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死神少女と俺の距離は壁一枚。  作者: 江間 黒明
9/9

梅雨の一幕~バジルと死神少女と傘を添えて~

更新したぞ!!気合いだ!!ああ!!

(日本語訳:いつもよりかなり長くなっちゃいました、てへぺろ。サブタイトルは適当です。後から変えるかもね。書いてて楽しかったです。楽しんでいただけると幸いです。)


梅雨。それは雨がたくさん降る期間の事を指す。

そしてふと自分の布団と自分の格好を見る。

布団は汗にまみれて濡れに濡れ、パジャマとして着ているパーカーと長ズボンのジャージは半そでかと見間違うほどに捲ってある。

「…嘘だ。こんなの嘘だ…。こんな梅雨嫌だ…。」

気温は29度、もはや夏である。こんなに布団を干すのに最適な梅雨があってもいいのだろうか。

「布団干すのダルいなぁ…ファ〇リーズでいっかな、うん。」

あまりの熱さに頭のCPUもやられてしまっているらしい。

こんな時にやるべきことは一つ。この家で唯一エアコンのあるリビングへ行くことだ。

階段を下りてリビングへ向かうと微かに冷気を感じた。どうやら先客がいるらしい。

有難い先客だ、早起きしてわざわざエアコンをつけておいてくれたのだろうか?

まぁそんな訳ないか。そうだな…『…早く起きたからつけた、それだけ。』とか言いそう。

そしてリビングのドアに手をかけ、

「おは…」と言いかけたその時、


「「あっ」」


…眼に入ったのは真っ二つに割られたエアコンと若干涙目になった同居人。

同居人の死神少女がまたやらかしているようだった。



「えっえっとね…?」

「まぁまずは話してごらん?話は聞かないといけないよなぁ。うんうん。」

「暑くて寝付けなかったからその…えあこんっていうのを使おうと思ってね?」

「うんうん。」

「でもその…。」

「うん。」

「ボタン押したら暖かい風が出てきて…イライラしちゃってね?」

「うんうん…うん?」

「気づいたら、その…」

「うん、もういい大体分かったようん、でもなんで、どうして今なんだよぉおおおおおお!」

エアコンは死んだ、共に衣食住を共にする同居人の死神少女の匠な鎌捌きによりきれいに真っ二つに割れてしまっていたのだ。

…どうしよこれ。エアコンなしで生活するのもきついしだからと言ってカルマ叱るのもなぁ…。

「えーとだな…。」

「…。」グスッ

(考えろ!考えるんだ、カルマを泣かせず今日一日をとりあえず乗り切る方法を考え抜け俺!)

…考えた結果、少し離れたところにあるファミレスに避難することにした。




定員さんに案内されて席に着いた俺たちはとりあえず料理とドリンクバーを注文し、ドリンクバーへと足を運んだ。

「…?」

時間をずらしていったのか違う道を通ったのか分からないが先に行ったはずのカルマとすれ違わなかった。

…やっぱりエアコンの件を気にして負い目を感じてるんだろうか?

席に戻るとカルマはちゃんとそこにいた。一安心だ。というか流石に心配し過ぎか、俺。

前みたいに逃げられると追いつけないしサラリーマンの俺にとっては知ることは重労働だ。

「おっやっぱり赤ぶどうジュースだったな。」

カルマは大体赤ぶどうジュースを持ってくる。前に理由を聞いたら

『赤ワインが好きだけど前に貴方に止められたからこっちで我慢する。』

…と言われた記憶がある。そうです、彼女一見ロリだけどもう115歳です、はい。


「お待たせいたしましたー」

料理が机に届く。俺はトマトパスタ、カルマはカルボナーラ、そしてチーズを追加トッピングしたピザが机に並ぶ。

そしておもむろにブラックペッパーをカルボナーラにかけるカルマ。

一口食べて赤ぶどうジュースを飲む彼女はとても美しい。芸術品と見間違うほどの美しさだ。

おっと、自分も食べなければ…。こうして会話はないけれど、いつも通りで安心したのか

彼女の口元にはうっすらと笑みが浮かんでいるように見えた。

「一口頂戴。」

「はいはい…。ってなんだその不満そうな顔は?」

「ソースの絡みが良くない部分嫌。」

「へいへい…?」

…あっいい事を思いついた。

「ほら、やるよ。」

「♪…。…?あっ…???」

見る見るうちに顔が青ざめていくカル。それもそのはずだ…何故なら。

「あの…あの…。」

「どうしたんだいカルマさんやソースたくさん絡んでるだろう???(満面の笑み)」

「バジル…は…。」

そうなんですこの子香草の類苦手なんですよねーうん。

というわけで食べて頂きましょうか!!さぁ!さぁ!!

