7: ジャコモと遭遇
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason4ー余燼よじんが燻る編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!
短編集もやっています!!
スピンオフ『JOE TEMPEST』も宜しくお願いいたします!!
その教会の荘厳な扉には丸と三角の図形を組み合わせた紋章が掲げられていた。ダニエルがそっと重い扉を開けて中に入った。
そこは祭壇に向かっていくつもの長椅子が並べられている教会のような空間であった。
「ジュリアさん、ここでテレパシーを使えるようにしてみて下さい。」とダニエルが小声でいった。
「わかったわ。やってみるわ」と言ってジュリアは瞑想に耽る体制に入った。
それをシノはじっと見守っている。
暫くすると、祭壇の奥から黒いマントに身を包んだ男性が現れた。距離があるため顔などの詳細は見えなかったのであるが、立ち尽くして祈るような姿でじっとしている。するとジュリアの表情に変化があった。
2、3分が経過したであろうか? 男は奥の暗闇に消えていった。
「さあ、静かに出ましょう。」とジュリアが小声で言って3人とも立ち去った。
ジュリアがホテルに戻り、今の出来事を全員に説明しているところだ。
「テレパシーで彼が言ってきたことは、あの教会みたいなところは実は、ベネチアのミュータント達の秘密結社の館らしいわ。そのジャコモという男は実はその秘密結社に属しているんだけど、折を見てうまく情報をアサシンたちに伝えてるらしいの。それでパパミュータントの娘を排除できたと言ってたわね。それが彼の手柄らしいわ。まあ、言ってみればスパイよね。で、やはり彼の秘密結社のメンバーでさえもパパミュータントの居場所がわからないらしいのよ。ただ、唯一のチャンスがあるらしくて、そもそも娘が身の回りの世話をしていたんだけど、いなくなったからママミュータントがそれを代わりにしているらしいの。彼はそのママの顔は知っているから、目撃したらテレパシーで知らせることができるっていうことなのよ。」
「なるほど。でも、この街は乗り物が使えず徒歩でしか移動ができないから、どの場所で見つかるか?が肝ですね!」とシノが言った。
「でも、そのママを見つけたとして、それからどうするの??」とルイーズが疑問に思ったようだ。
「2つに1つね!まず1つ目は、そこでママを殺るか?ママの後を追って棲家を突き止めるか?」
「皆さんはステルスモードが使えるんですよね!? 僕はぜひあいつらの棲家を見つけて欲しいです!」
「わかったわ!とりあえずジャコモのテレパシーをダメ元で待ってみましょう!」
「じゃ、僕はこれからイザベラさんとルイーズさんを連れて独ソ戦線に行けばいいですか?隊長?」とジュリアに聞いた。
「隊長は面白いわね! そうよ!ダニエルできるかしら?」と優しい笑顔で答えると、
彼は顔を少し赤らめて「もちろんです! 早速車で移動始めます!」と意気揚々としていた。
「そうね、ここも結構見たから、今度はそのドイツ帝国っていうものを見に行きましょうか!?ね、イザベラ!」
「わかったわ。じゃ早速荷物をまとめて出発しましょう!」
3人が発った後、ジュリアとシノはベッドで座禅を組みメディテーションを始めていた。ジュリアがシノに防壁のつくり方をレクチャーしているところだ。これができればミュータントにマインドコントロールされなくて済むのである。
「ジュリアさん、私、ピニアルボディを活性化されるイメージを浮かべてはいるんですけど難しいわ・・・」
「うーん、まずは自分を無にして自然の力を感じる器を作るのよ。そして、自分のピニアルボディを中心にしてそれに繋げるようなイメージを持ってみて。」
「頭ではわかるんですが・・・やってみます・・・」
というような修行が連日続いた。
ダニエル達はルノーキャトルに乗ってクロアチア、ハンガリーを抜けてウクライナに入ったところだ。ここはすでにドイツ帝国内である。クルスクが目的地ではあるのだが今夜はキーウに泊まることにした。綺麗な市街地に入ると、キーウ・ペチェールシク大修道院が黄金に輝いていた。歴史的にロシアに翻弄され続けてきた土地のためロシア風の建築様式が目立っているのだ。そして3人は市街地の安ホテルに宿をとった。
彼女らは付近のレストランに行き、ウクライナ名物のボルシチを食べることにした。
というのは、ここは麦の産地のためパンが主食になるのだがボルシチとの相性がぴったりなのだ。それにウクライナ版餃子のペリメニとピロシキそしてチキンキエフもシェアできるように追加した。
「へえ、こっちの食べ物も美味しいわね! またベニスとは違った味付けだけど、これはこれで好きだわ。」と白ワインを飲みながらイザベラが喜んでいる。
「そうね、このライ麦のパンってちょっと硬いけどボルシチと一緒に食べるとすごく美味しいわよ。」とルイーズにも好評のようである。
「お口に合ってよかったです! それはそうと、この先は激戦の地になりますよ。このキーウにも時たま空爆があるようですし、少し警戒体制に入りましょう。ただ、今日は最後の安息日としてくつろぎましょうね!」と言いながらダニエルが取り分けてあげている。
「その激戦地っていうのは、一体どんなところなの?」と今更ながらルイーズが聞くと、
「そうですね、わかりやすく言うと戦車戦が可能な平坦地というか丘陵地ですね。なので、隠れる場所はありません。今はウクライナをドイツ帝国がおさえていますので、ウクライナからロシアに入る際に通過する要所になっています。そこから先に進入できると首都モスクワに迫ることができるのです。それも黒海からの補給を受けながらできるのです。」
「なるほどね!要所なのね!」
「明日、付近まで行ってみましょうか?」
「でも、激戦地じゃないの?」
「可能な限り近づくという感じです。」
「わかったわ!行ってみましょう!」
翌朝早くに3人はいつものルノー4でクルスクに向かった。
到着してみると、早朝だからか激戦地と言っても戦闘は行われていない。丘陵地帯のため見通しは効くのだが、かなり離れた場所からの視察であるためか両軍の戦闘車両は見当たらなかった。
「ここ、本当に激戦地なの?」
「そうですよ。」
「だって、何もないじゃない!」
「ドイツ軍はウクライナ領内に控えていて、ここに向かって進軍すると、この先に控えているソ連軍が迎え撃とうと進軍してここでぶつかるんです。」
「へーそんな感じなのね。」
「まあ、ここが戦闘地になるんだったら、ダニエル、この座標をインプットして!ジュリア達がリープして来られるように。」
「せっかくだから、少しここで観察してみましょう。」
一方、ジュリアたちの方は・・・
この後の『8』が投稿漏れで下に飛んでしまいました。
下蘭の8をお読み頂いてから9に移行お願いいたします。
今日から週2回 火・木曜日の投稿になります!
ブックマーク宜しくお願いします!!




