39:未来組トリオの無人島
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason3ー余燼よじんが燻る編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!
短編集もやっています!!
クリスマスイベントも終わり、新年も明けてオフショア・シティとして3年目を迎えることができた。姉妹だけで0から始めた街作りであったが、わずか2年でこんな都市になるなんて驚きと同時に未来技術の有り難さを2人は痛感していた。
そして今週末は連合のヨーロッパ支部のノースユニットの代表がここを訪れることになっている。ヨーロッパ支部は連合を構成するラージユニットでガルシア達が所属していたロンダはサウスユニットに属する。ノース支部はスウェーデンの首都ストックホルムが水没してしまったため、そこから鉄道で繋がっている河畔の大学街ウプサラに拠点を移した新たな町作りに定評があるのだ。その支部長がオフショア・シティに関心を持ったようで視察訪問となったのだった。そのためソフィアとジュリアはその準備に追われていた。
そんな中、ブラジル・カラジャスを監視していた衛星から変化を知らせる情報が送られてきたのだった。爆撃により破壊した格納庫に動きがあるようだ。シノが画像を分析した結果、異世界へのドアがあった付近に掘り起こしがあるように見える。
「また、あいつら向こうからやってきているわ!」とシノが興奮して叫んだ。
近くにいたイザベラが、「マジ? 今度は何してくるんだろう?その写真で何かわかる?」と聞いた。
「これでは、小さすぎて画像も荒いからそこまではわからないわ。」
「とりあえずジュリアさんに知らせるわ!」と言ったが・・・
「でも、ツインズは北ヨーロッパの支部長の訪問があるとか言って忙しそうだったよ。」
「じゃ、ジュリアさんに許可を取って、私たち3人でEBSで偵察に行ってみますか??」
「そうね、EBSがあれば安心よね! まあ時間も緊急ではないし、あそこまで休み休み行けばいいかもね。」
と3人の意見はまとまり、早速シノが状況報告と共に偵察プランをジュリアに説明したところ、
「そうね。今私たちは動けないから、一度偵察に行ってきてもらった方が安心ね。EBSで行くと最低2日はかかると思うから、休息しながら行くといいわ。でもくれぐれも無理はしないでね!何か非常事態になったら必ず連絡して欲しいの。」ということで許可が下りた。
「じゃ、準備して早速いきましょうよ! なんか冒険みたいで楽しくなってきたわ!」とルイーズが盛り上がっている。
「この前の戦いをシミュレーションすると・・・奴らの実弾兵器が沢山あったとしてもEBSがあれば大丈夫っしょ!!」
「でも、途中どこかで降りてキャンプするからその準備もしますね!」とシノは現実的である。3人とももちろんバトルアーマーを着用し武器類も揃えてEBSで飛び立っていった。
「これが地中海ってやつね! なるほど、チョー大きな湖みたいなものなんでしょ? そして、その先が大西洋ね!やっぱりホバージェットで旅するのとスケールが違うわね!」とイザベラも久々の上空からの視界に興奮ぎみであった。
「このまま飛んでいくと、島が見えてくると思うからどこかの島で今夜はキャンプしましょう!」とシノもピクニック気分になっているようだ。
そして3人はブラジル沿岸に一番近そうなしかもマップ上には存在しない小島を見つけて上陸した。
「いやー、この島最高じゃん!!ビーチも白くってパームツリーも茂っているし、まさに夢の南国の島だわ〜!鳥も多くてカラフルな奴らもいるし・・・」とビーチ好きなイザベラが早くも興奮している。
「そうね!ここは私たちの島にしようよ!」ルイーズも同じ感想のようだ。
「まずは、日が暮れる前に薪を集めましょう!もし食料になりそうなものがあればそれもね!」とシノはいつものように現実的である。
