32:オフショア・シティのテロ対策
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason3ー余燼が燻る編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!
短編集もはじめました。
早速ジュリアはその件をソフィアに話し、『テロ組織に共通の目的で対抗する』という口実で至急3人の着ぐるみバトルスーツをフライングエンジェル付きで作ってもらうお願いをした。
というのは、現在日本が生産している武器類兵器類のビジネスは、アミニション類が枯渇したというマーケット環境にて成り立っているわけであり、実弾が広い範囲で出回ってくると、その前提が覆されることにもなるからだ。また同時にブラスターマシンガンを無効化する金属の出所はやはり同じカラジャスから産出されている鉱物に行き着く可能性が極めて高くなっている。その鉱物がアーマーに使用されて出回ってしまうとブラスター系武器も使用意味がなくなってくるのだ。この世界ではブラスター系はいい意味殺傷能力が低く人道的にも良い武器となっているのだ。
このような共通の利益があるためオフショア・シティは中立を維持する日本と再度共同戦線を張ることになったのである。しかもテロ組織に対する平和維持的な役割ともなる。
ソフィアの方はまずプロトタイプを作成してから入念に検証し、連装ボウハンドガンとレーザーハンドガンは量産過程に入っていた。またすでにビュレットプルーフベストも住民用に量産体制を取っていた。そして、なんと今では人口を確保できているためこの都市の収支的にはあの高額な日本製のスーパーソニックジェットカーゴを1機購入可能となっているのだという。この際思い切って今後の防衛のために1機オーダーしたようだ。そのためパイロットも必要になってきたのだったが・・・
その件に関してソフィアが、ジュリアに相談しているようだ。
「ねえ、ジュリア、ソニックジェットカーゴのパイロットは誰がいいのかしら??私だと検討がつかないわ・・・」
「そうね、現場での実践も可能だけど、サポート力が強いタイプね。実際装備されているレーザーキャノンでの援護もできることが前提になって、まあメカにも強い子よね!?」と、半ば答えが出ているという印象の笑みを浮かべている。
「えっ、それってハナ?」と少し驚いた表情でソフィアが答えると、
「ピンポーン!」と勢いよく返ってきた。
「なるほどね〜 まあ なんとなく変な格好して操縦している姿が浮かんでくるわね・・・」と最初は驚いていたのだがソフィアなりにもイメージがついたようである。
ジュリアは早速ことの詳細を話すのにハナを呼んだ。
「えっ ジュリア様、私でいいんですか?そんな高価な飛行機の操縦をするのが・・・この私で・・・」と珍しく躊躇いが見えた。
「そうよ!あなたが適任だと思うわ。飛行機は初めてだと思うけど、納機される時にアキラが来るようだから、この機会にじっくり操縦を教わってみんなのサポート役になって欲しいの!それと射撃の腕も必要だから。」と説明した。
「いえ、私!飛行機は操縦したことがあります!だから数回やればできると思いますよ!私、人間を理解するより機械を操縦する方が得意なんです。」とまたまた驚くことを言ってきた。
「そうなの?あなた飛行機の経験あるのね? 驚いたわー! でもメカ好きで良かったわ!そういった人材は今ここではあまりいないからね。」と言いながら嬉しそうに笑っていた。
「ジュリア様に喜ばれるなんで、私本当に幸せです!わかりました。頑張ります!!」とガッツポーズを取り当初の予想に反してすぐに担当が決まってしまったのだった。
ジュリアは同時にリンダにも話して、スーパーソニックジェットカーゴの守備隊長に任命した。パイロットのハナを含むディフェンス隊長がリンダとなり、特攻チームがジュリアを筆頭にイザベラ・ルイーズ・シノのEHチームとなるフォーメーションだ。
前回のアラブ連合との戦いでリンダとハナは自分用に調整されたラップアラウンドスーツがすでにあるので、いざという時には戦闘も可能なのである。
また、この記念すべきスーパーソニックジェットカーゴの特殊装備として、航空機搭載爆弾も組み込まれた。遠隔操作や自動誘導が可能なスマート爆弾と静止した上空から投下できる無誘導爆弾の2種類が装備されたのだった。これはある意味この世界では無敵な装備となるのである。つまりそれをコントロールする隊長がリンダということになるので、彼女としてはこの重要な役職に満足しているようである。自発的に爆撃に関する知識や操作方法などを習得しているようで頼もしい。
一方ジュリア特攻チームはラップアラウンドスーツが出来上がるまで、ソフィアが開発した連装ボウハンドガンとレーザーハンドガンを使用して対実弾実践訓練を積んでいるところだ。
「うーん、この2つの武器って微妙に用途が違うのね!?」とルイーズが。
「戦闘ではレーザーハンドガンがメインで、連装ボウハンドガンがサブっていうイメージかしら?」とイザベラが感想を言うと、
「私は、逆に連装ボウハンドガンの方をメインにしますよ。なんせ、音が出ずに連射できて一瞬の破壊力ですから。」とシノが答えた。
「まあね、レーザーハンドガンは秒単位の照射が必要よね。どうしてもレーザーで切るようなイメージになるわよね。それにチャージ時間も必要になるしね。」
「まあいいんじゃない!必要に応じて使いわければいいんだから!私は同時に両方使ってもいいかなって思っているわ。これがあればアックスを振り回すのが必要なくなっちゃったりして・・・」とルイーズもかなりこの2つの武器に関しては評価しているようである。
ジュリアも「そうね!ブラスターガンが効かず実弾が一般的になると戦闘スタイルも違ってくるから、それを見越して武器を装備しないとね。どうしても片手でシールドを構えて実弾を避けなくちゃならなくなるから、片手で使える武具になるわよね。この前のテロギャング達との実戦でもロングソードは使えるんだけど、振り下ろすより突く方が効率が良かったからね。私もそれに備えて斬鉄のレイピアでも作ろうかと思っているの。」
シノが「レイピアいいですね!!ジュリアさんに似合いますよ!フェンシングぽく戦う姿もイメージ湧きますよ!」と反応すると、
「ロボットやアンドロイドなんかの硬い物体だとロングソードが必要なんだけど、人間相手の場合はアーマーが斬撃ができるレイピアで十分かもね。」
これからジュリアのスタイルは、ロングソードを右背中にレイピアを左背中に装備するようになるのだろうか?
さてさて、このオフショア・シティの防御体制も整ってきた。ガルシア達の戦闘技術指導で住民も有事に備えて武器類が扱えるようになり、また各家庭にビュレットプルーフベストも割り当てられた。レーザーキャノンの対空能力もバージョンアップされて遠隔から発射されたミサイルの軌道シミュレーションを瞬時に計算し最も遠距離での撃破が可能にもなったのだった。