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今日も、地味で平凡で何もない一日が終わる。
家に帰ってからも、さっきの人が頭の中から離れなかった。
なんだろう、恋とかそういうのじゃなくて何か気になって仕方なかった。
あの校庭のキラキラ部員の一員だからどうした。
今までの私ならそう流していただろうに。
あの独特な雰囲気にすっかり呑み込まれてしまったようだ。
仲間は多そう。だけど、なぜか棘があるような・・・
それはそうだろう。こんな地味女に愛想よく笑顔を振りまくほうがおかしい。
ある人を除いて・・・。
ベッドに横になりながら、ぐるぐると脳内を駆け巡る彼の顔と声が忘れられなかった。
そもそも、あの人は同い年なのだろうか。
いや、それはなさそうだ。
やはり、一つ上の先輩??
うわ、樹先輩と同い年だなんて考えられない・・・
明日聞いてみようかな。なんて思ってみたけど
聞いたところで何になるんだ。
もういい、早く寝て忘れてしまおう。