12:作戦会議
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
実はこのシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズン1が終わった後に公表したいと思います。
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
翌朝午前中に宿舎に戻り、昼食後、古民家でソフィア主導の全体ミーティンが始まった。
テーマは『大戦略』である。いつになくソフィアは真面目な表情である。
ざっくばらんにブレインストーミングのノリで話し始めた。
ソフィア:「私が行ってとりあえずカナダエリアにもっと攻撃を強めてもらうわよね。潜水艦とそこからの空爆は織り込み済みだと思うんだけど、それだけだと帝国の領土内に攻め込んで占領できないから、帝国も安泰で焦りがないんだと思うの。でも仮に攻め込むとしたら、カナダ支部の陸軍の軍備状況はどうなってるのかしら?」
ガルシア:「オレの戦友から聞いた話じゃ、軍人はいるが装備が足りないようだな。」
ソフィア:「なるたけ、帝国のロシア領に近いところに陣地をとりたいわね。例えば海から近くて上陸が可能でロシア領にも近いエストニアのタリンとか? 潜水艦で沿岸を固めて上陸すれば被害が少ないんじゃないのかしら? というか、連合の陸上兵器は何があるわけ?」
ガルシア:「そうさなー」と言いながら、アゴを掻いた。
「実はあまり強力な兵器がないのが、オレたち連合が攻めきれないところなんだよなー ほとんどが守り用・迎撃用の兵器だから・・・」
ソフィア:「じゃそれがカギね!!陸上兵器を日本で作ってもらって、それをリーズナブルプライスで売りましょうか? それも今回の交渉のネタにするわ。」
「そして、仮にカナダ連合がロシア領付近の都市の拠点を作れたとしましょう。それからは?」
アンドレイ:「ロシア領の首都モスクワへ迫った場所に、陣地を構えられたわけだから、奴らは焦って、海への出口を確保するだろうから、まずはサンクトペテルブルクに戦略拠点を造るために帝国各地から兵器をかき集めると思うよ。」
ソフィア:「なるほど!じゃタリンを押さえて、まずはサンクトペテルブルク奪取するってことよね?」
アンドレイ:「そうなるね。2都市の距離は350kmってとこかな。」
サーシャ:「じゃ、そうなったらアルタイ地方にあるバンカーは警護の軍隊のみになるのかしら?」
アンドレイ:「その可能性が高くなると思うんだけど、サーシャ、君の情報網でその動きを探れないかな?」
サーシャ:「わかりました、お兄様!やってみますわ。」
イメルダ:「そうそうカナダエリアも航空兵器はあるから、爆撃機とかも含めてね。やっぱり陸上兵器が必要よね。日本では何が手配できるのかしら?」
ソフィア:「多分、レーザーキャノンを積んでる戦車はあるわね。それと人型重兵器かな。」
ジュリア:「潜水艦は巡洋艦みたいに対空兵器も装備していたわよ。だから、数があればその戦車と人型ロボット2種類でもいけるんじゃないかしら?」
ソフィア:「なるほど わかったわ!じゃ属代表と交渉して、『期間限定のお買い得商品』というノリでカナダに行商に行けばいいわけね!」と言いながら笑っている。
ジュリア:「そうね!でもソフィア、それってあなたのお箱でしょ!」と言って笑った。
ガルシア:「それからどうする?」
アンドレイ:「移動可能な軍備は西部に向かうからバンカーはある程度手薄にはなると思うが、山間部だから遠距離レーザー攻撃は想定できないと思うけど帝都方面から爆撃機は来る可能性があるね。だから対空砲も必須だね。」
ソフィア:「対空砲ね。スーパーソニックジェットに対空砲2門が装備されてはいるけど、あとヒロ・タカコンビも対空レーザー砲で対応する予定にはなっているわね。」
アンドレイ:「合計3門か。航空機が到着するまでは時間がかかるけど、少し対空兵器が不足しているような気がするな。」
サーシャ:「お兄様、私提案があるのですが?」
アンドレイ:「サーシャ、なんだい?言ってみなよ。」
サーシャ:「やっぱりロシア領に詳しいのは私達ですから、私達二人で調査に行きませんか?」
