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バラエティ番組騒動

『ギガクロスブレイク&岡西 21年ぶり無敗三冠!』


 三冠達成をした菊花賞から2日後の休日。自宅の一室でインターネットでスポーツ欄の競馬関連の記事を閲覧しながらしみじみとレースを振り返る岡西の姿があった。


「21年ぶり無敗の三冠馬かぁ。ほんとに達成したんだな。菊花賞の日から2日経っても俺が決めたというのが未だに信じられないな。ギガがタケコーの馬に並ばれて引っかかったときは正直ダメかと思ったけど、結局最後はその引っかかったギガの底力に助けられたからなあ」


菊花賞の激闘の余韻に浸りながらのんびりとカップに入った温かい緑茶を軽く一口飲んだ。そして次の記事をマウスの右クリックで閲覧し始めた。


『オンリーゴールド 復帰間近』


NHKマイルカップの数日後、故障したオンリーゴールドは脚部の手術をして夏を放牧先で黙々とリハビリをしていて、11月初頭に栗東トレセンに帰ってくる。


「やっとゴールドが戻ってくるか。本岡先生から話は聞いていたけどメッチャ楽しみだなあ。3歳のG1戦線は芝がギガクロスブレイク、ダートはユーロステイテッドとそれぞれ渡り歩いてきたからなぁ。ゴールドがいれば短距離路線で面白い勝負になるぞ。今年はエネマイ以降出番がなかっただけに来シーズンはぜひともコイツにも頑張ってもらいたい。いや、俺が勝たせてやらないと」


岡西は今年の3歳世代に中央&地方で合計6つもG1を勝たせてもらったこともあり来シーズンの古馬G1戦線が待ち遠しくてたまらなかった。そうやっていろんな可能性を想像しているうちに時間があっという間に過ぎて夜の21時にまでなっていた。


「おっと、もうこんな時間だ。そろそろ寝たいところだけどちょっと久しぶりに週間テレビジョンでもみてみるか」


そう思って岡西はここ1週間のテレビ番組表をチェックしはじめた。ちょうど日曜のテレビ東京系列にて気になる番組を発見した。その番組のタイトルは『スイーツの旅2時間スペシャル』というもので、続きを読んでみると『相撲界&中央競馬騎手の大御所がゲスト出演』というふうに書いてあった。


「な? なんだって? こんな太りやすい副業に中央の騎手が出るのか? しかも大御所って……。まあテレビ東京系列だからたぶん関東の騎手が出てくるとは思うけど。関東所属の騎手で大御所って言ったら基本的に柴畑さんや横井さんとかあのへんの世代のはずだけど、スイーツ好きってイメージじゃないんだよなぁ。ひょっとして関西のほうかなぁ? 大御所クラスといったらアンカツさんとか匠さんだけどこの人達もまたイメージとはかけ離れてるしなぁ。ちょっと世代を若返らせて甘いもの好きな騎手は何人か思い当たる人はいるけどどう考えても大御所ってレベルでもないし……」


岡西はそのテレビ番組の内容の記事を読んでみると、日本が誇る2大グルメリポーターのコラボ番組でそれぞれがゲストを連れてくるというもので片方は相撲界、もう片方が競馬会からスイーツ好きの大物がやってきて、自分の知ってるお勧めのスイーツの店を案内しながら食べ歩きするというものだった。


「ふむ、グルメリポーターの牛塚さんと文麿さんはお茶の間でおなじみの人か。相撲界の大御所のほうは最低でも横綱経験の親方あたりでも連れてくるんだろうな。しかし競馬会のほうの大御所がどう考えても見当がつかない……」