3人はEBSをビーチ奥に置き、索敵レーダーのみを作動させた。そして3機の背面カーゴに準備してきていたキャンプグッズを取り出した。まずはビーチが綺麗に見渡せるEBS手前の砂浜にタープを張った。そしてタープ近くに薪を集めて炉を組み上げ、それを囲むように折りたたみリクライニングチェアーを並べた。この3人の中では実はルイーズが一番料理上手で、早速オフショア・シティから持ってきてある食材でグリル料理を始めていた。
イザベラが「ルイーズ、いい匂いね!!美味しそう!!」と興奮している。
「でしょ!私たちの世界ではこういった料理をするっていう習慣がなかったけど、ここの世界に来てやってみたら結構面白くて料理好きになっちゃったのよ〜」
「ワインも持ってきてあるから、今夜は私らの初ミッションを祝うパーティーにしましょうよ!」とノリノリで準備をしていると、だんだんと暗くなってきていた。
シノが「ねえ、みんな見て!夕日が海に沈んでいってるわ!!すごい!感激ね!」とシノが叫んだ。このビーチは西側を向いているので、ちょうどサンセットが正面に見えるのであった。
「キレイね〜! ここの自然って私らの未来世界となぜか違うのよね〜」
「この島で自給自足の生活ってできるのかしら?」とイザベラが言うと、
「たまにはいいけど、人が全くいないところってつまらなくない?」とるルイーズが答えた。
「でも、この異世界からの侵入が続くと、あのドアを定期的に監視しなくちゃならないだろうから、しばらくの間はこの島を私たちの前線基地にすればいいんじゃない!?」とシノがまたもや現実な提案をした。
「そうよね!折角見つけたからそれもありね。自然のココナッツ、バナナ、マンゴーもあるわよ!ほらほら見て!」とルイーズが取ってきた果実を笑顔でみんなに見せた。
「フルーツには事欠かないわね! 水は海水を浄化利用できるからいいとして・・・
あとはメインの食べ物ね。今度はここに来るときに保存食を持ってきて備蓄しておきましょうか?」とまたシノの現実的なプランニングも始まった。
すでに日が暮れて夜の帳が降りていた。3人は持ってきたランタンをタープに釣り下げて灯りを取り、焚き火を囲みながらワインを片手にルイーズのグリル料理を堪能している。
「こういうことって、私たちの世界では考えられなかったからなんか自由を感じちゃうわね。」
「ねえ!空見てよ!こんなに星が沢山あったのね!?それにあれ何?星が川みたいに並んでいるでしょ?」
「あっあれ、なんかで読んだことあるけど『天の川』って言われているみたいですよ。」
「それにずっーと見ていると流れ星も見えるわよ! あれあれよ!見た??」
と3人とも夜空の下で興奮気味である。
「あーいいわね!自由ってこういうことなのね〜」とルイーズがため息をしている。「ねえ、ミッションが終わった後もここに寄るでしょ?」
「寄る!寄る!」
「じゃー ジュリアから教わったんだけど、ハンモックっていうものを持ってきたから杭を刺して用意してみるわね? また帰りも使えるようにセッティングするから!」とルイーズはハンモックを広げて熱心に準備をした。
「しっかり食べたし、お酒飲んで気持ち良くなったし、じゃーみんなでお喋りしながら寝ましょうか!?」という今宵は女子会のような楽しい雰囲気になっていた。そして3人とも初めてのハンモックに揺られながら夢の世界へと入っていったのだった。
翌朝、3人は持ってきたスイムウェアーに着替えて珊瑚礁の浅瀬で泳いだり、魚を見たりして自由を満喫したため、すでに昼を回っていた。
「このキレイな魚って食べられるのかしら??」とシノが言うと、
「どうかしらね?でも食べられる種類があれば自給自足に近づくわね」とルイーズも魚に興味を持ったようだ。
「それじゃみんな!そろそろコーヒー飲んでトースト食べたら出発しましょうか!!ちゃんとミッションをこなさないとね!」とイザベラがリーダー役になっていた。