1:帰還したが・・・
この物語は双子姉妹(Blanc Twins)の冒険談を『夢とは?』いうテーマで描いたパラレルワールドでの物語です。彼女達にぼんやりと見える『夢』を無意識に追いかけて行くとそこに『幸せ』が見つかるのか?を綴っていきたいと思います。
実はこのシーズン1の前にプロローグ的な『成り行き』の詳しいお話があるのですが・・・それはこのシーズン1が終わった後に公表したいと思います。
Blanc Twins ことヒロインのソフィアとジュリアは一卵性双生児の双子です。
そしてこの双子は稀に見るとびっきりの美人姉妹なのです!まるで光と陰。ロボットや兵器類も言葉では7割しか描けませんがカッコいいはずです。荒廃したパラレルワールドでの彼女たちの大活躍とクールな兵器類をイメージしながら世界地図を片手に読んでいただけると楽しめると思います。これって現実?それともSF?と言う狭間で大人も楽しめるギリギリのラインで進めていこうと思います。
ソフィアとジュリアはフレンチスイスにある自宅に戻りやっと落ち着くことができた。
彼女達は所謂パラレルワールドから戻ってきたばかりなのだ。
そのパラレルワールドとは?
彼女達がそもそも生まれ育った世界であり、そこから我々の世界に“異世界越え”して戻って来たのだった。
そして2人は未だ混乱している頭を整理しながらよくよく考えている・・・
『あの私達のパラレルワールドが終わるということは・・・』
『その先に存在する私たちが生まれた未来世界もなくなるということなんじゃない!?』とはたと気がついたのであった。
つまりそのパラレルワールドが消滅するということは彼女達自身も存在しなかったことになってしまうということになるのだ!
まずは双子のソフィアとジュリア姉妹ことBLANC TWINSの紹介をしておこう。
ソフィアとジュリアは20代後半のいわゆるツインズである。
ルックスは一卵性双生児のためほぼ同じなのだ。
ただ、キャラクターは真逆であり、ソフィア(Sofia Blanc)は人当たりが良く笑顔で明るくコミュ力が高い、対するジュリア(Juria Blanc)は始終表情に変化がないポーカーフェイスのイメージで若干コミ症のため必要最小限の会話しかしないと言った違いがある。
ではルックスの方は?
2人とも推定168cmの身長にて、8頭身のバランスである。筋肉質で引き締まった体ではあるが、細身のフィギュアのような雰囲気でまるでバ○ビー人形のような体型である。
2人の顔の作りはほぼ同じで、卵形の顔の輪郭に若干離れた位置に大きな目が位置している。コーカソイドではあるが、鼻は小さめでどちらかというと先祖にアジア系の血が混ざっているかのように彫りが浅いスラブ系の女性にイメージがかぶる。
ソフィアはブロンドのロングヘアーでいつもは高い位置でポニーテールにまとめている碧眼の美女。肌はほどよく日焼けしておりスポーティーに見える。
ジュリアはというと、こちらもプラチナブランドのいわゆる銀髪の無造作なショートボブスタイルで透き通るほど透明感がある日焼け知らずの色白碧眼の美女だ。
まさに二人は美女ツインズではありながらソフィアの陽に対してジュリアは隠のイメージであり正反対のキャラクターとなっている。
そして、実はそのパラレルワールドの日本政府代表を務める属氏と前回のミッションで同行したヒデ(ジュリアの彼氏)以外は重要な”あること”を知らない。
そのあることとは・・・
まず1点目は、このツインズはパラレルワールドの未来から過去へとタイムトリップしてきたのだ。そう未来社会を救うミッションを背負って80年代にタイプトリップしてきたのであった。そのパラレルワールドとは私達の世界とは異なる異世界なのだ。
そして2点目は、彼女らはヒューマノイド(人類)ではあるのだが、未来社会の高度な遺伝子工学によって身体や能力が強化されたいわゆる『エンハンストヒューマン(Enhanced Human)』EHなのであった。
また2人の能力も違っている。
ソフィアは左脳がより強化され対AIを含めたスーパーコンピューターに対応できる頭脳とコミュニケーション・分析能力を持ち、ジュリアの方は右脳と小脳が強化され対アンドロイド戦にも勝ち得る身体能力とストラテジープランニング能力を備えているのであった。
「ねえ、ジュリア! ということは、私達はまたあの世界に戻らないとならないわね!?」
「そうね、 あの世界自体がユーラシア帝国のせいでやられて亡くなってしまったら私達も消えてしまうってことよ?!きっと! だから日本の属代表に事情を説明して対策を考えないといけないんじゃないの?」
「そうよね!やっぱり利害が一致している属にお願いしてみるのが一番現実的よね? わかったわ。じゃ、またあのパラレルワールドに戻ることになるわね?! でも、今回戻ったら、またこの世界に戻れる保証はないから一旦身の回りを整理してから行きましょう!」
ということで、二人は隠れ住んでいたフレンチスイスの小さくて綺麗な町ビュルにある彼女たちのアパートを引き払うことになった。
今一度時系列的に整理してみよう!
