34:サイボーグヒューマノイド現わる
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
実はこのシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
この階の上は3階になり、最上階の4階には貴族院がありそこに10名の貴族の長老がいるはずだ。
3階も2階と同じ構造になっており1つの大きな空間となっているが、また1階と同じように左右に上がる階段が設置されていた。
そしてその最終階段を守るロボット兵士が5体ずつ計10体が配置されていた。
ここのロボット達も同じように少し大きめで3mはあるだろうか?アーマーが今までのものとは違い、クロームカラーでゴシックのようなしかしフューチャリスティックでシャープなデザインで装備も違っている。今までとは違い更に強靭そうなロボット達に見える。
また装備はロングソードと長槍の混合だ。
まずアンドレイが様子見に打ち合ってみた。
アンドレイと同じような素早さが確認でき今までのロボット達とは一線を画している。
パワー的にもヒューマノイドの彼らとは倍以上の差を感じた。
アンドレイは一旦下がった。
ジュリア側に向かって叫んだ。
「奴らは、サイボーグヒューマノイドだ!気をつけろ!!」
サイボーグヒューマノイドとは、再度表現すると人間の脳をロボットに移植した1種のサイボーグである。これは帝国の研究によって実現した産物なのであった。
だから、ロボットという頑強で重量級のボディであるにも関わらず人間の戦闘エキスパートレベルの動きを実現できているのである。既に破壊した3体以外にも小型タイプが存在したのだった。
ジュリアはアンドレイに声をかけた。「アンドレイ、下に戻ってバトルツースで戦おう!」
ジュリアはソフィアにレーザーライフルで撃って出来る限り時間を稼いで欲しいと言って、ガリオンに「相棒!ヨロシク!」と言い残して下の階に飛んで行った。
ソフィアはレーザーライフルに持ち替え狙いを定めている。その間ガリオンは隙を見つけて両翼のレーザーブレードを広げてそのロボット達に襲いかかりながら威嚇していた。
ソフィアはまず5体いる中長槍は3体、ロングソードが2体のため長槍の真ん中の個体を狙って発射した。長槍兵はシールドがないため顔に命中した。ガリオンが注意を惹きつけて場を乱してくれているようだ。
アンドレイもジュリアに言われた通り、サーシャにこの場を任せて階下に降りていった。
サーシャはボウガンでソフィアと同じく真ん中の長槍個体を撃った。胸に命中し動きが遅くなった。
だが、その間、両側の他の2体がこちらに迫ってきている。
お互い破壊はできなかったが、1体づつ致命傷を負わすことができたので一旦2人とも後退して階段の前まで下がった。
奥に2体が残りガリオンと戦っているようだ。
ロングソードの個体2体がソードを振り回しているのだが、一向にガリオンに当たる気配はない。ガリオンは時間稼ぎに遊んでいるようにも見える。
ジュリアは宮殿の入り口に置いてきたラップアラウンドスーツに再び入り着用完了した。
少し遅れてアンドレイも着用が完了した。
アンドレイが、「ジュリア、OK!完了したぜ!でもこの大きさでどうやって階段を登るんだい?」と着たはいいがどうする?という具合に疑問に思い聞いた?
2人はテラスに出て、ジュリアはフライングエンジェルの飛行ロケットを点火した。
「アンドレイ、私が抱くから一緒に飛んで3階のガラスを破って入りましょう!」
「抱かれるからって照れないでね!」と冗談を言ってジュリアはアンドレイを抱いてロケットを最大限に噴射し上がっていった。
幸いこの宮殿の3階にも大きなテラスがあり、その奥がガラス張りになっていたのだった。
さすがジュリア!いつもながら観察が鋭いのだ。
そして2人はその広いベランダに着地し、ガラス窓を破って3階に入って行った。
ガリオンが時間稼ぎをしていてくれている。
2体ずつが両端のソフィアとサーシャを撃退すべく迫っていたところだった。
ジュリアはソフィア側に、アンドレイはサーシャ側に突進していった。
バトルツースは4m、この帝国軍ロボットは3mぐらいのため、大きさ的にはこれで連合側が有利になった。
しかしバトルスーツの身長では、この宮殿でもヘッドクリアランスがあまりない。天井まではあと2mぐらいだろうか・・・
どちらも1対2のフォーメーションになっているが、ジュリアは天井を気にしながら、ロングソードを敵に向かって振り下ろした。向こうも同じようにロングソードと長槍で突いてきているためシールドで防いでいる。敵も長槍は振り回しにくいようである。
ジュリアはシールドとロングソードで戦いながら、左肩に装備されているレーザーキャノンを敵ロボットに向けて発射したのだった。
それを受けた長槍のロボットが胸部に直撃し床に倒れた。あまりの威力に胸部に大きな穴が空いている。
ジュリアはその後すかさずロングソードで横たわるロボットの首を切断し動きは静止した。
その間もう一体のロボットは後ろに下がってシールドで覆い体制を立て直していた。
1対1となればジュリアが有利であろう。
敵もサイボーグヒューマノイドなので動作は機敏であるのだが、やはり鍛えたジュリアの動きにはついていけないようである。
ジュリアが剣で左右から交互に押しているが、それを防ぐのに精一杯のようだ。
遂にスキができて敵の剣を払いジュリアのロングソードが正面から胸にグサリと突き刺さった。そして彼女は動きが止まったところで、刺さった剣を抜き右旋回で大きく振り回し首をはねたのだった。
そして2機を破壊したガリオンは射撃されてショートして立ったままになっている2体を破壊しているところだ。
さて、アンドレイ側はどうなっているのだろう?
