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ある呪術師の秘密な恋  作者: ゆな
7/13

7.一人目の死亡者

椿赤:「杏様!はやくはやく!朝黄様と碧梅様がもうおいでになられてます!」


杏:「ありがとう!もう出れるよ!」


橙乃:「本日は炎刀だけでよろしいのですか?」


黄華:「今回の呪霊はレベルが分かってないのですよ!」


杏:「でもね火蝶クナイは毒を仕込んでもらっってる最中で、火鎌はまだ扱いなれてないから無理なんだ〜。」


黄華:「そこまでおっしゃるなら良いですけど。自身の安全を優先してくださいね。」


杏:「ありがとう!黄華、橙乃、椿赤!」


3人:『行ってらっしゃいませ。』



杏:「ごめんね、遅くなって!」


葉瑠:「大丈夫だよ〜」


琉衣:「遅いよ、5分遅刻。ちゃんとしてよね。」


杏:「はい。」


琉衣:「再度確認するね。今回は火の呪霊でレベルは不明、でも4以上だと予測される。

その呪霊がいる場所は、ある村の一角で毎晩どこかで焼死体が見つかるらしい。

でも身体的欠損は他に見当たらないから食用ではなく呪霊が遊びで殺している可能性が高い。

今回はその火の呪霊を祓ってほしいとのことだ。」


杏:「遊び目的で殺しているんだったら知能はあるはずね。」


葉瑠:「毎回焼死体で見つかるということは、火の呪術でも使っているのかな?」


琉衣:「多分そのどちらも正解だと思うよ。だから今回は少し難しいかもね。ついたよ。」


杏:「ここが⁉すっごいきれいな村〜!」


琉衣:「観光できたわけじゃないんだからとっとと村長に挨拶に行くよ。」


『紅蓮家の杏様だわ!』『碧梅家の葉瑠様に朝黄家の琉衣様!』『どうか呪霊を祓ってくださいませ。』


ダッダッダッ…


「おまえら!なんでもっとはやくこなかったんだ!」


杏:「どうしたんですか⁉大丈夫ですか?」


葉瑠:「杏!近寄っちゃだめ!」


杏:「えっ…」


ドスッ


杏:「ひっ…。」


琉衣:「僕達にむかってどんな口の聞き方してるの?謝っといたほうが良いんじゃない?」


「ハァ…。ハァ…。」


琉衣:「行くよ。」


葉瑠:「杏、立てる?」


グイッ


杏:「琉衣⁉」


琉衣:「立てないならどっか掴まっときなよ。」


杏:「ありがと。」




杏:「村長様へのご挨拶疲れた…。」


琉衣:「ほら、祓いに行くよ。」


葉瑠:「え、なんの気配も感じませんよ?」


琉衣:「僕が感じるんだから間違いない。ついてきて。」


一歩外に出た瞬間あたりは火の海だった。


葉瑠:「何だよ、これ。」


琉衣:「呪空間だ。要するに空間呪術と時空呪術の併合。わかるよね?」


空間呪術はその一定の場所に自分の呪力を放出し自分にとって都合のいい空間にする。


時空呪術は時間を操ることができる呪術、この呪術は呪力の消費量が凄まじい。


つまりこの2つが併合されて作られた呪空間は現実世界の同じ場所とは全く異なる場所である。


琉衣:「僕はやつの死角から攻撃するから二人はライと一緒に前から普通通りに攻撃して。」


「ライ!」


黄色の鏡に稲妻が落ちたかと思うと黄色の龍が現れた。


「杏と葉瑠たちと一緒に攻撃するんだよ、良いね?」


『ハイ』


「レン!おいで!」  「スイ、出ておいで。」


『ワタシハオトリヤクニナリマショウ。フツウノリュウヨリモコマワリガキクノデ。』


杏:「任せたよ、ライ」


『エエ。』


杏:「レンは私と一緒に呪霊に突っ込んで。」


『ウン』


葉瑠:「じゃあ俺とスイは二人の援護するよ。できるねスイ?」


『ハイ』


杏:「気配は感じるのにいない…。」


グサッ


『ウワアアアアー‼』


すごい断末魔とともに姿を現したのは火の呪霊だ。


その容姿は真っ黒の体に炎が燃え盛り、目だけが金色でこっちを睨んでいる。


杏:「レン!」


『グレンケジュジュツ エンカ』


炎華は、レンのはく炎が無数の花びらのようになっていて広範囲に攻撃をあてることができる。


タンッ


いける!間合いの内側!急所の心臓を!


