12: ダニエルとハナ
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason4ー余燼よじんが燻る編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!
短編集もやっています!!
スピンオフ『JOE TEMPEST』も宜しくお願いいたします!!
さてさて、捕虜をあてがわれたブライアン達は?
施設内の隔離部屋にその男を裸にして足を縛り逆さ釣りにしていた。
「おい、お前さん、不憫だな〜 ここを襲っちゃダメよ!だからこんな風になるんだぞー」と言いながら、腹にパンチを入れている。
2番手のジョージも、「まだ、殺されていないだけいいと思いな!これからの返答によっちゃ殺しちゃうけどな!」と言いながらキャキャッキャとクレージーに笑いながら、口の中のビールを彼の顔に吐きかけていた。どうやら2人ともすでに酔っ払い中である。
という風に素なのか?役者ぽく演じているのか?わからないぐらい不気味な演出である。
「おい、まず、俺様が聞くぞ〜 いいか! まだ、お前らの仲間はいるのか?」
男は黙っていた。ブライアンは返答を少し待っていたが、
またもや、腹部に強烈なパンチを入れた。あまりの強烈さにその男はむせて全身が痺れていた。
「今度は俺が聞くぜ!お前らのテロリスト仲間ってまだいるのか? どうだい、よくわかる質問だったろ?」
というような海賊風拷問をしばし続けていたのだが、あまりにもハードな尋問のため、その男は全ての情報を吐いたようである。
それをブライアンが、ソフィアに報告をしているところである。
「ソフィア、やったぜ!軽く痛めつけたところ、やつ全部吐いたぜ!」
「お疲れ!ありがとう! で、どうだった?」
「ジョンから奪った兵器類を運びながらどうにか北大西洋を渡ったらしいんだ。奴らのアジトはポルトガルのアルマダっていうところにあって広いテージョ川河口にあるらしいぜ。もっとも岬にあるから歴史的に自然の要塞として機能してるんだと思うぜ。奴らにしてはいい選択だったと思うよ。」
「有難う!ブライアン、さすが海賊さんね!で、他にもテロリストって輩はいるのかしら?」
「それが、あいつによるとまだいるらしいんだよな〜 奴らは先遣隊でこっちのことを調査に来たらしいんだが、リンダ達が出ていったのを見て帰りを張ってたらしいんだ。」
「どのぐらい残ってるのかしら?」
「あと100人ぐらいとか言ってたぜ。」
「まだ、結構いるのね!?」
「早めに潰さないとまずいかもな!?」
「奴らにはどんな兵器があるのかしら?」
「やつ気絶しちまったから、また聞いておくよ!」
「わかったわ!お願いね!」
「リンダ! ブライアン達が情報をゲットしてくれたわ。あいつらまだ100人ぐらいいるらしくて、ポルトガル外洋のアルマダっていうところにアジトがあるらしいわ。」
「なるほど、じゃ、ブライアン達にも加わってもらって潰しに行きましょうか?」
「わかったわ、またあのトリオにもお願いしておくは!」
そして、またイザベラ、ルイーズ、シノがソフィアに呼ばれた。
「さっきはご苦労様でした。あれからブライアンが情報を聞き出してくれたんだけど、ポルトガルのアルマダっていうところに奴らテロリストのアジトがあるらしいの。今回はイザベラにキャプテンになってもらいたいんだけど、あなた達3人とブライアン達で作戦を考えて敵のアジトを潰して欲しいの!暴れていいわよ!」
「へえー、ジュリア!私キャプテンでいいの!? やったー!!久々に暴れられるのね!! 悪い奴らはとことんやっつけちゃうわよ〜!!みんな、やったろうぜ!!」
「いいわね〜 私らを誘拐した奴らよ!あいつら、こっぴどくやっつけてやるわよ!」とルイーズも賛同している。
「わかりました。とは言っても敵の兵器が気になりますね!ブライアンに聞き出してもらいましょう!」
というミッションが下り、3人は海賊達の船に行ってしまった。
ところで、一体 ハナ達はどうなっているのだろうか?
