決別のとき
「それでも私はやっぱり…」
俯いていた女の子は意を決した様な瞳をした。窓の冊子を持ち上げるとひんやりとした風が駆け抜け、二人を取り巻いていく。
「待って。行っては駄目だ。嵐が来ているんだよ」
「…強い風が吹いているだけよ」
「あぁ…!!」
2人はつかの間、抱き合った。
「ごめんね…」
そっと彼の体を離し、
女の子は窓から飛び出そうとした。
「いいえ…謝らないで。…そんなことを言ったら、彼に悪いだろう?」
貴女はこれから彼と幸せになるんだから…そんなことを言ってはいけないよ。
男の子は切なそうに笑ってみせたが、その装いも愛しかった彼女の背中が見えなくなる頃にはくしゃりと歪み声にならない声に変わっていってしまった。
「…と、こんなふうに激しく悲しい恋愛模様はいかがでしょうか先生!!」
もうこれしかないです!という風に女の子が湯呑みをこぼしかねない風に意気込みながら言った。
先生は熱いお茶を一口、そしてぼんやりと茶室の壁のシミを眺めながらう~ん、20点。と呟いた。
見てくれてありがとうです!