岡西はゲスト出演してくる競馬会の大御所についてまったく思い当たる節がなくて頭の中で手詰まりを起こしてしまった。


「そうだ、ブルーレイ録画のDVDデッキがあるからこれでタイマーセットするか。考えるよりも録画して中身観たほうが早いからな」


そう言って岡西は日曜のテレビ東都系列の19時~21時の番組をタイマー録画をセットしてそのまま就寝に入った。



──それから5日後の20時頃、押切宅にて──



 この頃押切はおなじみのサングラスをかけたまま頭には緑唐草の三角頭巾、そしてハートマークだらけの生地の割烹着を着てリビングの掃除をしていた。厩舎のスタッフの前ではいつも威張り散らしてる押切だが、家の中では嫁には頭が上がらず帰宅したのと同時に家事を押し付けられるという毎日だという。


「はぁ、やっと終わったわぁ。ホンマに疲れたわぁ」


ボヤきながら押切はそのまんまの格好でバタンとソファーに寝そべった。そして寝そべってるときにテレビが押切の目についた。


「せや、ちょっとテレビでも観るかなぁ。確かこの時間帯エフジーテレビ系列でジャングルスポーツやってるさかい……。あの番組いろんなアスリートの裏側聞けてオモロいんからなぁ」


押切はそういってテーブルに置いてあったリモコンに手を伸ばして電源をつけてしばらくボーっと観ていた。


「う~ん、今日はなんかメンツ的にオモロないなぁ。ちょっと他の番組にチャンネル切り替えるか」


押切は番組に飽きてしまって他のチャンネルを適当に切り替えて他に面白い番組があるかどうかを探しはじめた。そしてテレビ東京系列にチャンネルを切り替えた瞬間、衝撃が走った……。


「は、はぁ? な、なんやこれ!」


押切が観たテレビ画面にはドアップで映ったのはまぎれもなくちゅんだった。そのちゅんはテレビ番組内でおいしそうに他の3人と共においしそうにスイーツをほおばっていた。


「あ、あのアホタレ……。絶対シバいたるわぁ!」


久しぶりに激高した押切は手に持っていたリモコンを地面に叩きつけた後、即座に自分の携帯を取り出してちゅんに電話をかけた。


『はい、もしもし』

「今すぐワシの家に来い!」


ちゅんに一言一括したのと同時に電話を切った。必殺の通話時間2秒の電話である。電話の向こうでちゅんはその時真っ青になっていたという。


「ちょっと何? 今の音?」


押切の妻が不満気な声で押切に問い詰めに来た。


「い、いや、ちゅんの奴を説教せなアカン思って……。今さっきあのアホタレがテレビでいらんことしよったさかい……」

「リモコン壊したら承知しないからね!」

「は、はい! それはもちろん!」


嫁のクギ刺しに真っ青になりながらも苦し紛れに答える押切。どうにか嫁をなだめた後に、人間業とは思えないくらいの猛スピードで三角頭巾&割烹着を脱いでいつもの格好に早代わりしてちゅんが来るのを待った。



──約30分後──


(ピンポーン!)


押切宅のインターホンが鳴った。それと同時に押切は猛スピードで玄関までやってきてドアを開けたのと同時に外で待っていたちゅんの手を引っ張って強引に家に入れた。そして居間まで連れ込んだという。


「あ、あの……。なにを憤ってるんでしょうか?」


ちゅんは恐る恐る押切に尋ねてみた。


「お~、なにがスイーツの大御所やぁ? オマエずいぶん出世したもんやなぁ。あぁ?」


押切はいつもの威圧感でちゅんを睨みつけた。


「え? え? 僕が大御所って……」

「はぁ? オマエまだとぼけとんのか? ワシに黙ってテレビ出演ってどないなっとんのやぁ!」

「え、まさか……。僕がテレビ出てたの観てたんですか?」

「お~、観とったでぇ。ずいぶんスイーツばっかほおばっとったやないか。ワシがオマエのことなんも知らんと思っとったんか?」

「ひ、ひぃ~、黙ってたことは謝ります……。じ、実は1ヶ月ほど前に番組プロデューサーの人に強くお願いされまして断りきれなくなりまして……。押切先生にもなかなかいい出せなくてそのままズルズルと行ってしまって……」