「どうした?念願のトマトパスタ食べないのかい???」

「…あはっ…ははは。」

あっすごいなんか過去最高に顔が引きつってる。うん、この表情も悪くないな、写真撮ろっと。

「嘘…だよね…?貴方こんなまるで悪魔がやるような事…しないよね…?」

「前を見てごらん、君の瞳には何が映ってる?」

そうです、満面の笑みでスマホを構える俺の姿です。

「この悪魔…。」

「へへったまにはこちらからも攻めさせてもらうぜ。」

駆け引きに勝った、俺の勝ちだ、そう思った時目の前に予想外の光景が映る。


「…あーん。」


「…へ?」


「あーん。」


「…まさかまさかご冗談でしょカルマさんや?人前ですよ?ファミレスですよ?」


「…もう何も、怖くない…。だから、だからね…?」



「 あ ー ん ♡ 」


「すいません調子乗り過ぎましたごめんなさいあーんだけはどうかそれだけは勘弁をお願いしますカルマ様どうかお慈悲」

「…。」

無言で顔寄せは怖いって!!


そして耳元で、


「…あーん、してくれないの?」


…。


「…くっ!負けました…負けましたから…。」

「…よろしい。」


結局今日も、ダメだったよ…。




ありがとーございましたー。

腹を満たしてファミレスで公開あーんの刑に処された俺とカルは店を後にしようとしたが…

「雨、だな…。」

今日は降らない予報だったから生憎折り畳み傘もない。

俺は濡れてもいいが…カルはそうとはいかないだろう。

どうすれば…ふとカルを見ると、そこには大きい傘を持ちすたすたと帰路につくカルの姿があった。

なるほどなるほど…。なるほど…。なる…いやちょっと待て?今、俺は何を見た?

大きな傘を持って帰路につくカルマを見たって、そうだったよな???

「…帰んないの?」

「あっいやうん帰るんだけどさ…お前手ぶらだったよね?」

「…これ私の鎌、なんだけど?」

「OMG…。」

変形機構持ちとは驚いた。



「てか案外広いな…もう一人くらい入りそうだ。」

「…。」

「…いやぁホント助かったありがとな。」

「…うん。」

「それでさ…。」

「?」

「なんでそんな距離とるんすかカルマさん?」

「…別に自由でしょ。」

「いやぁせっかく広いのにそんな端にいると濡れちまうぞ?」

「この傘が狭いならまだしもですね、この広さだと…これ位は詰められそうだが…。」

「あっ!…あっ。」

「えっ」

…傘が3回りほど小さくなった。


…。


「…あっえっとその…。」

「いーよいーよ。」

「え?」

「冗談で言ったがホントに傘が小さくなっちまうとはな、まぁいいじゃないか。お前、端行き過      

 ぎだったし。これでもう端に行けないから濡れなくて済むだろ…ほら、もっとくっつけよ。」

「…ばっばかっ…。」

「馬鹿とは失礼な。」

「だって…。」

…俺達の関係性は梅雨と似ている。そうだな、天気予報風で表すなら…さながらこうだろうか。


「時々曇りのち大雨…でも最後はまぶしいほどの快晴でしょう!…かねぇ。」

「…天気予報?それにしてはおかしすぎるけど。」

「なんでもねーよ、ほら靴ぐちゃぐちゃになる前に帰るぞー。」

「…はい。」


カルマ梅雨前線…通過を確認っと。次は台風か?いや、勘弁したいところだ…。

俺が温帯低気圧に変えられるといいのだが…なんてね。

こいつの梅雨期間はもうちょい、後ほんのもうちょい長くてもいいかもな、うん。それでいい。

今日の晩ご飯の献立を考えながらそう、思った。












次の更新も未定です!!思いついたら書きます!!いつになるか分かんない!!楽しみにしてて!!

じゃ!!次回お会いしましょう!!読んでくれてありがとう!!さらば!!

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