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20:ロシア料理を囲んで

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason3ー余燼(よじん)が燻る編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。


エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!

会議室に残されたアンドレイは、これで何かしら前に進んでいけるであろうと少し安心した表情に変わっていた。「ソフィア、ジュリア、せっかく来てくれたからモスクワを案内しようか? 宮殿だと息が詰まるから、外へ出て食事しない? 行方不明になってたことも聞きたいしね。」と言って2人をエスコートして1階ロビーに降りて行った。そして王宮広場を横断し古くて歴史がある旧帝国百貨店に入って行った。最上階の大衆食堂的なカフェテラスに入り「一般的な食堂だけど、結構美味しいからここで好きなものを選んでゆっくり食べようよ!」といいながらアンドレイはトレーを取ってまず自分で選び始めた。


彼はポジャルスキー、シャシリク、サラダ・オリビエにクヴァスを頼んだ。解説すると伝統的なロシア料理で、ポジャルスキーは鶏肉を細かく刻んだロシア風カツレツでサクサク感がありソースとの相性もいい子供から大人まで人気の料理だ。シャシリクとは羊と野菜の串焼き、サラダ・オリビエは肉や野菜をマヨネーズであえたサラダ。そして飲み物としてビールのように見えるがライ麦パンを発酵させて作る微発泡性の爽やかな酸味があり夏場に人気の飲み物も一緒なのだ。


ソフィアとジュリアはアンドレイに一応見習ってみたが量が多すぎなため、今回はシシャリクはパスした。そして3人はこの古風な内装のロシア食堂内の宮殿が見える窓の席に座った。


「で、あれからどうなったの?」と座るや否やアンドレイが聞いてきた。

「私たちはジュリアの部屋で疲れてうつらうつらしていたら、いきなり未来世界にタイムトリップしまったのよ!驚いたわ!」とソフィアが。


「未来にいきなり行ってしまったの??」と彼も驚きながら、

「で、未来では、今度は何をやってきたわけ?」

「何をって? 色々やったわね!?」とソフィアがジュリアを見た。

「そうね、簡単にいうと、宇宙エイジになってて、メイルアンドロイド達にやられそうになっていた世界を救ってきたってとこかしらね!?」と少し惚けた風に言っている。


「ただ、人類にとっては宇宙に出て行って宇宙を自分たちの支配下にしていくっていうのが長年の夢のようだけど、実際それを目の当たりにして冷静に考えてみたの。そしたら『そこまで苦労してやらなくてもいいものじゃない!? そもそも宇宙空間には人間は自然に住めないんだから! そう!目の前に広大な海があるじゃない!』 って2人で思っちゃったわけよ。」


「そう、それで私らのノウハウと引き換えに宇宙の技術を少々失敬してきて、それを元に今のオフショア・シティを建設したってわけ!」とソフィアがまとめた。


「また、いつものようにスケールがデカくってよくわからない感じだけど、じゃ僕が今度君たちのオフショア・シティなるものに行けばその概要がわかるってことなのかな?」とアンドレイが言った。


「ピンポーン!その通りよ! それで今回私達はコマーシャルを兼ねたサーシャのルージュ姫コンサートツアーがいつになるのかな? ってサーシャに聞きにきたってわけよ。」と、今回の事の本題をソフィアが言った。


「それはわかっているよ!だけど、今日君たちが感じてくれた通り埒が開かなくて困っていたんだよ。サーシャの背中を押してくれて本当に有難う!でも僕らはサイボーグだから歳をとっていかないから、本来はあまり人前に出たくはないとは常々思っているんだ。そもそもその理由でサーシャはルージュというコスプレーヤー名を使って活動しているわけだからね。でも、ああでもしなければロシアは前に進んでいきそうにもないからそうするしかないとは思っていたんだ。当の本人は気持ちが定まってなかったんだよ。やっと君たち仲間に言われて気がついたみたいだね。僕はそれをあくまでも兄としてサポートするだけだけどね!」と力説した。


「なるほどね。まあ大変だったのね!? それはわかったからマネージャーさん!早速そのルージュ姫のコンサートツアーのスケジュールを決めましょうよ!」とソフィアが急かすと、

「そもそもどんなことをやったらいいんだい?」


「コンサートは1日でもいいんだけど、クラブ・ルージュにPRしてファンクラブ有志を私達のオフショア・シティに連れてきて欲しいの。ついでにオーシャンリゾートも楽しんで欲しいのよね!それでロシアに戻って宣伝してもらえればなって思ってるの。」


「なるほど・・・」

「クラブルージュのファンクラブの宿泊費はなんと今回に限り半額にしてあげるわよ!それとサーシャにはギャラね!」とソフィアは太っ腹であった。


「半額!?」

「そんなに安くしちゃっていいの??」とジュリアが。

「まあ、それがきっかけでロシアやユーラシアからきてもらえるようになればお安いものかもしれないからね。」とソフィアは最近のお金勘定モードになっていた。


「アンドレイ! 本当にいいところよ! まず放射能汚染装置でその界隈の放射線量を下げたから空気も海水も汚染が無くなって、なんと泳げるのよ!そしてビーチで気持ちいいシーブリーズも受けられるのよ!それってすごくない??」とソフィアに合わせてジュリアも援護射撃をした。


