9: 2人のEBS
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason4ー余燼よじんが燻る編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!
短編集もやっています!!
スピンオフ『JOE TEMPEST』も宜しくお願いいたします!!
ジュリアの指示通り、クルスクの激戦地が見える丘で待機していたイザベラ、ルイーズそしてダニエルの正面に、突如空間が歪み微かなパープル色の光が漏れたかと思うと巨大なEBSが現れたのだった。
ダニエルが「うわー!! なんだこれ?? すっ、すごい!! これがそのロボットなんですか??」と驚愕の表情である。
「ソフィア、うまくリープできたようね!?」と言いながらイザベラ、ルイーズはEBSに近づいていった。するとEBSの胸部ハッチが開いてバトルアーマー姿のソフィアが現れた。
「成功したわね!やったわ! これであなた達も一度戻って、このバングルを腕に嵌めればここに好きな時に来られるようになるわよ!」とソフィアが歓喜してた。そして、地上に降りてきた。
ダニエルも走って近づいてきて、「ソフィアさん、久しぶりです!、しかし、これっスゴイですね!!」
「あら、ダニエル、元気そうね! そうでしょう! この子で1発暴れてみるからね。そう、あなた方レジスタンス連合の仲間ってことにさせてもらうわよ。あれから、ジョンとは取引がかなり進んでいて、すでに連合にはうちのラップラウンドスーツと戦闘用武器類が行き渡ってると思うわ。あなたにもその利用方法を教授しなくちゃならないから、ここが終わったら双子姉妹と一緒に私たちの国に来てもらいたいの。」
「えっ、そうなんですか!? ほんとですか? 僕がソフィアさんの国に行けるんですか? とても嬉しいです!!」と言って歓喜していた。
「わかったわ。このあとドイツ軍の兵力の視察を兼ねてキーウに戻りながら、そのあとまたジュネーブに送ってもらうわ。で、ダニエル、ブラジルの鉱山から私達の世界に行きましょう! シノは一足先に自力で戻っているから、私達のEBS2体しかないんだけど、まあ、なんとかあなたが乗れる場所はあるかな!?」とイザベラが言った。
そして、ソフィアはドイツ帝国領目掛けてEBSに新規搭載されたガトリング銃を空に派手に撃ち始めた。するとそれを察知したドイツ帝国軍の前線部隊に配属されているレオパルトA2−6の小隊が砂埃を上げながら接近してくるのを遠方に確認できた。
『しめしめ!ドイツ帝国が引っかかってきたわ!あとはソ連軍が来てくれれば・・・』と思っていたところ、望み通りに逆方向より、やはりソ連軍のT80Uがヘリコプター部隊を伴って接近してきているのも確認できた。
『あらあら、ヘリコプターも来たのね!空からやられると少し厄介だから、まずあいつらをやっつけようかしら!』と背面のレーザーライフルを右腕にセッティングした。どうやら10機飛んで来ているようだ。まずソフィアのゴーグルに映るシミュレーション映像でその10機をロックオンした。そしてレーザーライフルを連続照射のスナップモードにし発射した。
「バン・バン・バン・バン・・・」と命中し、その10機は空中で簡単に撃破された。するとソフィアのEBSをドイツ帝国軍と錯覚したソ連軍の戦車部隊が遠方より主砲を発射してきたのだった。ソフィアは咄嗟にフライングエンジェルにて上空に飛び上がりそれを回避した。これが、逆にドイツ帝国軍がソ連軍の先制攻撃と錯覚し、レオパルトA2ー6の部隊からも主砲が発射された。ソフィアがそのまま上空にて待機しながらその光景を見守っていると、すでに両軍の戦車戦が始まっていた。また、後方よりさらに両軍より戦闘軽車両を伴う戦車部隊中隊が接近している。
『それでは、この辺りでお出ましといきましょうか!』と独り言を言いながら、ソフィアは、新開発のレーザーハチェットを背中より抜いてアームドした。それはブルーに光るレーザーの薙刀の形状となって現れた。薙刀として固定された形状で使用できるのと、形状をリリースするとまるでムチのように流動的な形状となりおよそ100mまで伸びる優れ物であった。
ソフィアは、まずそのレーザーハチェットの形状をリリースしてムチ状に変換した。そして、両軍の戦車部隊が対峙している中心地に再度降り立ったのだった。
「我々はレジスタンス連合のものだ! この長く続いた戦争に断固として反対する。速やかに戦争状態を終結してほしい。まずは君たち!ここから立ち去って下さい!さもなければ遠慮なく破壊する。再度警告する。ここから立ち去らなければ君たちを撃破する。」とボコーダーを通じてロボットボイスにて拡声アナウンスした。
しばらくの間両軍は沈黙状態であったが、まず、ドイツ帝国軍の戦車から主砲攻撃があった。それをソフィアはシールドで防いだ。そしてドイツ帝国軍が攻撃したのをイイことに今度はソ連軍も主砲攻撃をしてきたのだった。もちろんそれも防いだが、『やはり、こいつらに言っても無駄だったのか・・・』とソフィアは体感し、レーザーハチェットを使用し、まずはドイツ帝国軍の戦車隊目掛けて鞭打った。3回振るうと全ての戦車を紙屑の如く蹴散らし破壊した。全壊を確認すると180度展旋回してソ連軍方向を睨みつけて再度レーザーハチェットにて鞭打った。これも3回振るうとソ連戦車隊が同じく壊滅したのだった。まあ、この中には生き残り兵も存在するであろうから、本部への報告がいくであろうと推測し、フライングエンジェルで飛び立って戦線を離脱したのだった。その後はオフショア・シティへリープし帰還した。
