14:ルガット討伐
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
翌朝、2人はフルアームドでジャイロに戻っていた。ガリオンを起こし、ナビにサンパウロ総合病院をインプットしている。そこにサントスと副官2人とが見送りに現れた。
サントスが、「本当に2人だけで大丈夫なのか?」と少し心配した表情で聞いた。
ジュリアが、「思いっきり派手にやってくるから、戻ったら奴らの鮮血を流すシャワールームを使わせてくれ!」と笑って答えた。
副官が、「ございますよ。消毒用の大きなシャワールームが。」「気をつけて行ってください!」と拝むような仕草で十字を切った。
サントスが、「奴らがいなくなれば、俺たちもそのアンドロイドとかいう奴らの相手をしてやるよ。」と笑って見送り、そして2人はジャイロで飛び立って行ったのだった。
ジャイロはサンパウロ総合病院の上空近くを飛んでいる。ブラジルの空は雲一つない真っ青な青空で外気もどんどん上昇していた。そして平屋だが大きな施設の病院が見えてきたので、操縦しているジュリアは、ジャイロに搭載されているレーザーキャノンを稼働させた。
「シノ、射撃は得意?」
「人並みだと思います。私がレーザーを撃ちますね。」と言いトリガーをホールドしスクリーンを見た。「どこを狙いますか?」
ジュリアが、「そうね、試しに建物の屋根の部分をまず破壊してみて!そして、壊せるだけ壊して! 簡単でしょ?」と指示した。
シノが、「わかりました。じゃ、行きまーす!!」と言いながらトリガーを引いた。
レーザーパワーはマックスに上げて標的に打ち込んだ。もちろん命中し10秒の照射で屋根部分が爆裂した。そしてシノは屋根部分目掛けて何度も何度も打ち込んでいる。
すると破壊された建物の隙間からヴァンパイヤ達が蠢く光景が見えてきた。数体が溜まりかねて外に出てきているものもいるが、やはりサントスらが言っていたように、直射日光を浴びたため皮膚が溶けて爛れ苦しんでいる。
「これで、レーザーはいいかな。次はガリオンに遊んできてもらいましょう!」とジュリアが言って、病院の裏側にジャイロを移動させて一旦着陸した。
「シノ、操縦代わって!すぐ戻るから!」と言い、外に出てガリオンを後部ハッチから出した。
そしてジュリアは、お決まりの弓の先端に爆弾が付いたボムアローを思いっきり引いている。そして裏側のゲート目掛けて放った。物すごい爆音と共に壁面が崩れて内部が見えてきたのだった。
「ガリオン、口と手はダメよ。ブレードであいつらを斬りまくって反対側まで誘き出してね。さあ、思う存分暴れてきなさい!」と言ってガリオンのお尻を叩いた。するとガリオンは咆哮とともにもの凄い勢いで走って病院の中に入っていった。2人はまたジャイロで病院正面に回ってジュリアを下ろし、シノは空中からブラスターガンで狙いを定めている。
しばらく経って、暴れまくっているガリオンから逃れるために一塊のヴァンパイア達が外に逃れてきた。そこをシノがマシンガンで撃ちまくっている。射撃が一段落して奴らが痙攣しているところをジュリアがロングソードで次々と首を落とし血が飛び散っている物凄くグロテスクな光景が広がっている。するとガリオンが血まみれになった姿で出てきたため、ジュリアは『一通りやっつけたのだろう』と踏んで、再度ガリオンを連れて病院内に入って消えて行ったのだった。
中は予想通りヴァンパイヤ達の死体の山となっていた。今彼女は動きがある個体の息の根を止めながら室内を確認しながら歩いている最中である。かつての病室を周り、その先のオペルームや研究室の確認に入った。その時、研究室のドアがいきなり開いて、唸り声と共に5体のルガット達が襲いかかってきたのだった。ジュリアは咄嗟に一歩下がり、ロングソードを右振りで3体、返して左振りで2体の首を軽く刎ねた。また個体で襲ってくるものもあり、難なく首を落とされ排除されていた。しばらく内部を回ったが昨晩見たようなリーダー格の者が見当たらないのが気がかりではあったが、『これで、ここは全部やっつけたのだろうか?』と思いながら、ガリオンと入り口に戻ることにした。
しばらくして、ジュリアとガリオンが出口から出てきた。まずはジャイロの外部シャワーで彼女とガリオンは奴らの血を念入りに流し落とした。
ひと段落すると「シノ、上空からまたレーザーを射てて建物を完全に燃やしましょう」と言って再び飛び立った。
そして、レーザーキャノンの放射を受けた病院が大きな炎を上げて燃え盛っているのを確認し、2人はレジスタンスに戻って行ったのだった。
教会内でサントス達が2人を出迎え状況を聞いている。
「サントス、これであのコロニーは全滅させたわ。最後に建物ごと焼いてきたから生き残りはいないと思うけど。でも昨日見たような武装したリーダー格が見当たらなかったのが気になったかな。」と戦況を軽く説明した。
「いや、ジュリア、シノ!有難う!!俺たちが何年かかっても出来得なかったことをたった2人でやってくれて・・・本当に有難う!感謝する!!」と言いながら感激していた。
「これで、約束通り、君らと友好条約とやらを結ぶことにしよう!で、何をすればいいんだい?」とサントスが聞いた。
「そうね、じゃ、まずはこの契約書類にサインしてもらいましょう。そして、当面必要な武器類の申請をして欲しいの。シノ、このリスト作成を担当して。」と言って、契約書をシノに渡した。「それと、サントス、あなたに色々と聞きたいことがあるの。いいかな?」と言って、2人は会議室に消えていった。