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19:サーシャとアンドレイの悩み

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason3ー余燼(よじん)が燻る編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。


エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!

このモーターグライダーは滑走距離が短くて済むので、旧ユーラシア帝国の宮殿であるクレムリン前の広場に着陸した。クレムリンとはそもそも城塞を意味しロシア内の多くの都市はクレムリンを備えているのだ。着陸すると2人を懐かしい顔が出迎えていた。アンドレイとサーシャだった。


「ソフィア、ジュリア!会いたかったよ! あの時いきなりいなくなったから僕たちすごく心配していたんだよ! いや無事でよかったよ!」とアンドレイが挨拶した。


「ソフィアさん、ジュリアさん、お久しぶりでございます。お元気そうで何よりです!」とサーシャもいつものように笑顔で挨拶をした。


「二人ともどうしているかな?と思ってジュリアと来てみたのよ。こっちもやっと落ち着いてきたからね。」とソフィアが答えると、ジュリアが、「ねえ、サーシャ、ルージュって今でもオンエアされているの?」といきなり聞いてきた。

「それがですね、まだ国内が混沌としているのでしばらく様子見なのです。」



「もうここまで来たんだから、思い切ってサーシャがこの国の女王になるっていうのが一番いいんじゃないかしら??」といつものジュリアのように核心に触れた内容をついて早々第一声で話し始めているのだ。アンドレイも、「僕もそれが一番いいんじゃないかな!って思っているよ。」と賛同している。

「しかしすごいね!いきなりジュリアよく状況わかったね!! 君の直感はいつもいつも素晴らしいよ!」と逆に驚いていた。


「僕は、これは中々まとまらないから最初だけでもサーシャが上に立っちゃえば!って提案しているんだよ!できる限りサポートするからって。」

ソフィアも、「サーシャはいやなわけ?」と会話に入り聞いてきた。

「いやというか・・・それをするためには『実はルージュは私なんです!』ってファン達に言わなければならないじゃないですか? それって裏切りのようで・・・ でも、実際アニメキャラのルージュが国政を担うわけにもいかないですし・・・」


「なるほど!そんなことなのね? でも、実際あのバトルでのファン達のルージュの扱いと政治でのルージュの扱いは違ってくるのかしら?」とジュリアが疑問に思い聞いてみた。

「それが、ユーリ達に相談しても答えが出てこないのです。」

ソフィアが「それはそうよね。彼らもある程度仕切りたいんじゃないかしら?」

「まあ、こんなところで話していても申し訳ないから宮殿に入ろう!」とアンドレイが言って2人を誘導した。


かつて戦場となったこの宮殿はすっかり内装がリニューアルされて綺麗に修復されていた。そして4人は最上階のボードルームに入った。


ソフィアが、「この部屋覚えてるわ!あの最後の部屋よね!?」

「そうなのです!あの決定的な場面の場所ですわ!今この部屋は会議室として使っています。私達はこの下の階に個室が並んでいたので、今は仮住まいとして住んでいるんです。」


「そう、さっきの話の続きなんだけど・・・」と言いかけた時に、執事のような男性が4人にティーを運んできた。

「ありがとう!」とアンドレイが言うと、その執事は滅相もありませんと言う表情でそそくさと出て行った。


「その前に、いやーアラブ連合を迎え撃ってくれて本当に助かったよ!あいつらがこっちに向かってきたらこんな状態だから打つ手がなかったわ。本当に君たちには感謝感謝だよ。」


「ウクライナは今どうなっているの?」とソフィアが、

「今自治区的な扱いになっているんだ。こっちもこの広いロシアだけでも手が回らないからね。果たして今後ロシア領内に入れていいかも疑問だしね。」


「ウクライナの人々はどういう感情なんでしょう?」

「やっぱりロシアと同化はしたくはないんじゃいかな?そもそも諸々とスラブ発症の地でもあるわけだから彼らなりにプライドもあるでしょ!」

「なるほどね、色々と複雑なのね?」


「さっきの話の続きだけど・・・」みんなが彼を見た。

「仮に、サーシャが王女になったとしましょう!そうすると、絶対シェウチェンコが何か言ってくると思うんだよ。」とアンドレイが言うと、ジュリアが、

「確か、彼ってウクライナ出身だったわね!」と言って何やら考えているようだ。


「でも、アラブ連合戦では私らがスロバキア王国と一緒に封じ込めたって事例もあるし、アンドレイ!あなたの横には私達もついているわけだから、あなた達2人が上に立つ分には言いたくても言えないんじゃないのかしら!?」とソフィアが擁護した。


「じゃ、代わりにシェウチェンコ氏に事情を話してウクライナを援助してもらうってのどうなの?」とジュリアが提案した。「また、アラブ連合が攻めてくることがあるかもしれないから、我々に今その余裕はないから国のことを考えて援助して頂きたいとか言って。」

「なるほど!そっちに視点をずらすのは妙案かもね!」とアンドレイも一応賛成のようである。


「やっぱり、友っていいね!君たちとこうして話していると色々な可能性を探れるよ。今回来てもらってよかったよ!」と先ほどより表情が明るくなっていた。


「で、サーシャ!そんなに正体がバレるのが嫌なの?」とソフィアが子供に話すような雰囲気で聞いた。

「・・・」無言である。


するとジュリアが、「わかった!私、いい案があるわよ! 昔のミカドは衝立の裏にいて顔を見せることはなかったと聞いたことがあるわ。女帝であれば卑弥呼って知ってる?あなたもそれでイケばいいんじゃないの?? 人と話さなくちゃならなくなった時は、ルージュに変装して、それで曇りガラスのような衝立の後ろに座るのよ。アンドレイはその前に居て有り難くサーシャの御言宣 (みことのり)を伝えるかのように振る舞うのよ。もちろんオンエアでよ。その時は一種の舞台での劇だとおもってね。」と少し笑みを浮かべて提案した。


「なるほど!それならイメージが湧きますわ。」とからかって言ったつもりであったのだが、意外にもサーシャのイメージのツボにはまったようだ。

「じゃそれでいいんじゃないの!? せっかく私らもいるわけだし帝の戴冠式はもちろん承認して参列するわよ!対外的にも少しは効果あるでしょ!?」とソフィアも賛成しているのだ。


『こんな混沌とした状態はそんなことが原因だったんだ!』とジュリアの表情に笑いが出てきた。また同時に『一国の運命もこんな些細なことで決まってしまうものなんだな』と痛感したのである。


言わば今では1大政党になってしまったルージュ党とでも言ったらいいのだろうか?そのサーシャのファンクラブを抱えているクラブ・ルージュの会長ユーリと副会長アナにサーシャは早速相談しに行ってしまった。これでサーシャがやっとロシアを導いていくことになるのであろう。


まあこの考えはいささか不真面目に見えるかもしれないが、ルージュのファンであるこの国のマジョリティを占める国民達は双方向のコミュニケーションに未来を託しているのである。自分たちの言い分がトップに伝わり、それをきちんと吟味してもらえて、そしてそれが採用されたりされなかったりと。しかし、されなかった場合はその理由が明確に開示される事を望むというだけなのである。彼らが嫌がるのは発言してもいつの間にか有耶無耶になり、気づいた時にはすでによくわからない方向に進んでいるという疑心暗鬼な状態なのだ。


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