28:バンカー攻略戦スタート!
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
実はこのシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
遂に開戦となってしまった。
湯沢のソフィア達にもその朗報が伝わり、彼らも急遽バンカー攻略戦の出陣の準備を始めている。
全員ブラックのバトルアーマーを着用し武器類はフル装備だ。
ただルージュ達との連動のためサーシャだけは今回もピンクのアーマーである。
すでに4人用のラップアラウンドスーツも個人に合わせたフル装備で搬入されていた。そしてスーパーソニックジェットにはバトルモビルが3台搬入されている。
この3台というのはランスを装備した突撃タイプのサーシャとアンドレイ用2台とレーザースナイパーライフルを装備したソフィア用の1台だ。
なぜジュリア用がないのだろう?
それは今回試作機として開発部の田辺部長が秘密裏に開発に成功したフライングエンジェルが2機用意されたのであった。
ジュリア用となんと相棒のガリオン用なのだ。
これは成功すれば画期的な兵器になる予定だ。
ジュリアの場合はバトルツースを着用した後にこのフライングエンジェルを背中に装着するとフライングユニットとなる。
小型ロケットエンジン4機がV型の翼に装備されており、その両翼にレーザーガンが2門装備されているのだ。
そしてガリオンの場合は、対レーザー砲緩衝材の着ぐるみのようなスーツを着用した後にこのフライングエンジェルを装着する。ジュリア同様にロケットエンジンとレーザーガンも装備している。
飛び立つ時は、直立の状態でロケットが発射し垂直に上方向に飛び立ち高度が保てた状態で体重を全方に移動し飛行状態に移る。そしてハングライダーのように重心を移動しながら方向を変えるという簡単な仕組みなのだ。そして、降下するときはロケットの出力を落としながら高度を下げて着陸可能な高度になった時点でエンジンを切ると重い脚部が下がり足で着陸ができるのだ。一方ガリオンの方は、ロケットエンジンを使いながら助走のようにして前方にジャンプするとそのまま放物線状に上って行き飛行できる。そして重心を移動しながら方向を変えて、ジュリアの場合と同じように着陸する仕組みだ。
問題は、両名とも訓練なくして使いこなせるか?にかかっているようだ。
さて、装備が完了し、ヒロ・タカも加わりアキラが操縦するスーパーソニックジェットが戦場へと飛び立った。
またいつもの山脈を縫う航路を取り、以前アンドレイとサーシャがキャンプをしていた丘の上に着陸した。
ここからはバンカー要塞とは目と鼻の先となるため、敵の攻撃を喰らう前に一行は素早く準備しカーゴハッチから地上にお降り立ち戦闘準備を開始した。
ジェットの前にはヒロが台座にレーザーキャノンを備えて対空防衛を担当している。
タカはそれを防御する重戦士の役割のため2人ともバトルスーツを着用していた。
そしてアキラは全員出払った時点で素早くシールドを張って敵のレーザー攻撃に対処した。
アキラは機内で敵の航空攻撃に備えたレーダー担当である。
ソフィア達4人もバトルスーツを着用し、サーシャとアンドレイはバトルモビルに乗りバンカーまでの動線を確認している。
ソフィアはヒロの少し先にバトルモビルを固定しレーザースナイパーライフルをバンカーに向けてライフルスコープを覗いていた。
さて、問題のジュリアとガリオンだが、ぶつけ本番のフライングエンジェルの使用が可能か?という命題に直面していた。とりあえず両名はバトルスーツにフライングエンジェルの着用が完了した。
全員ヘルメットの無線で交信が可能かチェックした後、ソフィアの宣戦布告の合図を待っているところだ。
そして遂にソフィアが、「みんな!行くわよ!アンドレイ、サーシャ、ゴー!!ゴー!!」
そしてアンドレイとサーシャが丘を下って湖を横断している。
「ジュリア、行ける?」「OKよ!」という会話の後に、
まずはガリオンが丘を走り下っていった。その際スピードで体が浮上しイメージ通りにグライダーのように空に飛び立つことができた。
次は、ジュリアである。彼女は立ち姿勢からロケットを噴射させて上空に上がっていった。
そして100mぐらい上昇した時点でロケット出力を最大限にして前方に体と傾けた。
すると彼女の体は斜めに上昇するように空に向けて飛んでいった。
これでフライングエンジェルがシミュレーション通り稼働したことになる。
さてバンカーではこちらの動きを察知し、まずは予想通り山頂のレーザー砲が現れてきた。
そしてバンカーのグランドベースの部分の壁がハッチのように開き戦車やヒューマノイドロボットが多数出撃してきた。結構な数である。
アンドレイとサーシャは湖の半分を渡ったあたりにおり、2人ともブラスターマシンガンを撃ちまくっていた。
まず彼らよりも先に対岸に到着したのがガリオンだ。
