勇者凱旋
えっ、ちょっ、マジで、マジで言ってる?
いつもみたいに玄関とかでいいじゃん。
なんで異世界!!
なんで魔王倒してんのーー!!
頭の中で出来事を整理しようとするが全く出来なくて困惑してる俺と、その姿を見て不思議そうに首を傾げるリーサとアルク。
「クエストは終わった。さっさと帰る」
背後から不意に聞こえるその声に振り返るが背後には誰も居なかった。
いや、視界の下の方で白いとんがり帽子がツンツン動いていた。
俺の腰辺りまでしか身長のない小さな少女が俺の背後、お尻のとこに居た。
「キミ‥えっと、何してんの?」
俺がそう訊ねたときには、とんがり帽子の少女は俺の腰に手を当て、次の瞬間には景色は一転。
気づけば小さな村が視界に入った。
村の中は数人の村人が慌ただしく働いている。
横には、ようこそアーガス村へと書かれた看板が立っていた。
視界を再び村に移すと村人達が俺に気づいて、こちらへ駆け寄って来る。
俺は思わず後退してしまうが、その瞬間ドンッと背後の何かに当たってしまう。
見るとそこには魔王討伐を成し遂げたらしい、仲間3人が立っていた。
「帰ってきた!!帰ってきたぞー!!」
ワーーと声が上がり小さな村が人で溢れかえる。
俺達は人に囲まれ見動きも取れず、矢継ぎ早に飛んでくる質問にたじろぎ、流されるままに胴上げをされる。
「勇者、勇者、勇者」
そう言われながら高く上げられる中、アレッ‥誰かに褒められるのとかすごく久しぶりだな、なんてことを考えていた。