『トモリビ』


ボッボッボッ!


杏:「うっ!熱い。足が焼けてる。でもあともうちょっと…。」


グイッ


パンッパンッパンッ!


次の瞬間私のまわりで燃えていた火は爆発していた。


葉瑠:「バカ!相手の呪術とまわりを見るんだ!」


杏:「ごめん!」


葉瑠:「よし!祓うぞ!」


タンッ ザシュッ


火の呪霊から放たれる火の一つ一つが肉片のよう。向こうの攻撃スピードも落ちてきている。今がチャンス!


杏:「レン!走るよ!」


タタタタタ…。


「ヒキリ」


レーザーのようなものが数本現れてありとあらゆるものを焼き切っていった。


私はレンがはいてくれた炎のおかげで呪術が無効化できて無傷だ。だけど、だけど…。


杏:「葉瑠!葉瑠!」


琉衣:「杏!葉瑠を治癒呪術で治して。その間は僕とライとレンでなんとかするから。」


杏:「はい!」


葉瑠の右手は肘のあたりから切断され、右足は足首からが無い。そして腹部からの出血もある。


杏:「待ってね、今治すから!」


葉瑠:「スイ。いる…か?」


『ナンデショウカ、ハルサマ』


葉瑠:「契約を解消する。そして碧梅家にいる俺の弟の青龍となるのだ。」


杏:「何いってんの⁉葉瑠!まだあなたは死なない!死なせないから!」


葉瑠:「杏、もうやめろ。治らない。杏の呪力はこんなことよりも戦闘に使え!必ず祓うんだ!」


『アンサマガダメナラワタシノフクゲンジュジュツデハ?』


葉瑠:「この傷を治す呪力はもう僕もスイも持ってないよ。だから俺と解消してくれるか?」


契約解消は龍を出す時に使う鏡にお互いの血を垂らすことで完了する。


『ハルサマアナタノコトハイッショウワスレマセン。アナタハワタシノユイイツノシュジンデスイママデモコレカラサキモ。』


杏:「消えた…?」


葉瑠:「新しい主人の元へ行ったんだよ。ほら、杏。戦ってきて。」


杏:「うん。」


トンッ


葉瑠:多分これが恋なのかな。何としてでも守ってあげたい。

自分がたとえ辛くてもその子が苦しんでいたらその子の分の苦しさも俺が背負いたい。

俺が死んでも俺のために泣くなよ。お前が泣くのは好きじゃないからさ。頑張れ。


[碧梅 葉瑠  死亡]


杏:「琉衣!私突っ込む。」


琉衣:「何いってんの?死ぬよ?」


杏:「大丈夫。あいつの攻撃にはあいつ自身の肉片と呪力が使われて弱体化してる。だから、今しかないの!」


琉衣:「君が言ったことを信じるよ。ライ、レン援護するよ。」


葉瑠を殺したぶん、村人たちの命を奪った分、ちゃんと償って!相打ちになってでも祓う!


息を止めて力いっぱい踏ん張って心臓に一突き。そしてレンの呪術を使う。


杏:「爆炎!」


刀でついたところから呪霊の体が膨れ上がって爆発する。レンが持っている中でも比較的強い呪術だ。


杏:「倒したよ、倒したよ。葉瑠。」


琉衣:「ライ戻っていいよ。 よく頑張ったね、杏。すごいよ。」


その後は金龍にスイが葉瑠が死んだことを伝えていたらしく


金龍様の使いさん達が来て葉瑠を本家に連れて行った。



葉瑠はいつも朝私にお花を渡しに来てくれていた。それがもう無いと、本当に悲しい。


鏡を見て髪をとかしている時に気づいた。左耳のストーンのピアスのうち1つが水晶のピアスになっている。


これは葉瑠の右耳についていたピアスを私が今回の任務中になくしたから葉瑠がくれたやつだ。


杏:「ありがとう!葉瑠!もう大丈夫。そろそろ復活するね!本当にありがとう。ゆっくり眠ってね!」

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