5:そしてEBS模擬戦
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason2ー新たな出会い編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
そして2人がこの前の格納庫に着くと、すでに、士官のレイと他の3人も揃っていた。
ソフィアとジュリアが入ると、4名揃って敬礼をし、レイが「お早うございます!私達の世界を救うためにご参加有難うございます。」と大きな声で言った。続けて、「各々のプラクティス用の装備を使います。フェンシングのゲームのような仕組みで触れたらゲームオーバーになります。」と今日の訓練を説明し始めた。
そして5名がEBSのコックピットに乗り込んで、そこに装備されているEBSと連結するためのヘルメットを被りシンクロさせた。5名とも同期には問題がないようだ。
5体が格納庫からバトルフィールドに出てきた。ここで各EBSの装備を説明しておこう。
まずは、瓜二つのイザベラ・ルイーズ機のツインズは全く同じ装備である。実際のメインウェポンとしては、片側に大きな釜がついた槍を使う場合が多いのであるが、この練習では、両槍と左腕のシールド、そして腰両側にアックス(斧)をつけている。それとこの機体2機はフット下にローラーが装備されているため、それを稼働させるとちょうどローラースケートのように走れるようになっているのだ。
次は、シノ機の装備であるが、基本はニンジャが使う武具になる。そのため、忍刀を背中にさし、腰の後ろに小刀をさしている。また、機体の太ももの外側部分に3本つづクナイが装備されている。それにこの機体は他のEBSよりスリムにできており、自重も軽いため他の機体よりも機敏性が優先されているため、巨体であるのに関わらずアクロバティックな動きが可能である。またそのためプレートアーマーのデザインは削ぎ落とされどこかニンジャを彷彿とさせるようなノミマムなデザインにもなっている。
ソフィア機は、すでに装着されているレーザーキャノンの他に右手でホールドしているパワードブラスターマシンガンがメインであるため、ショートソードが腰の裏に装備され、左手にシールド、ブーツ部分外側にナイフが2つ付いている。
最後のジュリア機であるが、彼女のアイコンのロングソードが背中に、そして左腕にシールドそしてその先端に剣がでる。またソフィアと同様にブーツ部分外側にナイフが2つ付いている。これがこの5体の基本装備である。
そして、このバトルフィールドの300m先に士官のレイがリーダーとなる30体のBSが現れた。全てアーミーグリーンのフィーメイルアンドロイドが操縦するフルアームドの量産機体だった。この訓練のミッションは5名のチームプレーのスキルを上げることにある。そう、チームリーダーは言わずと知れたソフィアである。
ソフィアが、「あんたたち、宜しくね!私がリーダーってことで、役割を決めるわ。
まず、ローラースケート履いている子達がツッコミ隊長ね!いいわね!?それに私とジュリアが続くから、シンガリとしてシノがスウィープする戦法でまず行ってみるわね!いい!?」 全員が元気に「了解!」と言って、ソフィアの指示に問題はなさそうである。
ついに、レイが率いるアンドロイドのBS部隊とソフィアEBSチームの模擬戦がスタートした。300m離れたレイ部隊は隊列を組んで走って近づいて来ている。まずイザベラ・ルイーズのツインズがローラーでダッシュして行った。それに続いてソフィア・ジュリア・シノが走って続く。間も無くアマゾネスツインズが長槍を構えて接触し、スピードにモノを言わせヤリで1体、2体と左右交互に刺して行っている。その攻撃で隊列が乱れツインズに刺された機体のレッドシグナルが点灯していた。
ソフィア・ジュリアにも生き残った部隊が雪崩れ込んできた。彼女らツインズも2個一で対処し、ソフィアがパワードブラスターマシンガンを撃ちまくり、ジュリアが、ロングソードで刈り取るといったいつものパターンである。シノは忍刀と腰の短刀の2刀を構えている。やはり噂通り動きが素早い、ジュリアより速いと言えるだろう。だからシールドは必要ないのだ。確かに敵の攻撃を柔らかにかわしているので、まず敵の攻撃は当らない代わりに左手の短刀で受けてから忍刀で切りつけているため処理速度は高くはない。という戦況で、20分たらずでソフィアチームの圧勝となってしまった。これでわかったことはEBS5機でBS30機は難なく撃退できるということである。
模擬戦を観察して、ソフィアは対メイルアンドロイド戦の戦略を考えた。アマゾネスツインズはスピードとパワーがある。その取りこぼしをシノがスウィープするのがいいのだが、シノはスケートのスピードに付いていけない・・・うーん・・・
「ねえ、レイ! シノ用に円盤のようなホバージェットでシノが上に乗って体重を載せた方向に進むものってできないかしら?」と聞いた。
「開発に聞いてみますね。それとソフィアさん、この後ガリオンの調整に立ち会ってもらえますか?」とレイが言った。
「わかったわ。ジュリアもくる?」 「いいわよ!」
そのホバージェットができれば、アマゾネスツインズとシノニンジャの3名チームにして、私とジュリアそしてガリオンチームに分けて対応することが可能になるのだと思った。
「あっレイ、それと私らのEBSの背中にジェットを2つつけられるかしら?ジャンプしながら前に進行できるように。できたらガリオンにもつけて欲しいわ。」
「わかりました。ガリオンにはすでに付いています。」
という会話をしながら3人はガリオンを起こして一緒にラボに消えて行った。
残された3人は・・・
イザベラ・ルイーズは、「BLANC TWINSを見た? やっぱり教科書の通りすごかったね。ソフィアさんはオールラウンダー的な役割だけど、やっぱりジュリアさんの剣捌きは只者じゃないよね!鬼気迫っていたね。もちろん模擬戦だから真剣度は全くなかったけど、実戦を見てみたいわね。しかし、このEBSはいつ乗っても私らの思い通りに動くのが素晴らしいわね!このチームだったら、いつあいつらが大軍できても大丈夫だね。」と安心したようであった。
シノも、「私もソフィアさんが言っていた乗れる円盤みたいなものがあったら、もっと活躍できるわ。大鎌もそろそろできるしね。」と表情が明るくなっていた。「ソフィアさんは、ほんと観察が鋭いわね!やっぱり、あのBLANC TWINSに来てもらってよかったわ!私達勝てるような気がしてきたもの!!」 という感じで、この模擬戦はチームビルドにも一役買ったようである。