33:帝都戦開幕!
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
実はこのシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
残るは帝国の首都であるモスクワのみである。
この首都は皇帝亡き後も貴族院による統治が引き続き行われており、市内に潜伏するバトルストラテジーリーダーであるセルゲイにより市内各地で露払いとしてゲリラ戦が行われている最中であった。
モスクワはサンクトペテルブルクで降伏した軍隊ではなく、貴族が支配し統制しているためその10貴族の私兵である軍隊が防衛しているのだ。
つまりこのモスクワ守護軍は10貴族の精鋭が割り当てられているという噂だ。また、地方貴族も含まれているため、すでに民衆の武装蜂起で城を奪われしまった貴族も含まれているのだった。
いわば貴族達にとってここモスクワは最終決戦の場で排水の陣を敷いている。
カナダ軍はサーシャを通して民衆の武装蜂起をコントロールするセルゲイと連携することになっていた。
そして第一段階として、マチルダの連合カナダ軍はモスクワ中心部を包囲した。
モスクワの帝国軍としては軍のレーザーキャノンを搭載した約200台の戦車部隊がクレムリン宮殿の周辺を防衛し貴族軍の重武装した200近いナイト達が宮殿内にて戦闘に備えているという情報がある。
マチルダの戦車・ロボット部隊と連動しながら、ナイツ・ルージュのメンバーがモスクワ市民と一団となり包囲網を狭めていっているところだ。
マチルダ軍の編成としては、人型ロボットのバトルロボットはマチルダ以下の下士官が操縦する20機。その下の一般ソルジャー達は下士官機2機が操縦するバトルロボットに率いられてレーザー砲とブラスターマシンガンを搭載するレーザーキャノンタンクを3名で操縦する布陣を取っている。そのため10台ずつの編成で10チームになるため総勢100台の大部隊となっていた。
もちろん、その戦力にはすでにジュリアとアンドレイのバトルスーツも最前戦に加勢しているわけで、ジュリアのバトルスーツはフライングエンジェルを着用したまま、アンドレイのバトルモビルと2体が最前線にて敵の出方を窺っている。その後ろに下士官達のバトルロボットが取り巻き、またその後方にそれぞれのタンク部隊が連なっているという連合軍始まって以来の大部隊の勇姿を始めて見ることができた。
さて、ソフィア達はというと、スーパーソニックジェットを降りてイメルダ達のホバージェットにて作戦会議中だ。
イメルダとガルシアはマチルダ達重戦士達のサポートに回る予定で、ソフィアとサーシャはタンク部隊が敵タンク軍団を制圧した時点で宮殿に先鋒として乗り込みジュリア・アンドレイと共に宮殿を制圧するプランとなる。
敵タンクが砲撃している中、まずは宮殿を包囲しているマチルダ率いるバトルロボット20機のレーザーキャノンが火を吹いた。そしてあまり戦意が高くない帝国のレーザーキャノンタンクを次々と破壊していた。
帝国のタンクもレーザーキャノンで応戦しているのだが、バトルロボットのシールドに阻まれて効果が出ていない状況だ。
日本のスーパーソニックジェットも密かに加わっていたのだった。
帝国の爆撃機がどこからともなく数機接近していていたのだが、
いち早くレーダーで察知し、レーザーキャノン砲で撃墜していた。
そして、敵の戦意を確認したソフィアが、
「アキラ、いいわよ。やっちゃって!!」と号令した。
すると、宮殿の遙上空での停止状態からその爆弾をタンク部隊に落としたのだった。
その攻撃で敵タンク200台のうち半数は破壊されたであろうか?
