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プロローグ 斑鳩陵介。

異能バトルが書きたくて書いた。

後悔はしていないが、反省は少ししてる。

面白かったら応援よろしくお願いいたします!!







 ――日本のどこかにある、政令指定都市。



「おい、急げ! さっさと逃げねぇと警察がくるぞ!」

「分かってるっての、うるせぇな……」



 誰もが寝静まった時間帯。

 覆面姿の男性二人が、とある店から出てきた。彼らは言うまでもなく盗人であり、目的はこの店の中にあるとされる高価な宝石などの品々。しかしながら、どうにもその中には普通でない何かがあるようで、遅れた一人が不気味な笑みを浮かべていた。

 車に乗り込み、発進させながら二人は言葉を交わす。



「……ったく、本当なんだろうな。その石の話は」

「あぁ、間違いねぇさ。手に取った瞬間にマジだって分かった」

「【異能石】――その、なんだ? 超能力みたいな、なにかが使えるようになるのか? そんな薄汚れた石ころを持ってるだけで」

「そうだよ! これで俺も、異能使いの仲間入りだぜ!!」



 助手席に腰かけた男性の手に握られていたのは、一見して変哲のない石。

 サイズとしては直径三センチ、というところ。だがしかし、それは先ほどの店の中でも最も厳重に保管されていたもので、なにやら違和感が大きかった。

 事実、手にした彼も自覚はあるらしく。

 運転をしている仲間に、どこか熱のこもった声で話し続けていた。



「異能者ってのは金に余裕がある奴らが、貧乏人である俺たちみたいな人間を見下すために生み出されたものなんだよ! その証拠に、俺でもこの石を持ってるだけで力が漲ってくる!!」

「お、おい? 大丈夫なのか……?」

「あぁ、大丈夫に決まってるだろ!? これで人生一発逆転だ!!」



 肩で呼吸し、鼻息荒い仲間を見て。

 運転を担当する男性は、なにやら善からぬ気配を感じ取っていた。

 何故なら、仲間の様子が見るからにおかしいのだから。たしかに人一倍、異能使いへの憧れを語っていた彼だが、この興奮具合は行き過ぎていた。

 瞳孔開き、一度もまばたきしていないのか充血し始めている。

 そして、人気のない埠頭までやってきた時だ。




「こ、これで俺も……ごふっ!?」

「おい! どうし――」




 石を手にした男性が、血の塊を吐き出したのは。




「大丈夫か、おい!?」



 急遽、車を止めて仲間の様子を確認する。

 すると――。



「く、くくくくくくくくくく」

「ひっ……!?」



 地を這うような不気味な笑い声が、車内に響き渡った。

 そして、次の瞬間。



「あ、ああああああああああああああああああああああああ!?」





 運転を担当していた男性の悲鳴が木霊した。









斑鳩いかるが陵介りょうすけ――目標は確認できたか』

「あぁ、見つけた。沿岸部埠頭の一角、男性一名死亡」

『了解した。落伍者の処分に移れ』

「……はいはい」



 俺は無造作に積まれた貨物の上から飛び降りて、標的のもとへと歩み寄る。

 先ほどまで人間だったもの。それが今では、人を喰らう肉塊と化してしまっていた。同乗していた男は腸を食い破られ、即死に近かっただろう。

 目を開けたまま転がった頭部が、そのことを物語っていた。



「…………はぁ……」



 それを見て、俺は一つため息をつく。

 しかし、すぐに気持ちを切り替えて立ち上がった肉塊に目をやった。高さが二メートル以上あるそれは、俺を認めるとすぐに襲い掛かってくる。

 元々が腕であっただろう触手を伸ばし、こちらの首根っこを掴まんとした。

 でも、その直前に――。



「……『障壁バリア』」



 俺がそう呟くと、目の前には半透明の壁が出現。

 触手の行く手を妨害し、相手の動きを一瞬だが食い止めた。猶予は長くないが、数秒でもあれば十分だ。俺は一つ舌を打ってから、肉塊を凝視して――。





「『発火ファイア』……!」





 忌々しくも、そう口にした。

 直後、炎が巻き起こると同時に肉塊の断末魔の叫びが響く。

 これですべて、終わり。今回、俺に与えられた任務は完了した。




「…………」




 俺は燃えカスとなる肉塊と男性の遺体を見て、静かに目を伏せる。

 そして踵を返し、スマホを耳に当てるのだった。




 


面白かった

続きが気になる

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