスメディアを持っていたため、そのデバイスで彼女たちが行ったばかりの敵BSとロボットの戦闘動画を見せることにした。前回の湯沢に落下してきた戦いを収めた、言ってみればVlogみたいなものである。


それを熱心に見ていたミランダは、ジュリアが乗るEBSの戦いを見て目が釘付けになっていた。「この機体はすごいな!こんなことができるのか?君たちには・・・」と唖然となった。

シノが、「これはバトルスーツというロボットで、このEBSはジュリアさんが操縦するものですよ。すごいですよね!私はこのブラックの機体です。」と説明した。


ミランダが、「わかった。こんなロボットが落ちてきたら、我々は一貫の終わりだな・・・これって普通の人間が操縦できるものなのか?」とも聞いてきた。

シノが、「限界がありますが、訓練すれば人間でもある程度の操縦は可能ですよ。」と答えた。

「わかった。では友好を結ぼう!で、何をすればいいんだ?」


ジュリアが、「まずは友好条約を結んだら、こちらから何人かBSを操縦する人員を日本に送ってもらいシノ達に鍛えてもらうというのはどうだろうか? それができれば、BSの数体を日本から拝借するという流れがいいかと思う。」と提案した。


すると、ミランダが。「じゃ、まず私が行こう!あとから他の2名も同行させよう。」と驚くことを言い出したのだった。

ジュリアが、「代表の君が来てもここは大丈夫なのか?」と驚いて聞いたのだが、

「私は議長だが、評議会のメンバーがすでにコントロールできているから大丈夫だ。それに有事を見越してそれに準備するのも議長の務めなので適任だと思う。」と迷いなく答えた。


ジュリアが、「わかった。では、防御設備の確認をしながらここに数日滞在させてもらって、帰還するときにあなたも一緒に行くのはどうだろうか? ただ私達が乗ってきた移動用のジャイロ・ジェットは2人乗りなので、付近の海までは一緒に無理に乗ってもらうことになるが、日本からソニックスピードジェットを迎えに来させるとしよう。どうだろう?」 ジャイロ・ジェットは2人がリクライニングする後部空間に一応補助席が2つあるのであった。


ミランダは、「最初は私だけでもいいから、それができれば是非ともお願いしたい。」と彼女もジュリア同様に男性ぽく簡潔に物事を決める性格のようである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