彼はフライングエンジェルはを両脇に畳み格納し、背中に装着されたパワードブラスターガンを走りながら打ちまくっていた。その数発が敵の戦車に命中しており、フリーズしている個体もいくつかで確認できた。
そして、次はソフィアの出番である。
ソフィアは、まずはヒューマノイドロボット排除担当なのだ。それが今回の作戦のキーとなる。
敵軍最強のヒューマノイドロボットは現在5体が確認できている。
1体ずつレーザー砲で狙いをつけ撃ち始めた。最大限のパワー設定をしているためチャージまでに5秒と時間がかかるため、アンドレイ達に近い個体を優先的に撃っているところだ。
すでに上陸しているガリオンが対岸の上陸地点の敵を排除してくれたために、アンドレイとサーシャは簡単にバトルモビルで上陸ができたのだった。
そして、2人ともブラスターマシンガンを連射しながらランスを構えて突進して行った。
その後にガリオンが続いてスタックした戦車の砲塔を破壊している。
さて、ジュリアであるが、ぶっつけ本番の飛行のため上空で操縦の確認をしながら飛行していた。
そして、ソフィアから「ジュリア、フライトはうまく行った?大丈夫そうなら、山頂のレーザーキャノンを叩いて欲しいの!」という無線の指示が入った。
「オーケー、ここからは下に見えるあの5門ある巨大なやつね。わかったわ!」と言って下降し始めた。丁度稼働し始めた砲塔と同じレベルに飛んで前方より近づいている。それに気がついたレーザー砲の砲塔がジュリアに照準を合わせてきた。
そして5門ともジュリア目掛けて発射されたのだった。
しかし、ジュリアは初めての飛行にもかかわらず、ヒラリと上方向に旋回していとも簡単にレーザー攻撃を避けていた。そして再度正常飛行体制に戻り今度はジュリアの番である。レーザー砲の照準を砲塔に合わせて発射した。両翼の2門から発射されたレーザーはその砲塔に命中し爆音と共に砲塔が破壊され崩れ落ちてきた。無事ミッションコンプリートだ。
敵陣に突入したアンドレイとサーシャのラップアラウンドスーツはどうなっているだろう?
バトルモビルを降りた2人は敵のバトルロボットと対戦していた。
その中の2体が機敏な動きで戦っているため、例の噂のサイボーグヒューマノイドが乗るバトルロボットのようだ。
やはり流石に動きが早く他のロボットとは段違いの攻撃力で、サイボーグの彼らを持ってもかなり対応が大変そうである。まさに互角の戦いを繰り広げている最中だ。
まずバトルスーツは人間のサイズの2倍ぐらいなので、6mあるバトルロボットとは2mの身長差がある。帝国のバトルロボットの操縦は通常ヒューマノイドロボットがするため、ラップアラウンドスーツを着用しているアンドレイ達であれば簡単に破壊が可能だ。だが、この2機に関しては電脳化された人間がロボットを義体のように操れるサイボーグヒューマノイドが操縦しているのだ。当初のリサーチでは3体はあるだろうと言うことであったが、バンカーに配備されているのはこの2体だけのようだ。あと一体はどこにあるのだろうか?帝都モスクワの守備に充てられているのか?いずれにしてもここでこの2体を排除しなければ後々大変な被害を被ることになる。
アンドレイとサーシャは各々一体ずつを担当して剣をぶつけ合っている。
訓練の成果もありサイボーグであるアンドレイとサーシャはとてもクイックな動きを可能にしてはいるのだが、それと互角な戦いを広げているこの2体は恐るべき身体能力だ。
上空では、帝国軍航空機はまだレーダー内に入ってきてはいない。
ジュリアのフライングエンジェルはそもそも敵の航空機対応のために開発された兵器なのだった。彼女は敵機の接近があるまで上空に待機しながら、バトルツースの左肩に装備されたレーザーガンを使用し空から戦車を撃破していた。
その頃5体あるバトルロボットの3体は既にソフィアのレーザースナイパーの餌食になっていた。
そしてソフィアからアンドレイとサーシャに通信が入った。
「私が狙うから少し奴らから離れて!」
戦闘中であった2人は即座に後方に下がったので、サイボーグヒューマノイドが操るバトルロボットの前が一瞬空いた。
そこを狙ってソフィアのレーザーライフルが轟いた。
アンドレイが戦っていたバトルロボットの顔面が狙撃されそのショックで後ろに倒れた。
アンドレイはそのチャンスを掴み、そのロボットの上に屈みロングソードを胸に突き刺したのだ。剣が貫通したため操縦しているサイボーグヒューマノイドも遂に絶命した。
次はサーシャ側のバトルロボットだ。こちらは、『どこからのレーザー攻撃なのか?』と言う風にソフィアの方角を見回している。どうやらソフィアを確認したようで、自分のレーザーをソフィアに向けていた。再度ソフィアはチャージ時間の5秒を待って彼が撃つ寸前にレーザーライフルを発射した。そしてまたもや顔面に命中しそのショックで倒れたところを、またアンドレイが同様に対処しロングソードを胸に突き刺したのだった。
これは危機一髪だった。
サイボーグヒューマノイドが操縦すると思われるこの2体のバトルロボットの破壊を確認したソフィアはバトルモビルで彼らに合流すべくバンカーの建物に向かって行った。