「オマエ、共演者の相手悪すぎやろ! 騎手と相撲取りって明らかに差あるやろ! そんなこともオマエはわかれへんのかいな? あぁ?」

「い、いや……。共演者の方が誰なのかってのは撮影当日までわからなかったんですよ……」

「オマエ、本岡さんに今年重賞2つも勝たせてもらって調子乗っとるんちゃうか?」

「い、いえ……。調子に乗るなんてそんな……」


ちゅんは10月終了時点でジャンプ重賞を2つ制覇してる。どちらも本岡厩舎の管理馬ユーロギャラクシーで1つは夏競馬の時、もう1つが今から2週間前の秋華賞の前日に『東京オータムジャンプS』いう重賞を勝っている。もちろん岡西からコースの特徴や道中の位置取りなどのアドバイスをしてもらったために勝てたものである。


「なんでワシの管理馬では勝てへんのや? 夏はマグレでも勝ち鞍アホみたいにぎょうさんあげよったくせに、その中にワシのところでの勝ち鞍は1つもあれへんってどういうことや?」

「い、いや、それはたまたまで……。た、たぶん押切先生からの騎乗依頼数が少なかったからかと……」

「はぁ? 騎乗依頼数やて? オマエがアテになれへんからやろ! ワシらが今健在なのは紛れもなく岡西君のおかげやで~! オマエかて岡西君にぎょうさん世話になっとるやろが!」

「は、はい……。そ、それはもちろん……」

「せやったらワシのところの馬でも勝ち鞍挙げやがれドアホ! いっちょ前にテレビなんか出やがって! もしワシんところから騎乗依頼来た時、勝てへんやったらどーなっかわかっとんのやろうなぁ?」


その後、押切の説教は夜中の3時まで続いたという。家庭内で怒鳴り散らすのはかなり久しぶりのことで、普段はここまではできない。たまたま押切の嫁と子供が、ちゅんが来る数十分前に親戚の家に出かけてたからできることである。



──PM22:00頃、岡西宅にて──


 ちょうど押切がちゅんを説教してる時間帯に岡西は帰宅した。レース終了後、岡西は帰り道でゲームセンターに寄ってオンライン対戦の麻雀ゲームに5時間ほど楽しんできたが、岡西の表情はバツが悪そうだった。


「ふう、やっと帰ってきた。久しぶりにオンライン対戦の麻雀に熱中したけど、どうも手が悪すぎるし相手はやたら高い手でツモるし散々だったよ。今日の天皇賞秋も匠さんの馬に勝たれてしまったし……」


岡西はブツブツと1人で他愛もない愚痴をこぼしながら普段着に着替えた。そして居間のソファーに座った時、DVDデッキの録画が完了していたサインが岡西の目に付いた。


「あっ、そうだ! あの時タイマー録画した例の番組の内容を調べないと! その前にお茶お茶っと……」


岡西はお茶の準備を済ませた後、テレビの電源をつけてついにあの番組を観始めた。最初はグルメリポーターの2人(牛塚・文麿)が数分間スイーツに関するトークをしていて、しばらくするとゲストが呼ばれるという番組の流れだった。先に牛塚の紹介で登場したのが「スイーツ親方」でおなじみの元横綱の柴多摩親方だった。


「うわぁ、懐かしいなあ。俺が小学生か中学生の時に相撲観てた時、この人強かったんだよねえ。でも俺はハワイ出身の『昭和の黒船』の力士応援してたからなぁ」


岡西は麦茶を少しずつ飲みながら番組を楽しんでいた。その後、柴多摩親方と合流後に店に行こうとした時、文麿が制止して自分が呼んでるゲストのことを持ち上げはじめた。文麿がやたら強調してるのは「競馬会の若きスイーツの大御所」というところだった。岡西はその格言を聞いて興味心身だった。一気に麦茶を飲み干そうとしたタイミングでちゅんがよそよそしく出てきたシーンを観たのと同時に岡西は飲んでいた麦茶を噴き出した。