その頃ハナはパトロールを兼ねながら、ダニエルを色々な場所へと連れ回していた。
「しかし、このオフショア・シティってすごい街ですね!これを最初はソフィアさんとジュリアさん2人で造り始めたっていうのは信じられませんよ!」
「あのお2人は人間のように見えて、人間じゃないですからね〜」
「そして、この真ん中の不夜城! これは大人が中毒になりそうですね!僕にも刺激が強すぎですよ。だって、綺麗なスタッフの方ばかりじゃないですか!? この世界って綺麗な女性が本当多いですよね!?」と言いながら興奮しているようである。
「もちろん、その中に私も入りますよね!?」
「えっ? もちろんですよ〜!」と顔を赤らめている。
「じゃ、そろそろ夕食時なんで、どこか好きなところで食べましょうよ!」
「え、どこでもいいんですか?」
「私たちスタッフはどこでもただで食べられますから」
「じゃ、僕 肉が好きなんですが、僕の世界ではあまり食べらなかったので。あのステーキハウスがいいです!」
と2人は洞窟のような演出のステーキハウスに入っていった。
「ハナさん、あなたもステーキが好きなんですか?」
「はい、大好きですよ!」
「良かった!あっこれがメニューですね? なるほど・・・フィレミニオン、サーロイン、ランプがあるんですね。どれがいいですか?」
「私は、フィレミニオンです。ミディアムで。」
「わかりました、僕はサーロインのミディアムにしますね。お酒は飲みますか?」
「ダニエルさんは?」
「僕は、僕の世界では、まだ未成年なんですが、状況が状況なんでたまに飲ませてもらえるんです。まだ19歳なんです。ビールしか飲めませんが。ハナさんも飲むんですか?」
「私は大好きですよ!なんでも飲みます。姉様たちにはあまり飲むな!って言われますけどね。私は20歳ですから。」
「じゃ、とりあえずビールも一緒にオーダーしましょうか!?」
「僕たち歳が近いですね! 今日は案内有難うございます。」
「いえいえ、どう致しまして! ここはいかがですか?」
「いや〜 まさに天国ですよ!できるのであればここに住みたいですね!」
「ダニエルさんの世界には家族はいないんですか?」
「親戚はいるんですが、両親は戦争で亡くなりました・・・」
「それはかわいそう! でも、私も同じなのです。」
「へえー 僕らは境遇も似てますね!」と言ってにっこりと笑った。
「でも、今は、リンダ姉様とジュリア姉様がいます!」と言って嬉しそうである。
「僕、リンダさんとロンダまで同行したんですよ。その帰りに、あのテロリスト達に襲われそうになったんです。僕がいるからリンダさんは必死に逃げてくれたんです。感謝しています。もしかしたら死んでたかもしれないんで・・・」
「リンダ姉様は男ぽい性格なんですが優しい人です。というか、ここの人たちは何故かみんないい人ばかりですよ。」
「そう、僕もそう感じています。 僕の世界では、イザベラさん、ルイーズさん、シノさんの案内役をしたんですがあの3人もいい人達ですね。イザベラさんとルイーズさんの絡みが面白いですよ。それとシノさんが全く対照的でいいトリオですね!」といいながら無邪気に笑っている。
「私は、あまりその3人とは接点がないのです。あの3人はそもそも日本に居たらしくて、ジュリア姉様達の知り合いなんです。私とリンダ姉様は同じような境遇でジュリア姉様に拾われたんです。」
「そうなんですね!? ここでは全員がみんな親しいのかと思っていました・・・」
「あの3人だけが別格って感じなのですかね!? 来たばかりなのでまだ部屋はないんですよ。」
「そうなんですね!? 知らなかった・・・」
という会話の中、ステーキとビールが運ばれてきたので、2人は無言でかぶりついていた。
「やあ、ハナちゃん! ご苦労様! 今日もカワイイね!! 一緒にいる彼は彼氏かい?」
「あー ポールおじさん! こんばんは!有難うございます。いえいえ、お客様ですよー じゃー またー」
「知り合いですか?」
「いえいえ、ここの住人のおじさんですよ! そろそろ戻りましょうか?」
「わかりました! 今日は色々案内有難うございました!」
「明日は、ガルシアさんからここの設備の説明があると思いますよ。」
ダニエルは、ハナにゲイトウェイのゲストルームまで送ってもらい別れを言った。
『しかし、やばい!ハナちゃんもカワイイ!! 僕はもしかしたら東洋系の女の子が好みだったのだろうか!? 小柄で腰が低いところが僕好みなのかな? もしかしたら、あのミニスカポリスのコスプレ?いや制服に騙されているのか??』と悶々と考えながら心臓がまだドキドキしているのであった。




