27:イザベラ・ルイーズ奪還作戦
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
このエピソードからはSeason3ー余燼が燻る編ーのスタートです。
実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。
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ソフィアが、「えっ そうなの!? 一体どうしたんでしょ!!」と言いながら2人はコントロールルームに向かって走り出した。
ここまで走ってきて息を切らしているハナも再度また来た道を戻るのでゼーゼー言っていた。
「あなたはゆっくり来なない!」とソフィアが言って2人ともダッシュで行ってしまった。
スイムウェアーのままコントロールルームに着くと、リンダが無線でシノと話しているようである。
「状況わかったわ。今ソフィアとジュリアも来たからまた連絡するわ。気をつけてね!」と言って交信を一旦終了した。
リンダが、「今シノから緊急連絡があって、イザベラ・ルイーズがニューヨークのマンハッタンで国際テロ組織のような者たちに拉致されてしまったってことなの。」
ジュリアが、「なんであの子たちが普通の人間に拉致されちゃうわけ??」とエンハンストなのに解せない様子である。
「シノによると、水没しているマンハッタンのビル群の廃墟に魅力があってビルの屋上にホバージェットを停めてキャンプしていたらしいの。それで2人が外で寝ている間に何者かに襲われて連れていかれちゃったらしいのよ。」
「えっ で、その時シノは大丈夫だったの?」
「彼女はホバージェットの中で寝ていたらしいの。それで外でブラスターガンを撃つ音がしたから、目を覚まして外に出たら、すでに何人かにイザベラ・ルイーズが運ばれているところだったようなの。シノもすかさずブラスターガンで敵を撃ったんだけど、特殊アーマーか何かで全く効き目がなかったと言っていたわ。」
「なるほど、そういうことね! で、その奴らの情報は何かあるの?」
「さっき起こったばかりだから、シノがこれから行き先を調べると言っていたわ。」
「彼女たちのアーマーには発信機が内蔵されているから位置の検索は可能だと思うんだけど、ちゃんと着てたのかしら?」とジュリアが心配している。
「それが、着ないでリラックスしていたようね。だけどシノが撃った時に敵の体にまとわりつく極小発信機をつけたらしいの。それで場所を特定してみると言ってたわ。」
「それは良かったわ!さすが忍者シノ!!」とジュリアが言った。
「しかし イザベラ・ルイーズは大丈夫かしら・・・」
「2人を攫った目的は何か?よね」とソフィアが。
「人身売買? 身代金? 奴隷?・・・」とリンダが。
「多分 想像するに、2人は寝込みをブラスターガンで襲われた。そして気を失ったところを奴らに担いで連行された。その後は、多分2人を牢屋みたいな環境に監禁しているんだと思うわ。でないと、あの2人だったら素手で人間を倒せるから。」
「なるほど。じゃとりあえず危害は加えられてないということよね?」とリンダが納得した。
ジュリアが、「私がまずニューヨークに向かうわ!」リンダ、留守の間はここの治安と防衛を宜しく頼むわ!」
するとソフィアが、「ジュリア!今回は私もいくわ!多分何かしらのサポートが必要になる気がするの。」
「なるほど!ソフィアが一緒に行ってくれるなら安心ね!やっぱり言ったとおりでしょ!今回の高層ビルが乱立した環境ではフライングエンジェルが必要になるわね!田辺さんに状況を話して速攻で仕上げてもらって、こっちに持ってきてもらうようにするわ!で、その日本のジェットに乗せてもらってマンハッタンまで行くのが一番効率がいいわね!私のホバージェットと久々にガリオンも連れて行くわ。」
と言う流れにて、ジュリアが湯沢の田辺女史と話している間に、特定できない外部ラインからコールが入った。
ソフィアが出てみると・・・ボコーダーを通した声紋が確認できない声で、
「お前が、オフショア・シティの代表か?」言っている。
「そうだ、代表のソフィアだ。」
「俺たちは国際テロ組織の”Solomon's Mines Organization” SMOだ。お前たちのファミリーの命を預かっている。」
「目的な何なの?」
「お前らの町はそうとう潤っていると言う噂だから、少しおこぼれをもらってもいいかなって思ったんだよな。2人の命が欲しければ4億ポイントを振り込んでくれ!」
「4億ポイント??」とソフィアが少し驚いた声を出した。
「すぐにとは言わねえ! 今日を入れて3日間の猶予を与える。」
「とりあえず、要求はわかったわ。その身代金と彼女たちをどう交換するの?」
「お前らの振込が確認できたら2人を解放する。」
