34:忍者シノ
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason3ー余燼が燻る編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!
短編集も始めました!
ソフィアをリエゾンオフィス的に残し、他のメンバーは最新式のスーパーソニックジェットカーゴで飛び立って行った。今回はガリオンと念の為にジュリアのホバージェットも搭載されている。
ジュリアが、「さあ、みんな行くわよ!」と遠征開始の号令をかけると、
「ハナ!操縦よろしくね!」とみんなに言われて初遠征にやりがいを感じているようである。
この機体ならば夕刻にはブラジル沿岸にたどり着けることになる。まずはベレンの上空あたりでシノをリリースして、その後河口付近に着陸し待機。予定どおりにシノが敵情報を持ってきた翌日は奇襲作戦開始となる段取りである。
コックピットのハナ操縦士の横にはリンダが座ってナビ画面を見ている。同時に索敵確認もしているのだ。他のクルーはリビングダイニングの部屋に思い思いに座ってくつろいでいるようである。そして、シノはダイニングに座って敵陣地のマップを見ながら兵器の位置を頭にインプットしているところだ。
「シノ、くれぐれも無理しないでね。敵の重火器の位置と大体の人数がわかればいいから。それがわかったらすぐに戻ってきてね。」とジュリアが念を押した。
「わかりました。こんな機会に私が役に立てなければ忍者のDNAが泣きますから!」と言ってプレッシャーを感じているわけでもなく自然体である。
カフェテリアで全員揃って軽く食事を取りながら一通り作戦の確認をした。すでに外は夕暮れ時になっているので、そろそろブラジルの北東沿岸に到着する頃だが、この時間でも地上の外気は50度を上まっているようだ。
シノはラップアラウンドスーツを着用して装備を確認している。彼女のカラーはブラックだ。忍者仕様なので夜間に目立たないよう闇に溶け込む設定であり彼女のバトルアーマー同様にカモフラージュ機能も付いている。その隣にはイザベラ・ルイーズの逆にド派手な全く同じレッドスーツがあり、またその奥にはガンメタリックのジュリアのスーツが立っていた。着陸したら、このスーツを脱いでバトルアーマーでの忍びとなるため、人間時用の武器類もスーツ背面に格納した。
機はかつての港町ベレンを過ぎて敵の索敵範囲の手前まで近寄りホバリングした状態でカーゴハッチを開けた。
「では、皆さん、行ってきます!!」と朗らかに言ってシノは夜空の中に消えていった。
シノは索敵にかからないようにアマゾン川のジャングルの上を低空で飛行していった。しばらく行くとカラジャスの丘が見えてきた。そこには敵の施設の明かりがところどころに見えている。そして、その麓に密かに着陸しジャングルの大木の影にバトルスーツを隠して降りた。
シノは付近を確認してから武器を着用し現在位置をマッピングした。『これからが私の出番よ!』と言いながら腕の見せ所といった気合が入っている。
彼女はアマゾンの森の中を音を立てずに移動し敵陣営の森に入って行った。まずは重火器の位置確認だ。そして1箇所ずつ全て写真に収めた後で、問題のエイブラムスが並ぶ格納庫に近づいて行った。
やはりここは警戒が厳重で歩哨が立っているため敵の本部があるところのように見える。シノは歩哨の動きを警戒しながらエイブラムス1台1台に遠隔操作ができるプラスティック爆弾を仕掛けた。そしてカモフラージュ機能を使いながら格納庫に近づいて行ったのだった。
『なるほど、厳重ね。』装備の1つである赤外線探知機を作動させてみると
『結構人がいるわね。ざっと100人はいるかしら。』その画面のスクリーンショットを撮った。そして格納ガレージのシャッターに見た目は目立たないシールを貼った。それはスーパーソニックジェットから発射される爆撃弾を誘導する役割を果たすのである。
『これで任務完了ね!』と言ってまた闇夜に紛れてスーツまで戻り、飛んでジェットまで無事帰還した。
「戻りました!」と元気よくシノが戻ると、みんなは安心しハグしに来た。
「よかったわ!シノよくやったわね!!」とジュリアもハグした。
「さっすが忍者ね!」とイザベラ・ルイーズも自分の妹を誇らしく思っているようだ。
「これで私たちが有利になったわね。問題の重火器の場所はプロットできたからまずはそれを落としましょう!しかし、あの中に100人いるってことは、戦闘員だけでもなさそうね。」とジュリアは格納庫内を彼女なりにイメージしているようだ。