今彼女達がいる世界は僕たちの世界の1980年代である。
つまり、僕たちの世界から、戻ってきたばかりの彼女達が生まれたパラレルワールドにまた戻るということなのだ。
ただ、そもそも彼女達が生まれた時代はそのパラレルワールドの未来世界なのだ。
さらに巻き戻して説明すると・・・
①彼女達はパラレルワールドの未来社会でEHとして生まれた
②あるミッションのためにそのパラレルワールドの80年代にタイムトリップしてきた
③僕たちのパラレルワールドへの扉があり、僕たちの世界の80年代に来て住んでいた。
④またミッションが下り、パラレルワールドに戻って行った。
⑤そのミッション終了後に、また僕たちの世界に帰って隠れ住もうとした
⑥『いや、ほっとくとまずい!』となった
⑦またパラレルワールドに戻り彼女達の冒険が始まるのだ
という流れになる。
ということで、二人は身の回り品を愛車である真っ赤なプジョー205GTIに詰め込んでスペインのアンダルシアへと向かったのだった。
こうして美人姉妹の2人旅が始まった。
これは、この物語のプロローグ編となる『ある80年代の話』の続きである。
季節は9月になり暑かった夏も終わりに近づき秋風を感じるようになっていた。
そして、ツインズは地中海を臨む2人のお気に入りのヴィラに着いた。
ここはパラレルワールドへ行く際の入り口としてツインズがよく利用しているスペインのリゾートマンションなのだ。ヨーロッパ屈指のリゾート地として人気のミハス・コスタにありバルコニーからはとても綺麗な地中海が一望できるところにある。今ではこの世界で唯一の足場となる空間に彼女達はどかっと荷物を下ろした。
「やっぱり、ここはいいところよね〜 海が綺麗で! 風も気持ちいいわね! また戻って来れるといいんだけど・・・」
「そうね、本当はこんなところでゆっくりと気ままに過ごしたい気分なんだけど!そうはいかないのよね!? なんで私達の運命はいつもこうなんでしょう? いったい人生ってなんなんだろうね・・・」
「そうね、ジュリア!私達はある意味そのために生まれてきたんだから仕方ないわよ。早く奴らをやっつけて私達も自由になりましょうよ!」
と、この前の出来事で少し気を落としているジュリアに、ソフィアは前向きになるよう勇気づけていた。
「だけど、ソフィア、あの強大なユーラシア帝国をやっつけるって言うけれど・・・そもそも私達にできるのかしら? 今まで考えたこともないでしょ? とてつもない“夢物語”のような気もするんだけど・・・」
「そうね!でもやらないと結果的に私達もいなくなっちゃうんだから、やって失敗しても同じじゃない? もしかしたら大きさに騙されているだけで、実際は物凄く強国ではないのかもしれないじゃない!?」
「ソフィアはそう言っていつでも前向きに考えられるのがすごいわ。いつもいつも感心しちゃうわ! でもそうね、冷静に考えると・・・彼らの軍備は人間の兵士とロボット兵器そして通常兵器なんだから、考えればやり方はあるかもね。いくら数が多くても私達だったらある程度の装備があれば勝てたりして?! しかし・・・この場合何を持って勝つということになるのかしら?」
「やっぱり帝国なんだから、皇帝のピョートル2世を殺るってことなんじゃない? 今あの国のノヴォシビルスク近くにいるという噂よ。」
「でも、噂では地下のバンカーに住んでいるとか? ということは、私達は地下に潜入して奴をやらないといけないのよね?それってよくよく考えるとすごく大変じゃないの?」