「そんなの信用できないわ!」
「そういえば、1人マンハッタンに残っているだろ?そいつのホバージェットに交換場所の連絡を入れるから1人で来させろ!そこで2人を解放するから、その場面で振込をしてくれ! 約束は破るなよ! 1人だぜ!1人で来ない場合は2人を殺すからな!」
「わかったけど、それまで2人に指一本でも触れたら、あんたら殺すわよ!いいわね!」と念を押したが、言い終わる前に切れてしまった。
「猶予は2日半ね。湯沢から来てNYまで時間内に辿り着けるかしら?」
田辺女史に確認していたジュリアが、
「状況を説明したら、それは大変ね!と理解してもらえて、今日中に製作して明日朝に湯沢を飛び立つことができるみたいよ。ここまでの移動中に調整をすると言っていたわ。で、着いたらすぐに搭乗してマンハッタンまで送ってもらえることになったわ。それでギリギリ間に合うと思うの。」
「しっかし、あいつらSMOとか言ってたわね。この私たちに身代金を要求するとは命知らずの不届者ね!! ああいった国際テロ組織をのさばらせておくと碌なことがないからこれを機会にせん滅しましょう!」と言いながら机を叩いた。
珍しくソフィアにしては怒りに身を任せエグいことを言っている。確かにソフィアに取ってはファミリーの一員なのであるから、それを踏みにじられた思いで怒り奮闘なのであろう。そして時限爆弾のように、さらに怒りが込み上げてきていた。
「気がかりなのは、ブラスターガンが効かなかったと言っていたわね!?どういうアーマーを奴らは着用しているのかしら?」とジュリアが言った。
「多分、ブラスターガンのショックを拡散する仕組みになっているのね。だから何かしらの飛び道具が必要ね!」
「レザーキャノンは?」
「レーザーは効くと思うわ。あとは残鉄の弓矢とかアーマーを貫くものね。」
「だから、私のブラスターマシンガンは役に立たないから・・・接近戦ではボウガンを使うようにするわ。」
「とりあえずシノにも連絡してみるわね。」と言って彼女のホバージェットに繋いだ。
「シノ、今奴らから連絡があって2人を解放する代わりに身代金を言われたわ。
4億ポイントとか言っていたけど。あなたにその引き換えの場所の連絡が今日から3日後に来るらしいの。それまでに私とソフィアがそこに行くから状況を掴んでおいて!」とジュリアが説明すると。
「やっぱりそういうことでしたか!? 申し訳ございません!」と彼女は責任を感じて暗い声になっていた。
「あなたがブラスターガンで撃った時、全く効かなかったと言っていたわね?
敵のアーマーは分厚かった?」
「いえ、見た目は普通のアーマーに見えたんですが暗かったので細かいところはわかりませんでした。それはそうと!達らのアジトがわかりましたよ。なんとエンパイヤーステートビルです。このマンハッタンは全域で水没していて、住人みたいな人たちはいないのですが、ソーラーで電力を確保してスカイスクレイパーのいくかのビルは何かしら使われているみたいなんです。夜間にビル内の照明がありますから。
私は、今エンパイヤーステートビルが見渡せるクライスラービルに移動して高層階にいるところです。ちなみにこのビルは死んでいます。手持ちのビノキュラスでエンパイヤービルを見ているんですが、屋上にはレーザーキャノンが4門配備されています。飛行では近づけません。ビルの入り口は全て海の下になっているので、中間の階にポートのようなものを作ってそこからドローンで出入りをしているようです。
最上階から下に数フロアーには照明がついているのでそこに奴らがいると思われます。私だったら忍び込めますよ。忍者アイテムでビルを登るデバイスがあります。それと赤外線探知機も持っています。それでフロアの人間を探知できますので、まずはどこかしらの窓を破り中に密かに侵入しビルの通気口あたりから探りを入れてみます。肉声も拾う高感度集音器もあるので、ビル内の建物に取り付けて場所のマッピングをしてみます。」
ジュリアが、「なるほど!シノさすが忍者すごいわね!!じゃ、そのマッピングで場所を特定できた時に、敵の注意を逸らすためにソフィアにレーザー攻撃をしてもらうわ。その攻撃で奴らはクライスラービルにいる狙撃手を排除しに来るだろうから、その時に、私は近くの低層ビルの屋上に控えていて乗り込むわね!」
「でも、ジュリアさん、奴らのポートはかなり上層階にありますよ!」
「大丈夫よ! 私たちのバトルアーマーに装着できるフライングエンジェルを作ってもらっているから。」
「へえーすごいですね!じゃ私もそれがあればビルの高層階まで飛んでいけますね。」
「取り急ぎ、明日中にはそっちに着けるから詳しくはクライスラービルで打ち合わせしましょう! よく敵の動きを観察しておいてね!」
『幻影(短編集)』も文芸・純文学で始めました!