「ゲホゲホゲホッ……。ち、ちゅん君? う、嘘だろ……」


岡西はちゅんがバラエティ番組しかもグルメ番組に出てることに目を疑った。自分の常識を根底から覆され、岡西は唖然としかできなかった。その後、ちゅんは文麿にここ数ヶ月の騎手実績のことを持ち上げられて舞い上がっていた。すると牛塚から1つ質問で「所属厩舎の先生がよく許可出してくれたねえ?」と聞いてきたところ「ええ、黙ってやってきましたので大丈夫です!」とちゅんはキッパリと爆弾発言をして周りを震撼させた。師匠の話題の時、テレビの画面の端のほうに押切の写真がちらっと公開された。


「ええ、この人が先生? ちょっと親方! この人どう思います?」

「い、いや……。わたしにふられましても……。少なくともわたしが現役の時の親方に比べて数千倍怖いです……」


牛塚と柴多摩親方は押切の写真を観て、緊張のあまり大量の汗をかき始めた。その後もちゅんは次々と番組内で爆弾発言を連発させながらスイーツを次から次へと食していった。


「俺、ちゅん君の育て方間違ってたのかなぁ……。今度トレーニングするときは倍以上のメニュー課さないとダメだな……。それにしてもこんな番組出てることが押切先生にバレてしまったら……」


岡西は番組の最後の最後まで嬉しそうにスイーツをほおばるちゅんの姿を観て両手で頭を抱えて思い悩んでいた。疲労感を一気に背負ってしまった岡西はそのまま就寝に入ってしまったという。



──翌日、美浦トレセンにて──


 水曜の美浦トレセン。やや肌寒くなってきてもトレセン内の光景はいつも通り変わらない様子だった。岡西もいくつかの厩舎に依頼された追い切りをこなしながら時を過ごしていた。


(今日もいつも通りだったな。楽しみなのはなんといってもアルタイルだな。動きも絶好調だったし来週のJBCスプリントは楽しみだな。明日は栗東でルーンの最終追い切りだ。アイツではファンタジーSはいただきだな)


岡西は自分のお手馬での来週のレースを楽しみにしていた。キタノアルタイルはドバイ2着以来、地方交流重賞で3戦ほど戦績を積んできて3戦3勝。リディアスルーンはデビュー戦で圧勝後、10月2週の土曜、京都でデイリー杯2歳SというG2の重賞レースを各上挑戦で快勝して勢いに乗っていた。オンリーゴールドの復帰も近いということもあり岡西は自分自身の騎手人生の充実期を肌で感じはじめていた。お手馬への期待を思い描きながら家路につこうとした。


「え~、お前録画してなかったのかよ」

「こういう時に限って俺のビデオデッキ壊れやがったんだよ」

「マジかよ。あの番組メッチャ楽しみにしてたのに」

「俺も野暮用あって見逃してたんだよ」

「誰か録画してる人いないかなあ?」


静かなトレセン内で談笑していた若い連中がいた。


(ん? 誰だ? トレセンでデカイ声張り上げて井戸端会議してる奴らは?)