その戦いを観戦していたイザベラ、ルイーズとダニエルは『さっすが、ソフィア!かっこいい!!』と思いながらも、彼女が離脱後、とばっちりを喰らわないように彼らも早々に離脱しルノー4にてキーウに戻ることにした。その際ドイツ帝国軍の前線基地近くを通過し、可能な限り寄った場所での偵察及び撮影を行った。これでツインズのこのパラレルワールドでの偵察ミッションは終了となったのだ。そして3人は来た旅路を戻り、北イタリアを通過後スイスに戻ったのだった。
ひと暴れしてオフショア・シティに戻ったソフィアは『我ながら上出来!』と自画自賛しながら、ジョンと連絡を取っていた。
「ジョン、今回EBSでリープして独ソ軍に向けて派手にやってきたわよ!レジスタンス連合がやったということにしておいたから、しばらくの間は独ソは様子見で大人しくなると思うわ。もうある程度そっちにはこちらの世界の武器類が行き渡ってるでしょ? 今がパンアメリカ合衆国の攻めどきだと思うわよ。」
「ついに完成したんだね? 有難う!助かるよ、ソフィア! わかった、作戦はすでに進行しているから、後はX -DAYに実施するのみだよ。今ホワイトハウスがあるエリアはすでに工作員が潜伏しているよ。フォード大統領の警護としてはシークレットサービスと軍の守備隊だけだから、バトルアーマーを着用した同志がステルスモードで侵入し、大統領を拉致後、辞任する映像を流すことになっている。その間軍の攻撃がある場合もあるだろうから、フルアームドのラップアラウンドスーツを着た3機が官邸前に待機している計画だ。本当に君たちには感謝している。君たちの兵器がなければこんな戦略は取れなかったからね!そして、大統領辞任後は、我々が暫定政権を打ち建てて、民衆のための選挙を公正に行おうと思っている。」とジョンが今後のプランを説明してきれた。
「わかったわ、ジョン! 頑張ってね! ヘルプが必要になったら遠慮なく言ってね。」と不思議とやけに親しげである・・・
そして、ついに待ちに待ったX-DAYが完遂された。ソフィア達の技術力の前には、予想通りパンアメリカ合衆国の武力は完璧に封印されてしまったようで大統領の辞任演説があった。これからがジョン達の正念場である。
一方、やっとイザベラ、ルイーズとダニエルはブラジルの洞窟を抜けて、2機のEBS前に立っていた。
「やっとたどり着いたわね!意外に大変だったね!?」
「それに、聞いた?ジョンが革命成功させたらしいわよ!」
「先ほど仲間から聞きました!ついにやりましたね!!これからが大変だとは思いますが、やっと僕たちの時代が来ましたよ!!」
「これはお2人のEBSですか?」
「そうよ!かっこいいでしょ!」
「すごいですね〜 でも、僕も乗れるんですか?」
「本当は1人乗りなんだけど、シートの後ろに補助席が出るからそこに座っていて! 本来私らの荷物スペースなんだけど、あんたは特別で乗せてあげるわ!」
「有難うございます! どちらに乗れば??」
「そうね、じゃ、ルイーズ、ジャンケンしましょう!」
という流れで、ルイーズが負けてダニエルを乗せることになったようだ。
そして、飛行中の2日間ダニエルは何とかその狭い空間での移動を耐え抜いたのだった。
「あんた、忍耐力あるわね!」とルイーズも世間話をしながら褒めていた。
「いやー、狭いのも大変でしたが、女性と2人きりの空間で僕はドキドキでしたよ。」と呑気なことを言っている。
オフショア・シティの格納庫で、ソフィアはアマゾネスツインズをハグした後で、
「ダニエル、ご苦労さん!よく来ましたね!」
「ソフィアさん、お招き頂き有り難うございます!僕はここに来るのを本当に楽しみにしていました!」
「まだ、来たばかりでよくわからないと思うけど、ここにいる間は寛いでいてね!」とソフィアの歓迎を受けていた。
ダニエルのガイド役として一番下っ端のハナが抜擢された。
「ダニエルさん? 私があなたのガイド役のハナです。宜しくです!」
「あっ ハナさんですね? よろしくお願い致します!」
「まずは、お部屋にご案内しますね。付いて来てください!」
と言って、彼を先導した。
「ここがゲストルームになります。私の部屋は隣なので、何かありましたら
声をかけてください。」と言って出ていった。
『へえー 凄い眺めだな〜 やっぱり海っていいな! あのハナって子も変わっていそうだけど可愛かったな・・・ しかし、この世界の女性ってジュリアさん、ソフィアさんはもちろん!イザベラ、ルイーズ、シノさんも みんな綺麗でほんと一緒にいるだけでなんか幸せ気分になるよな〜』と思いながらソファーに座って寛いでいると、
『ドンドンドンドン!』という大きなノックがした。
「は〜い!」と言いながらドアを開けると・・・イカついボディーアーマーを着た知らない女性がそこに立っていた。
『またもや、セクシーな大柄な女性!イザベラ、ルイーズにちょっと似てるけど、もう少しシャープで男っぽい、今度は誰なんだろう?』と思ったのだった。