「そこまで行くのにも大変よね。きっと帝国守備隊が待ち構えているから・・・」
「うーん、ミッションとしてどう作戦を考えればいいのかしらね・・・」
「奴らに対抗できる兵器があれば話は別なんだけど・・・兵器ねー とりあえず技術力がある日本を仲間に入れるのがマストだから、やっぱり属代表に話してみるのが最善の策ね!」
「そうね。いつもいつもだけどそれしかないわね!?」
「まあ、シンプルに考えても、私達用の新たなバトルスーツとそれを着ながら操縦できるレーザー砲を備えた戦車みないなもの、そしてそれらを現地まで輸送できるカーゴジェットが必要よね。」
「あっそうだわ!日本にはイメルダとガルシアを残してきているのよ!今回は命に関わることだから強制はできないんだけど、彼女らにもヘルプお願いしてみようかしら?」
「そおね、仲間が多い方がいいわね。大変なところは私達がやるとしてもサポートがあるのに越したことはないわね!」
という取り止めもない双子の間でしか通じなさそうな会話が続き、
ついにツインズとしては行動のための決心ができたようだ。
このビーチリゾートで久々に数日間気ままなコーストライフを満喫した二人は、後ろ髪を引かれながらも、アンダルシアの古都ロンダの地下にある厳重に隠された入口からパラレルワールドに戻った。そうここは戦時下の連合軍地下要塞なのである。そして眠らせて待たせてあったジュリアの盟友ガリオンも眠りから覚ましたのだ。
ガリオンとは、同じ未来社会からジュリアと共に送られてきた体長4mの獣型戦略兵器でウルフ型ロボットなのである。つまり全身ブラックな無骨な殺戮兵器なのであるが、わかりやすく言うと戦闘時におけるジュリアの相棒として戦闘し今のところ負け知らずの盟友なのである。そしてジュリアの乗り物ホバージェットごとガリオンも連れて、日本の新兵器ソニックカーゴジェットで首都越後湯沢に向かったのだった。
この世界は、核戦争とそれによる地球温暖化によって、世界中のほとんどの沿岸部が水没してしまっている。日本もその例に漏れず沿岸部の大都市は水没し全て廃墟と化していたのだ。そこで生き残った日本人のグループが属というリーダーを中心に越後湯沢に遷都し、高層ビル群からなる都市国家を造ったのであった。
この世界は未だ戦争が長引き、ユーラシア大陸に君臨するピョートル2世を皇帝としたユーラシア帝国と、ヨーロッパ・北米を中心とする自由主義連合との2大勢力に分かれ対立しているのである。その情勢の中、日本は軍事産業及びロボット産業を糧としているが鎖国に近い中立国という複雑な立場をとっていた。
航続距離が長いロケットは実弾としては未だ存在し、枯渇している地下資源のほとんどがそれに注ぎ込まれていた。よって通常弾丸等のアミニション類は補給ができず、つまり量産できない社会となっていたのだ。この世界での武器と言われるものは、循環エネルギーを使用したレーザー砲やブラスターガンが通常兵器というのがスタンダードとなり、人類に対しては必殺性が低いブラスターガンなどが通常兵器のため、決め手となるヨーロッパ中世からの刀剣による戦闘スタイルが常習化した世界となっていた。分かりやすく言うとヨーロッパ中世の戦闘スタイルを維持しながらも近代化した戦いと言うことになる。
なんと今日は人生節目の誕生日を迎えました。今まで書き溜めていた物語を今日から毎日投稿してきたいと思います。初投稿です!少しでもいいかなと思ったらぜひ応援していただけるとありがたいです!!その際是非ブックマークと評価もお願いいたしまーす!!