たった一機であるが素晴らしい活躍であった。
その流れに乗って、マチルダ達のバトルロボットは前進している。そしてその後方にタンク部隊も付いてきていた。
まずはバトルロボット20機は攻撃を喰らいながらも敵タンクを潰せるだけ潰し宮殿に到達することが第一ミッションとなる。そのどさくさに紛れてジュリアと共にアンドレイのバトルモビルはランスで戦車を破壊しながらその後に続く。
第2段階としては、彼らが宮殿に到達できた時点で機を降りて重装備の戦士として宮殿内のナイト達と戦うことになる。
その後は残ったタンク軍団が帝国のタンク部隊の生き残りを殲滅する計画だ。
そして、まさしく今その作戦の火蓋が切られたのであった。
カナダ軍バトルロボットはどんどん進んで行った。激しい戦いとなっている。
その間レーザーキャノンで前方を攻撃しながらロングソードや長槍などの武器で敵タンクは潰されていっていた。
無事マチルダ達が宮殿の入り口に到着した時点で、控えていたソフィアとガリオンが乗るジュリアのホバージェットとイメルダ・ガルシアが乗るホバージェット2台も、味方タンク部隊で作られた壁のような導線内を疾走し宮殿に到着した。
これでジュリア、アンドレイ、ソフィア、サーシャそしてガリオンが最前線に揃ったのだ。
その後の2番手としてイメルダとガルシアが先導するマチルダ下士官部隊も続いた。
全員ジャパンメイドのブラックのバトルアーマーを着用しているが、オンエアー用の映像効果として今回は女性陣前衛サーシャとソフィアの2人はピンクアーマーを着用している。
このシーンも勿論オーディエンスに放映されているのだ。
実況放送はこんな感じだ。
「これが帝国軍との最後の戦いとなります!まずは4人の装備を解説しましょう。
ジュリアはいつも通りロングソードにシールドそしてボウアンドアローも背中に見えてますね。
アンドレイ王子もジュリアと全く同じ装備です。そして我らのルージュ姫は短剣のダガーとシールドそして背中にはボウガンも見えます。ソフィアはどうでしょう?・・・シールドと背中にレーザーガンをさし、お気に入りブラスターマシンガンのハンドガン仕様を胸の下で構えている重装備です。それと両太腿あたりに短剣もさしているようですね。
そして彼女らの後に連合軍のガルシア・イメルダ・マチルダの部隊が続いています。」
マチルダが命じ、タンクがレーザーキャノンで宮殿正門を破壊した。
まず4人が入城したのだが、やはりこの正門内のホール正面にある中2階の階段踊り場から20機はいる敵弓兵ロボットが強力な弓矢が放ってきた。
ジュリア達はそれを予想はしていたので、破壊度数が高い弓矢であったがシールドで上手く振り払った。
マチルダは、「M1!ここに!」という号令でブラスターマシンガン部隊20人が前に出てきて敵弓兵に向けて撃ちまくっている。敵弓兵ロボットがシールドで防衛している間に、ソフィアとジュリアが右階段方向へ、サーシャとアンドレイが左階段方向へ走って移動した。
ジュリアがその前に「ガリオン。出番よ!思う存分暴れてきな!!」と言って彼を解放したのだった。
ガリオンはまず目の前の獲物である敵弓兵目掛けて猛スピードで走っていった。
そしてあっという間に階段を登り兵士に飛び掛かり襲撃している。
そして両側の階段前にはブラスターマシンガンを構えたヒューマノイドロボットが5体ずつの10体が彼らを待ち伏せしていた。帝国軍のナイトは200と聞いていたが、これはもしかしたらそのほとんどはヒューマノイドロボットなのかも知れないと思った。
前衛のソフィア・サーシャともシールドでかわしながら素早く接近しソフィアはブラスターガンで動きを止めジュリアがトドメを刺す、そしてサーシャがタガーナイフで格闘しアンドレイが刈り取っていくという戦法で早くも計20体をクリアした。
「これ、全部ロボット兵士じゃない! ナイトが200人っていうのはデマ?」とソフィアが不思議がって言った。
「そうね、それで40体がロボットだったわ。全部ロボットなんじゃないの?まあ、でもロボットの方がヤる時に躊躇しなくていいけどね。この上の階にも沢山いそうよ!」とジュリアが答えた。
