4 トラウマ
本文の内容とか、キャラの心情とかは作者の意見とか考えとかそう言うんじゃないんで、ほんとなんかそれっぽく読み流してくださいお願いします。
人類平等! 人権万歳!
「ほぉ……」
そう言うと、男は少しだけ髭の生えた顎を触りながら、目を閉じて何かを考え出した。
ガラッと空気が変わったので、私もそれ以上言及できず、男が口を開くまで待っていることしかできなかった。
…
……
………
パシンッ!!っと自分の膝を叩いて男が目を開ける。
「……もし、お前が嫌でないなら、男になってみないか? 」
真剣な眼差しで低くそう言った。
誰が聞いても意味を理解できない言葉ではないだろうか。 直接それを受け取った私はなおさら訳がわからない。
「どういうことでしょうか? 」
そうやって聞き返すしかない。
「お前の顔は、男とも女とも見れる。 この乱世、女より男の方が世間の通りが良い。 だがしかし、お前にも家やら家族やらがあるだろう? だから強要はしない。 どうだ? 」
相変わらず真剣な顔で聞いてくる。
どうだ? と言われても………
ん?
今、聞き逃しちゃいけない語句があった気が……
「……乱世って、どういうことですか? 」
「乱世は乱世、戦国乱世だ 」
……………
しばらくの間思考がフリーズした。
は? 戦国乱世? どんな冗談? 今時小学生でも信じないでしょ。 この人大丈夫か?
乱世? 本当に? なんで? なんで私が戦国時代にいるの? ……バスの事故? そんなSFみたいなことある?
人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた人が死んでた
━━━━━━
━━━━━
━━━━
━━
━
━
━━
━━━
━━━い━
━━━━い!
「おい! 」
バチンッと頭の中で何かが弾けたような感覚がした。
私は、何を……?
「平気か? 急に気を失うから驚いたぞ 」
私、また気絶してた? 何でだっけ……?
━━頭いたっ!
何か重いものをぶつけられたみたいに痛い。
それに、気絶する前のことをよく思い出せない。
何の話をしてたんだっけ?
……私は、女。 和久井優理。 目の前の人は、私を助けてくれた人。 ここは、どこ? 何で私はこの人に助けられた? それに、ここら全体が私の知らない場所のはずだけど、私は何でここにいるの?
……思い出せない。
「悪いな、なんか辛いことでも思い出させちまったか。 無理に答えなくてもいいからな。 俺も暇だし、少しくらいならここで面倒見てやれるよ 」
……答えってなんだっけ? 何か聞かれてたんだっけ?
………なんだろう。 確か、私にとって大事な何かだった気がする。
……男?
男がどうとか……男になる?だっけ?
何で?
わざわざ男になるんだっけ?
……らんせ?
乱世だから? そうだ。 乱世だからだ。
女より男の方が力があるからだ。
「私やります 」