27:革命の始まり
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
実はこのシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズン1が終わった後に公表したいと思います。
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
そして湯沢に到着し、各々自分の部屋に戻っていった。
流石のジュリアも久々の戦いで疲れたようだ。
『今夜はバスタブに浸かろうかしら。』とお湯を張っている。
その間、ソファーにゆったりと座りパノラマウインドウ越しに行き交うドローンの光を眺めていた。
どうやらソニックジェットでサンドウイッチを摘んだだけだったのでお腹が空いてきたようだ。
キッチンに行きパントリーにあるシーソルトのクリスプスと赤ワインを持ってきた。
お湯が張れるまでワインをグラスに注いで摘みながらボーとすることにしたようだ。
ソフィはどうであろう?
彼女はまずは汗を流したかったようで、部屋に戻るとすぐに熱いシャワーを浴びでバスローブに着替えた。髪をバスタオルで結び湯上がりバービーのようである。彼女も小腹が空いたようで、冷蔵庫から白ワインとチーズにオリーブを持って来た。
やはりソファーに座ってドローンを眺めながら寛いでいる。
アンドレイとサーシャはどうであろう?
2人もやはり一緒にシャワーを浴びた。
寄り添いながらソファーに座り寛いでいる。
「お兄様、やっと目的を1つ果たしましたわね。」
「そうだね。ソフィアとジュリアには感謝しないとね。」
「あとは皇帝ですわ!」
「そうだね・・・まあ今夜は僕らもゆっくりベッドで休むことにしよう。」と
2人は一緒にベッドに入っていった。
一方帝国では、オムスク革命の成功が民衆にも広がり大変な騒ぎになっていた。
民衆のさらなる反乱を心配した皇帝は、大規模な討伐軍をオムスク自治区に向かわせようと編成の準備をしている最中である。
それを知ったスロバキアのグスタフ王は千載一遇のチャンスと受け取り、内密にオムスク自治区救済を思案していた。
クラブ・ルージュの会長ユーリの仲介でナイツ・ルージュのバトル・ストラテジーリーダーである司令官のセルゲイをグスタフ王に引き合わせたのだ。
会合の結果、グスタフ王配下の騎士団を秘密裏にオムスク自治区に派遣し防御を強化することになったのだ。またグスタフ王の配下の遊撃兵達により帝国軍が下ってくる山中をゲリラ的に狙い撃ちするという約束も取り付けた。ただその成功を持って自治区は王に納税をすることになり、グスタフ王は納税がある期間は防衛に協力するという密約となったのだ。
オムスク自治区も防御の準備を進めている。
ルージュバンクには今や強力な資金力があるため、日本から最新式の武器類や兵器を輸入して防衛に充てていた。
そして、このオムスク自治区の出現は、ユーラシア帝国において重要な意味をもたらすことになったのだ。
なぜなら、西側の対カナダ戦に全勢力を持って対応しなければならないはずが足元から崩れかけているからだ。まずは南西のスロバキア王の脅威から始まり、南東のオムスク自治区の出現にて帝国の東は不穏な動きがある。そもそも帝国の軍事力は西側からの防衛のためにサンクト・ペテルブルクとモスクワに集結しなければならないところを帝国領東側の統制に1/3は充てなければならなくなってしまったわけだ。
そしてナイツ・ルージュ達が扇動し、圧政に喘ぐ極東の人民達がこの革命のウネリに加勢するようにもなって行った。日本から秘密裏に輸入していた武器を使用し遂に武装蜂起が各地で起こっていた。そしてあっと言う間に警備が薄い極東のウラジオストクとハバロフスクが落ちた。
その頃モスクワより派遣されたオムスク自治区討伐軍は、途中の山道でグスタフ王傘下のスナイパー遊軍の神出鬼没な攻撃に遭い立ち往生していた。いつスナイパーの餌食になるかわからない恐怖の状況下で兵士は怯えて兵忠誠度は極端に低下しており脱走する兵士も現れていた。
それを静観していた例のウォーターシティのカナダ軍総司令は決断を下した。
遂に攻め時と、マチルダ少佐率いる下士官20名と総勢300人の軍隊を潜水艦に分乗させて出陣したのだ。その中にはもちろんガルシアとイメルダも加わっている。
ウォーターシティからのロケット砲によるサンクト・ペテルブルグの攻撃を宣戦布告の合図にして、潜水艦軍団は一気にエストニアのタリンを海岸から包囲した。
そして潜水艦からのレーザー放射によりタリン港沿岸一帯の軍攻撃施設を壊滅させた後、マチルダ少佐が率いる2個小隊の60人が上陸を敢行した。敵軍の抵抗があったものの負傷者もなく無事占拠できた。その60人の他にガルシアとイメルダも同行し先導している。
第二段階としては、ここタリンを本拠地にしてサンクト・ペテルブルクそしてモスクワを攻める段取りとなる。