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18:久々の2人旅

この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。


このエピソードからはSeason3ー余燼(よじん)が燻る編ーのスタートです。

実はシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズンが終わった後に公表したいと思います。(文芸:ヒューマンドラマにて)

そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの活躍とクールな兵器類をイメージしながら、世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実なの?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインでどんどん進めていこうと思います。


エッセイもその他カテゴリーのエッセイにて投稿中です!

空の上をのんびりと散歩するがごとく移動するスタイルはジュリアのお気に入りである。例えば、私たちの世界では、飛行機直行便であってもヨーロッパまでは12時間かかる。『じゃやることが限られた空間の中でその時間どうする?』という類の話である。


この場合、2通りの人間がいると思うのだが、ジュリアの場合は機内の音楽を聴きながらワインでも飲んで空想の世界にゆったりと浸かりながら時間を満喫するというスタンスである。これを右脳派と呼ぶことにしよう。ではソフィアは?彼女は逆に左脳派のために何かしら手を動かしたり読んでいたりとやることがないと退屈してしまうタイプなのである。それが原因で長時間の移動という現象を好まないのであった。


「しかし、ソフィア!スイスにいた頃は色々と旅行してたわよね!?私よりも。でも、この世界に来てからほとんど一人旅みたいなことはやってないでしょ?」とジュリアが言った。


「そうよね。あの頃は情報収集が1つの仕事だったから日本に行ったりとか。それがきっかけでヒデにも会えたんだものね。」


「まあ、子供の頃から、あまり一人でいるイメージはなかったけど、この世界に来てからよりいっそうそうなったと思うんだけど・・・その方が心地いい?」と少し疑問に思って聞いた。


「そうね。水上都市構想を始めてから一層そういう気持ちが強くなったかもね。私の中では、水上都市構想の私なりのイメージヴィジュアルが存在していて、その設計図に向けて積み木のように1つづつ着実に積み上げていくっていうのが喜びなのよね。色々な人たちと一緒に作り上げていく楽しさみたいな・・・プロジェクトをプロデュースしてるって実感が湧いてくるの。だから自ずとそのプロジェクトがある場所に固定されてしまうのよね。自分の私物はどうでもいいというか、逆にオフショア・シティ自体が私のものっていう感じなのかも。」


このタイトなモーターグライダーのコックピットの中では、ソフィアが退屈しているであろうと思い、久々にジュリアは操縦しながら深い話を投げかけてみているのであった。


「なるほどね。ほんと私達綺麗に真逆なのよね〜 私はピンと来たものに興味があって、それを何がなんでもやり終えると言ったらいいのか・・・与らえた使命をこなす満足感が先に立ってしまうのかも。その時間は誠心誠意全霊を持って取り組むんだけど、それが終わると浮いているというのか・・・ やり終えた後にふわふわっと漂っている時間も大好きなのよ。だから今はその時間。」


「でも、あなた、ヒデはどうするの?」

「向こうの世界のヒデでしょ? 色々と考えてはいるんだけど、彼はまだ大学生だし、前こう言った話をした時にも言ってはいたんだけど、あの彼の世界では生計を立てるってことが大変じゃない?お金というものが幅を利かせているから。私だってここでは何不自由なく生活できているけど、あの世界での仕事はアルバイトしかないでしょ!? だから彼が大人になるまで待ってみようかなと思ってるの。それまで私達の愛が消えなければいいんだけどね。」


「なるほどね。そうよね。わかるわ。あの世界ってやっぱり人口が多いから競争社会なのよね。ここと違って社会とか経済とかも複雑化しているしね。そうそう一度アメリカに行った時に肌で感じたんだけど、あの人たち自由主義とか民主主義とか言ってるじゃない!?でも実際一部の超お金持ち連中がそれを建前にして全てを握っていて、言い方悪いけど国民はその金持ち達に飼われているような印象を受けたわ。殺さず生かさず彼らが必死に稼いだお金から搾取しているのよ。だから、民衆に欲望を植え付けて、それに向かって頑張る!そしてそれをゲットする!という魅力あるコンテンツとサイクルを作り上げて、金持ち達はその欲望を『憧れ』というコンテンツとして絶えず用意していけば随時ドンドンお金が入ってくるっていう仕組みなのよね〜 やっぱり物質社会での止めどない人間の欲望って恐ろしいものよね!」とソフィアは俯瞰して見たようなというか欲望を超越したような観念で話しているのだった。