ちょうどそこを通りかかった岡西はバツの悪そうな顔をして井戸端会議をしてる連中を確認しに向かった。


「オイ、お前ら! トレセンで無駄にでかい声でなに井戸端会議してるんだ? 周りの場所を考えろ!」


そのだべってる若い連中は後輩の乗り手ということが体つきでわかったため岡西は一喝した。


「あっ、すいません岡西さん」

「岡西さん、聞いてくださいよ~。僕らみんな楽しみにしてた番組を見逃してしまって……」

「誰か録画した人いないかどうか探してたんですよ」


話していた連中は騎手学校20期生の美浦所属の騎手5人(吉井瞬・出水・津田村・伊丹・野高)だった。みんなちゅんと同期の2年目の騎手だった。


「番組だと? なんの番組だ?」


岡西はぶっきらぼうに後輩達に問い詰めた。


「はい、実は先週の日曜日、楽しみにしてたバラエティ番組があったんですよ」

「そのバラエティ番組に僕らの同期が出てるということを知って」

「それで僕のビデオデッキで録画しようとしたんですけどちょうどその時壊れてしまって……」

「それでみんな路頭に迷ってるということです」


出水・津田村・伊丹・野高の順で岡西に事情を説明し始めた。


「それでその騎手の名は?」

「鈴木中君です。僕らの間ではちゅん君って言われてますけど……」

「うっ、ちゅん君か……」


岡西は後輩達の証言から3日前に視聴した「スイーツの旅」の番組であることを瞬時に理解した。嫌な思い出がフィードバックして卒倒しそうになったが、持ち前の精神力でもちこたえた。


「ちゅん君とはいつも一緒にトレーニングしてるからなあ。ひょっとしてお前達が探してるのはそのちゅん君がグルメリポーターと一緒に食べ歩きする番組か?」

「そ、そうです! 岡西さん、ご存知でしたか?」

「知ってるも何も、俺は今から1週間くらい前にテレビガイド観て番組の見出しの内容が気になって不覚にもタイマー録画した……」

「と、ということは! 岡西さん、その番組デッキ内に残ってますか?」

「帰ってから消そうと思ってたんだが……」


岡西はめんどくさそうにポロッと本音を出した。


「ワー、ダメです! 消しちゃいけません! お願いします! ダビングしてもらえないでしょうか?」

「僕らの一生のお願いです!」

「岡西さんお願いします!」


後輩5人は岡西が自分達が観たい番組を録画してると知るやいなや一斉に岡西に嘆願し始めた。


「だからお前らトレセンで騒ぐな! こんな場面見られたら俺が一番怒られるじゃねーか」


食いついてくる後輩達に困惑状態の岡西。


「ここは岡西さんでないとできないお願いです。お願いします」

「あ~、わかったわかったからお前ら落ち着け。ったくなんで俺がこんなくだらないことをお前たちのためにしなければいけないんだよ」


あまりの後輩達のしつこさに岡西はしぶしぶ頼みを引き受けるしかなかった。


「さすが天下の岡西さん! 僕らは一生ついていきます!」

「やっぱり三冠を達成した人は違いますね」

「僕らでは一生かかっても敵いませんよ」

「お前ら俺をおだててもなんも出てこんぞ。ったくそれくらい本業に情熱を注げよまったく……。んでダビングしたのはどいつに渡せばいいか?」

「そしたら僕が取りに来ますよ」


そう言って名乗り出たのは5人の中で最年長の吉井瞬だった。吉井瞬は他の4人よりも3つ年上でちょうどちゅんと同じ年である。


「わかった、瞬に渡せばいいんだな。お前たちに言っておくが情報元をバラしたらどうなるかわかってるだろうな?」

「も、もちろんです! 秘密は絶対守ります」

「ダビングのほうをよろしくお願いします!」


岡西の釘刺しに真っ青になりながらぺこぺこと頭を下る5人。この後輩5人は1つ上の先輩の増岡から『岡西の巨乳女性理論講座』の情報をあらかじめ仕入れていたため常に必死だった。


「んじゃ俺は明日栗東に向かうから俺は帰るぞ」

「あっ、はい、お疲れ様でした!」

「道中お気をつけて!」


後輩達との会話を切り上げた後、岡西は美浦トレセンを後にした。


(ったくなんで俺がこんなくだらないことをしないといけないんだよ……。俺もお人好しになってしまったものだなぁ)


岡西はブツブツ小言をいいながら家路についた。後日、ダビングされた番組は岡西から吉井瞬の手に渡り、美浦&栗東のそれぞれの若駒寮に出回ったという。若手騎手達はちゅんの爆弾発言てんこ盛りのその番組を笑い転げながら視聴したという。

《モデル騎手紹介》


吉井瞬→吉田隼人(騎手)

出水→水出大介(騎手)

津田村→津村明秀(騎手)

伊丹→丹内祐次(騎手)

野高→高野和馬(騎手)

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