2体の攻撃に合い、シールドと剣で防いでいた。
そこにジュリアが加勢して入り右サイドのロボットのシールドを持つ腕を切り落とした。
これで2対2のフォーメーションだ。
またジュリアは敵剣を絡めながら踏み込んで突いたのでロボットの右胸に深く刺さった。
そして腕が動かなくなった時点でゲームオーバーとなり首をはねた。
1対1になったアンドレイはパワーで相手シールドを打ち落とし攻め込んでいるため、ロボットがたじろいで下がっていった。
回し蹴りが敵の右横腹に入りよろけた瞬間に、大きくロングソードを振り下ろして
首から肩にかけて切断した。
彼はパワーバトルスタイルなのだ。敵機は真っ二つになった。さすがサイボーグのパワーが活きている。
これでこのフロアーがクリアされた。
戦いの最中にソフィアとサーシャのピンクコンビは中央階段を上り、
4階最上階にて最終ラインの貴族院室のドアを守る帝国貴族院所属の精鋭部隊20体と対峙していた。
どうやら彼らは遂に人間のようで10人の貴族院メンバーの護衛であった。
中世のナイトのようなプレートアーマーに身を包み重装備の剣豪に見える。
流石にバトルスーツでは階段が邪魔し上階に行けないため、ジュリアとアンドレイは
またスーツから離脱し人間サイズに戻って4階に駆け上がって行った。
下の階では、ガルシア、イメルダ、マチルダ達も無事だったようで上がってくる音がしている。
ここもさらに天井が高くだだっ広い空間だ。
その時である。
高いゴシック様式の天井の4隅の穴から何やら黒く蠢くものが現れてきた。
アンドレイが「あれは遺伝子操作された毒グモだ!」と全員にウォーニングした。
1匹の大きさが3mぐらいはあるように見える。
次から次へとその天井の意匠のようになった部分から不気味に現れてすでに30匹ぐらいは天井に散らばりこちらを伺っている。
アンドレイが「イメルダ!あいつらをブラスターガンで撃ってみてくれ!」と言った。
「わかったわ!マチルダ、一斉射撃してみて!」
マチルダが「わかりました!」と言い、部隊の全員が構えてブラスターマシンガンで射撃した。
すると奴らはそれを受けて効果があったように見えた。
天井にへばりつけなくなったようで、次々と尻尾から糸を出して下に下がってきたのだった。
アンドレイが「奴らはアゴに神経毒があるから気をつけろ!」と叫んだ。
そして再度マチルダ隊が攻撃し、毒グモ達は一瞬動きが止まった。
そして一斉に蜘蛛の糸をマチルダ達目掛けて発射した。
彼女らはシールドで遮ったが、糸が絡んだ物は溶け始めている。
そしてガルシア筆頭にマチルダ隊の槍兵達が前に出て毒グモを刺し始めた。
その返り血を浴びた数人のアーマーが溶けてきている。
刺して飛び散る体液もアシッドなので床も溶けているのだ。
ガルシアが「これはアシッドだ!みんな気をつけろよ!」とウォーニングした。
かなり不気味でちょこちょこと足が速い奴らだ。
先ほど効果があったため、マチルダ司令は、ブラスターマシンガンと長槍の2名ペアにして一匹を攻めるフォーメーションに急遽変えたのだった。
その戦略が功を奏して、ブラスターガンで動きを止めて長槍で奴らの頭部を刺すという方程式でドンドンと仕留めていった。数名がアシッドを浴びてアーマーが溶ける場面もあったが、幸い命を落とすメンバーはいなかった。