ジュリアも、それを聞いて納得できる話だし、やっぱり彼女って『私服を肥やす』って概念が全くないんだなと自分の姉ながら誇らしく思った。確かに彼女のめだった私物というものはほとんどない。強いて言うならば、少しの服と戦闘時に使う特別仕様のブラスターマシンガンのハンドガンのみであろうか?あとは物というモノには全く執着心というものを感じないと思った。


『そうね、そんな意味では、私の場合は、このロングソードに、移動する乗り物のこのモーグラ、そしてあのホバージェット、あっ物になるのかわかならいけどガリオンかな。』 と対比させてみている。


ここの社会では人間の生活に必要な物資は国への労働の対価として無償であてがわれたり配給されるのがほとんどであり、それ以外に欲しいものがある場合は労働の対価が個別にポイントで付与されるためそのポイントを貯めて購入するシステムなのだ。


例えばソフィア達のオフショア・シティを例に取って考えてみると、そこに住むと決まった時には住居は希望に合わせて決まった選択肢の中からあてがわれる。そして同時に仕事が決まる。その仕事の対価としてポイントが付与されて、その中からほぼ一律の光熱費や食費に使われていく。衣服はそんなにバリエーションがあるわけではなく、既製服もあるにはあるが個人の体型に合わせてカスタムメイドが一般的である。ここまでで生活費に必要な衣食住はクリアーできる。そして余ったポイントで自分の趣味的なモノを購入していくのである。ただ戦争のような国の行事に関しては武器類などは一律あてがわれるのだが、個人的に必要な武具に関しては個人持ちとなる。医療費は住民は無償であるし、保険という概念はそもそもない。移動のための乗り物類はシェアする感覚だ。そういう意味ではソフィアはこの世界では標準的な価値観を持っていることになり、逆にジュリアは個人所有のプレゼントされたものではあるがモーグラと自宅のようなホバージェットはものすごく特別な価値があるということになるのだ。


ジュリアはそんなことを頭に巡らせてから、「今 いったいロシアはどうなっているのかしら?」とふと疑問に思って聞いてみた。


「そうね、あの二人(アンドレイとサーシャ兄妹)はロシアの建て直しでいそがしいようね。あれから結構時間が経つけど三つ巴というのか混沌としているみたいね。まずは、結果的に戦争に勝った連合のウォーターシティ総司令のシェウチェンコ氏が仕切りたがっているんだけど、まあ彼が軍事力を抑えているからね。でも彼の上ってエドモントンのメイヤー職のブラウン氏じゃない!?そこの力関係とか?それにロシア内ではそもそもの地元の実力者とかもいるわけよ。そこに今回の戦争で活躍した革命派のクラブルージュ会長ユーリと副会長のアナの発言権も強いし、実際今のロシアの軍部と警察機構を束ねているのはあの革命軍リーダーのセルゲイなのよ。でもその上に超越して存在しているのがロシア国民のアイドル的存在のサイボーグのアンドレイとサーシャなわけね! わかる?このめんどくささ!」


「あの2人はサイボーグだから、それが国民に大っぴらになっちゃうと嫌なのよね!? だから本人的には頂点には立たずに、可能な限り一目に付かない位置にいたいわけでしょ?」とジュリアが聞いた。


「そう!そういうこと。でも、このチャンスに権力を掴もうと当たり前のようにクラブルージュが彼らに頼ってくるし、地元の有力者達もどうにかして彼らを旗印として取り込もうとするしで、どっちを立てる?ってことで大変なんじゃないのかしら?」


「彼らとしては念願の親の仇は取ったわけだけど、国のトップにはなりたくないんだ!ってことでしょ。サーシャは開き直って『ルージュ姫は実は私なんです!』ってファンや国民にいっちゃえばいいんだと思うけど、それで問題なかったとしても果たして2人で国政を担えるのか?ってとこなのかな?」


「そうよね。2人はずっと潜伏していたから、実際の政治で役に立ちそうなブレーン達が存在しないんだと思うわ。それに今はほったらかしになっているけど、そろそろ帝国全体の処理もしていかないとならないと思うしね。」

「確かに色々大変そうね!私ならゴメンだわ!」


というような会話をツインズは久々にゆっくりと話しながらモスクワに着いた。


ここにきて最初から最後まで一気に読んで頂いている方々が増えていますが、誠にありがとうございます!!是非、サイトの会員登録をして頂き、いいね や ブックマーク をして頂けますと感謝感謝であります!!評価に反映されるようです。僕もヤル気がMAXになりますので(笑)

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