ソフィアチームとサーシャチームはほぼ同時に2階フロアに出てみると、なんとロボット兵士の軍団が整列して彼女らを待ち構えていた。一面がフラットなフロアーとなるかなりの広さがある階でボールルームのようにも見えた。
このフロアの奥中央に3階に上がる階段があるため、それを守るように10体が4列に左右に分かれて陣形を組んでいるのが見えた。そしてこのロボット兵士達はこれまでのタイプと違って大型の軍団で長槍を構えているので見た目は少々厄介そうに見えた。
ここでは重戦士のジュリアとアンドレイが前にでた。
そしてジュリアが口笛を吹いてガリオンを呼んだ。
2人はお互い逆側から中央階段に向かってシールドとロングソードを構えてロボット達に歩み寄っている。
そして一歩下がった横にソフィアがブラスターマシンガン、サーシャがボウガンを構えている状況だ。
ガリオンが下の階を平らげてこの階に飛んで入ってきた。
いきなりそのまま敵のロボット兵士めがけて突進して行ったのだった。
ガリオンのボディは特殊金属のためロボットなどの武器では刃が立たないのである。
背中に搭載されたレーザーガンを撃ちまくりながら両翼のレーザーブレードも広げた状態でロボット軍団に襲いかかっていった。そしてガリオンが突進した直線上に足が切断された倒れたロボットが散乱している状況の中、ジュリアとアンドレイが第一陣めがけてロングソードを大きく振り回しながら攻め込んでいった。その横にソフィアとサーシャがピッタリと付き、打ち損じたロボットを排除しサポートしている。
その頃合いで、エントランスフロアーをクリアーしたイメルダ・ガルシアがサポートするマチルダ下士官チームも階段を上がり合流した。
敵ロボットの隊列は右側のジュリアに向いているブロックと左側のアンドレイに向いているブロックがあり丁度中央が無防備な陣形になっていた。
イメルダとガルシアはそこに目をつけて、まずガルシアが長槍を持って攻め込んで行った。
「みんなー!俺につづけー!!」
イメルダがサポート&クリアーで続き、その後にマチルダ達の下士官チームが続いている。
この帝国軍ロボット軍団は身長2mはある巨体にプレートアーマーを装着しており、長槍の武装タイプとシールドとロングソードを持った武装タイプがいる。
まずジュリア達の戦いを見てみよう。
ソフィアがシールドを構え敵の振りをかわしながらマシンガンを前方のロボットに向けて連発でぶっ放している。それにショックを受けている間にジュリアが次々と首を落として行っているといういつもながらの光景だ。
では、アンドレイ達は?
まずはサーシャがシールドで身を隠しながら、ダガーでロボットの関節部分を攻撃したり、格闘技のようにキック&パンチを繰り返している。その接近戦でバランスを崩したロボットに向けて、アンドレイはロングソードで突き刺したり首を切ったりしている光景だ。
ガルシア達はどうなっているのだろうか?
敵軍団の中央分け目にまずはガルシアが長槍で押し入って行き敵ロボットは左右の軍団共に横向きの隊列であるため容易に横腹部を刺せている。その一刺しでショートするため、そこをイメルダがアックスで足を切断し動きを止めた後で、マチルダがロングソードで首を落として行っているような光景が広がった。
マチルダの下士官チームも同じように3人1組でその後に続いているのだ。
ヒューマノイドロボットよりは大型で装甲も厚いため、いつもよりは時間がかかっているものの連合軍の負傷者は今のところ出ていないようだ。
この乱戦となっている状況下でまずジュリアとソフィアが奥の中央階段下に到達した。
ガリオンもどこからともなくやってきて3人で中央階段を守る敵ロボット5体と戦闘中だ。
少し遅れてアンドレイとサーシャもその戦闘に加わった。
振り向いてこの広間の戦闘状況を見てみると、ガルシア、イメルダ、マチルダ軍団が残り残存ロボット兵士を破壊している最中であった。
最初はガルシアとイメルダの実践の様子を見ながら戦っていたマチルダであるが、今や水を得た魚のように自由奔放に戦っているのがわかる。まるで自分がジュリアであるとイメージしながら戦っているようにも見えた。