19:剣姫降臨!
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
実はこのシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズン1が終わった後に公表したいと思います。
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
ソフィアが、「そういえば、ジュリア! カナダエリアの下士官たちがあなたを待っているのよ。今ガルシアとイメルダが武術の特訓をしているでしょ!? 今頃いい具合の鍛錬度になっていると思うわ。その下士官の中のマチルダ少佐と言う司令がいるんだけど、あなたの大ファンでまるで追っかけ状態なの。ぜひあなたからロングソードを習いたいと言って聞かないのよ。やる気がある子だから私としても教えてあげて欲しいのよね。」
ジュリアが、二つ返事で「わかったわ。お安い御用よ!」やっぱり口数が少なく簡単である。
「じゃ、その間、私とアンドレイは実際のバンカーを想定して、コンピューターでシミュレーションした部屋空間を作るわ。そして、その空間で攻略のための実践訓練をしてみるわね。」
早速、ジュリアが装備をまとめてソニックジェットでカナダへ向けて飛び立った。
ジュリアがブラック一色のバトルアーマーを着用して、ウォーターシティの訓練所に登場した。もちろん背中には愛用のロングソードがある。
丁度、下士官たちはガルシア達教官による武術の訓練の真っ最中であった。
ジュリアがトレーニングルームに入った瞬間全員が静止した。そして、その全員がまるで神でも見るかの如く止まったまま凝視しているのである。
数秒その状態が続いたが、イメルダが、「あら、ジュリア!よく来てくれたわね!!! さすがB F F!」と言って、ジュリアとハグしたのでまた場が戻った。
「みんな!彼女が噂のジュリアよ!よく拝んでおきなさいよ!戦場では勝利の女神様なんだからねー!」
下士官全員が、是非ともジュリアの剣術を見たいと願うので、木刀での模擬戦をガルシアとすることになった。
すでに彼らにとっては、ガルシアも神の域であるのだが、その上の女神とはどんなものなのであろうか?というこの世に存在しないものを見るような真剣な目つきに変わっていた。
ガルシアも、今まで負け続けているが、弟子の前では今回は!という気合いが入った見え方になっていた。
だが、しかしジュリアも遊んでいたわけではない。
むしろアトランティスで修行を積んだお陰で武術において必要な先を読む力がさらに増していたのだ。
二人は防具を付けて、ガルシアは長槍を、ジュリアはロングソードを構えた。
全員固唾を揉んで見守っている。
ガルシアはこの訓練を通して筋力をさらに鍛えていた。そのため槍の取り回しも今までよりも機敏になっている。まずは振り回しジュリアを威嚇した。
ジュリアも以前より素早くなっていることが確認できた。
そして、ガルシアは一振り回してから、その上乗せされた機敏さを使い速攻で槍をジュリアに向かって差し込んで行ったのだ。今までにはない先攻だ!
実はジュリアはそれを予測していた。
振り回された槍をかわした時点で、正面にひとツキが来ることを予想したため、ジュリアは高くジャンプをしていた。槍がジュリアに到達した時点で、ジュリアすでにその槍の上にいたのである。そして彼女はそのままジャンプし屈伸していた状態の足を下にキックするかの如く槍を地面に叩きつけて抑えたのだった。それにたまりかねたガルシアは槍の右手を取られてしまった。そして、裕にロングソードで振り下ろして試合終了となった。
会場は騒然となった。
あまりにも動きが早すぎて、ジュリアの動きに追いついて行けてなかったのである。
しかし、気がついた時にはすでにジュリアは1本取っていた。
ガルシアが、「今回はいい線いけると思ったんだけど甘かったなー」と悔しがった。
ジュリアが、「ガルシア、今までより早くなってたわよ。」
例のマチルダ少佐と数名がジュリアに歩み寄った。
「ジュリア様、本当にすごいです!ぜひ私たちにもご教授ください!」
「わかったわ! まずは基本の型を教えるからそれをマスターするのが先決ね!」
と言って、真剣に持ち替えイメトレの様に架空の敵と戦うが如く全員に彼女の型を披露した。
もの凄い早さで全身を使い舞台いっぱいで舞っているという表現が一番近い。
まるでバレリーナによる戯曲のような美しい舞であった。
それに全員真剣な顔つきで見入っている。
型が終わり、まるで観劇をしたかのような拍手が巻き起こっていた。
マチルダは実感した。『これが噂に聞いていた剣姫の技なのか・・・』
さらに彼女の中ではジュリアの神度数が最高値に達していた。
そして、ジュリアはそのオーディエンスの弟子達を優しく導いて行った。
簡単な基礎から教えて一連の動きを取れるようにするつもりである。
生徒達はそれを真剣に真似て習得している。
イメルダがガルシアに、「やっぱりジュリアにきてもらってよかったわね!これで戦場で死ぬやつがいなくなるといいわね!」と言って涙ぐんでいた。
今では、2人にとっては彼ら教え子達は子供の様な存在となっていたのだった。
ここまで読んで頂いた方々、有難う御座います! まだまだ続きますよー ということで、ブックマークをして頂けると有り難いです!!