一瞬、アンドレイが驚きの表情になった。
アンドレイ:「えっ、サーシャ!それ本気で言っているのかな? 折角ロシアから逃げてきたばかりなのに・・・」
サーシャ:「申し訳ございません!お兄様は私と違って森の中でサバイバルされていたので、大変な思いをされていたかと思います。でも、今回は仲間もいますし、ソフィアさん達と連携を取れば、何かの時には助けてもらえると思いますし・・・不確定なまま攻め込んでみんなが大変なことになるよりは、まずは私達で潜伏して調査した方がいいかと思いまして・・・」
驚いた事に、以前よりサーシャはチームに対して自ら協力的になっていたのだ。
ソフィア:「そうよね!サーシャ、素晴らしいわ!ごもっとも!!その献身的な発想感激して涙が出てくるわ!もちろん連絡できる装備もあるし、何かあったらソニックジェットで迎えに行くわよ。私達は命を賭けた仲間だし、今はファミリーだしね!」
アンドレイ:「そうだね!わかった。でも、ソニックジェットまで逃げるものが必要だな・・・ロシアの地方は日本と違ってまだプリミティブだからガソリンのオフロードバイクとかあるといいのかな?」
ソフィア:「オフロードバイク2台ね!お安い御用よ!準備するわ。それと日本のバトルアーマーは素晴らしくよくできているから、それを着ていればちょっとやそっとじゃやられないと思うわ。」
アンドレイ:「わかったよ!じゃ僕ら兄妹で仲良く里帰りと行こうか?愛用のロングソードは目立つから、ブラスターガンと短剣は欲しいな。それに僕の顔は少々変装が必要かな?髭つけたりして。」と言ってみんなを笑わせていた。
ジュリア:「私はアトランティスへ一人で大丈夫だから、そうそうガリオンもいるし!
遠慮なくお2人で任務を遂行してきて!」
アンドレイ:「ガリオンって誰?」
イメルダ:「あら知らないの??ガリオンはジュリアの相棒よ!すっごく強いのよねー あなたでもやられちゃうわよー!」
ガルシア:「オレはガリオンとは絶対戦いたくないね!散々やられた奴らを見てるから。おっかな!!」と言って笑った。
アンドレイ:「そうなんだ。まだメンバーがいたんだね。そのうち紹介してくれよ!」
ジュリア:「わかったわ!彼も可愛いわよ!」と言ってみんなで笑った。
という戦略会議の流れで6名それぞれ任務が決まってきたのだった。
ソフィアは、早速属代表と相談し戦略メニューをフィックスする。そしてそのメニューを持ってイメルダとガルシアと一緒にカナダエリアのエドモントン及びウォーターシティに交渉にいくことになった。移動手段はイメルダのホバージェットだ。
ジュリアは、ガリオンと共にホバージェットでアトランティスに行き再度王に謁見する。
そしてアンドレイ・サーシャ兄妹は、スーパーソニックジェットでアルタイ山脈を超えたあたりで落としてもらい、オフロードバイクでノビシビルスクへ向かう。
本来はバトルモビル製造期間であるので、ここで訓練を積む予定ではあったが、この作戦は下工作としてとても重要なので明日から実行に移すことになったのだ。
翌日は、スーパーソニックジェットで一旦湯沢に戻ることになるため、今夜はメンバー全員で反省会という名目の打ち上げパーティーをやることになった。
またまた日本酒を片手に、
ソフィアが、「皆さん!本当にお疲れ様でした!メンバー6人でとても有意義な訓練をできたと思います。そして私達の絆が強くなったのが何よりもの宝物です。明日から3方向に分かれての初任務が始まりますが、連絡を取り合って、このミッションを絶対に果たしましょう!」と言って乾杯した。
今夜はガルシアシェフによる最後の晩餐会となり、湯沢から持ってきてあった食材は全て使い切ってしまった。
晩餐会は大いに盛り上がり、メンバー全員の記憶に焼きつけられたのであった。
そしてジュリアとの距離が縮まってきていたサーシャも、今ではジュリアのアンドレイに対する興味が全くないこともわかり、以前のような構えた態度はなくなっていた。
さてその後は、ソフィアは属代表と交渉をしている。
イメルダ達はホバージェットの調整を、
アンドレイ兄妹は、サーシャのルートを使ってノボシビルスク周辺の事前調査を行なっている。
そして、ジュリアはアトランティス行きに向けてホバージェットで諸々準備をしていた。