「そうなんだ!なるほど、素晴らしいところなんだね。僕も行きたいな!というかサーシャと一緒に行けばいいんだけどね。」

「だって、あなたはサーシャのマネージャさんでしょ!?一緒に来なくてどうするのよ!」とソフィアが。


「とりあえず、わかったよ。サーシャも行くって言ってはいるんだけど、お分かりの通りこの混沌とした状況を抜け出したらになるね。それまでプランを具体的に詰めて行こう。まずトレーラーでルージュファンには煽っておくよ。」


「しかし、このロシア料理って美味しいわね!」と珍しくジュリアが食べ物を褒めた。

「そうね。私もそう思っていたの。うちにはないものね。そう言えば、アンドレイが親しい商人っているのかな?こういった食材を扱える人?」とソフィアが尋ねると、

「宮殿のバトラーに聞けばわかると思うよ。」


「じゃ、オフショア・シティと食材を交易してもいいと思える商人を紹介して欲しいわ!」

「わかったよ。それはそうと・・・こうしてBLANC TWINSの2人だけと食事をするってもしかすると初めてかな? 今更いうのも変だけど君たち本当にソックリだけど、本当に正反対だよね!そして、本当に綺麗だよ!」と少しハニカミながら言った。

ソフィアが、「あらっアンドレイ有難う!あなたもイケメンよ!」と言われなれた感じでお礼を言った。


「顔も美形だし、プロポーションだけでなく、人間立ち姿って大切でその人の印象を決めると思うんだけど、それも2人ともノリは違うんだけど美しいというかスタイリッシュなんだよねー。それとヘアスタイル!これが2人のキャラクターに不思議と絶妙にマッチしているんだよね〜 それと決めてはファッション!これこそ2人が正反対に見えるポイントになっているよ。ノンバーバルコミュニケーションっていうものを熟知してまるで戦略を練ったかのようなシンメトリーでアシンメトリーのアートといったらいいのか・・・」ととめどなく出てきた。


「アンドレイ、どうしちゃったの??大丈夫?? もしかしたら忙しすぎて女性にはほとんど会っていないとか?」とジュリアは笑いながら言った。

「いやージュリア、鋭いね!思えばそうかもしれないな・・・」

「だって、よく知っている君たちのことがこんなに魅力的に見えるんだから・・・」


「でもロシアは美人さん多いんじゃないの? 会う機会がないって?

だって、あなたは今や国の有力者なのよ!出会いなんか作ればいいんじゃないの!?」とソフィアは手厳しかった。


そして、少し間が空き「名案が浮かんだわ!多分あなたの性格からするとそういった権力を利用して女性とお近づきになりたくないっていうことなんだろうから、ロシアもスロバキアもそもそもは同じスラブ系の民族でしょ?気晴らしに2、3日スロバキアに行ってみるっていうのはいかが? 私達もこの後に立ち寄ることになっているから。」と提案した。


「スロバキア王国か!サーシャがお世話になったグスタフ王の国ね!そういば僕も一度も行ってないな・・・隣国として今後のロシアとの関係もあるし、一度行って状況を見ておいてもいいかもしれないな!」と彼の顔が急に明るくなった。


「それに久々に君たち2人と冒険ができるのも楽しいし!」と言ったところ、

ジュリアが、「アンドレイ、ごめん! でも私のモーターグライダー2人乗りなの。」とクールにシャットダウン。


「えっ そうなの? まあそうだよね!あの大きさだと。じゃ僕は帝国軍の生き残りの軍用ドローンでついて行くよ」と話がまとまったのだった。


「しかし、ロシアは僕の母国だし大好きなんだけど、今みたいな夏はまだいいんだけど、逆に冬はものすごく寒いんだよね、特に宮殿内は・・・サイボーグの僕でも体に不具合を感じるほどだよ。2人のそのオフショア・シティって暑いところなんでしょ?折角だからスロバキ アの後も君たちに付いて行って、サーシャより一足先に偵察に行ってみようかな?」と手を顎にやって真剣に検討している様子である。


2人はこのアンドレイとの会話でユーラシア帝国が統治していた広大な国土の民衆を束ねるのは至難の業であると実感していた。それと比較すると自分達のオフショア・シティは、志を一つにしたというか同じ価値観の人々が集まってできた自然発生的な自治国家なのでそう言った心配はないとも思った。しかし国家とは一体何なのだろうか?単一民族だからといって1つの価値観にまとまるわけでもない。また同じ宗教だからと言ってもこれも歴史上枝分かれするのが常であり同じ価値観ではないようだ。だったらそもそも同じ価値観の人々を集めるのが一番いいのではないか?という単純な発想から生まれた私らのオフショア・シティはもしかしたら民族や宗教を超えた新たな国家の概念なのではないのか!?とも実感したのである。つまり出生での土地に縛られた国家ではなく、インターネット上で繋がる価値観を共有する友達の如くコミュティーができ、そのコミュニティにリアルな土地があるという実は当たり前のような斬新なアイデアの上に成り立っているのだ!そしてこの試みが成功した暁には国家という概念が変わっていくのだろうと強く思った。


早速 ”いいね”、”ブックマーク” そして”点数”を頂きまして有難うございます!!

ただ今シーズン4作成が佳境を迎えているので頑張ります!

ただ、4は、このシーズン3が終わったら、今度こそシーズン1の前のお話 プロローグ上・下に行ってからの予定です。

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